16/08/03
小学生にもわかる「お金の授業」 お金ってなに? 金融ってなに?
「お金」ってなに?「金融」ってなに?
と小学生に聞かれたら、どう説明しますか? よくよく考えてみるとお金や金融という言葉について、やさしく説明するのは難しいなあと悩んでしまいました。
今回は「お金」と「金融」、そして一歩進んで「株式投資」についてできる限りやさしく説明していきます。FP Cafe Mocha(モカと読むって知ってました?)を愛読して下さっている方のお役に立てばとても嬉しいです。
「お金」の役割は、「交換」「価値の表示」「保存が容易」
お金があればどんなことができると思いますか? 「欲しい物を買う」や「してほしいサービスを受ける」ですね。
たとえば今、手紙が書きたい私の手元には千円札しかありません。紙幣で字を書くことはできません。そこで、私は千円札を持ってスーパーへ行き、便せんとペンを買い手紙を書くことができました。
このように、それ自体で欲求を満たすことはできませんが、物やサービスと交換して初めて欲求を満たすことができる。これがお金の役割です。
もうひとつ、お金には大きな役割があります。それは、その物やサービスの価値(必要としている度合い)を示すということです。
自分が持っているものを、それが欲しい人に渡すといくらもらえますか? また、自分が1時間あるサービスを提供すると、いくら得ることができますか? それが、「渡したもの」や「自分がした1時間のあるサービス」について、「お金を払った人が感じた価値」なのです。
最後に、お金には「保存が容易」という性質があります。財布に入れておいて取り出すのは簡単、放置していても食べ物や飲み物のように腐りません。銀行の口座にも保管でき、SuicaやEdyなどの電子マネーなどにすることもできます。最近ではビットコインという仮想通貨も出てきました。
「金融」とは、信用をもとにしたお金の動き
そんな役割のあるお金ですが、世の中には、「今は欲しいものやサービスがないが、将来必要となるかもしれない」という人もいれば、逆に「今欲しいものやサービスがあり、自分が持っているお金だけでは足りない」という人もいます。
その二者間の、「信用」を前提としたお金の動きを「金融」といいます。あくまでも信用があって金融は成り立つものだということを忘れないでください。
金融には、「直接金融」と「間接金融」があります。
「直接金融」とは、今お金が必要でない人が今必要とする人を信用して、直接お金を渡すことをいいます。株式投資や債券投資などです。渡した相手が使い方を間違えて、お金がなくなってしまったとしても、それはその相手を信じた自分の責任となります。
「間接金融」とは、そのやりとりを直接するのではなく、銀行などの「金融機関」を通して行うことをいいます。預貯金がそれに当たります。間接金融では、自分の渡したお金が、誰のどんなことのために使われているかはわかりませんが、なくなってしまうという危険性は金融機関が負ってくれます。
どちらも基本的にはお金を受け取った人が、対価として「配当」や「利子」というお礼をしてくれることになっています。
株式投資は、思いに共感し夢を買うということ
間接金融である預貯金や、直接金融である債券投資は、お金を「貸す」ので期日に返ってくるものです。しかし株式投資は違います。
株式投資の場合は、期日までに返すようにお金を貸すのではなく、出資です。他人に売却することでしか、お金と交換することはできません。信用が大変重要です。でも、これはと思った会社の事業に、長期に渡って直接自分のお金を使ってもらえることができるのも株式投資なのです。
自分では絶対にできない夢のような物や、こんなサービスが実現したら社会全体がとても良くなるだろうということが、自分が出資したお陰で実現したとすれば、これほど幸せで、心が高なることはありません。そんな気持ちで株式投資を行ってほしいと思います。
こう考えると、「寄付」に似ています。戻ってくるのは、「お金」か「感謝の気持ち」かということ。どちらも貰うと嬉しいですよね。
私は過去に、売って利益を出すためだけに株を買ったことがあります。何も考えのないままに、値上がりだけを見込んで買った株は、上がることはありません。事業やアイデア、信念に惚れて投資したのであれば納得もできるでしょう。でも、値上がりだけを見込んで短期で売る予定だった株がどんどん値下がりして、自分の情けなさに怒りをぶつける先も見つかりませんでした。
お金を「貯める」ということをよく考えてみる
お金は保存ができるということをお話しました。お金は貯めることができるという面があります。
では、なんのために貯めるのでしょうか?
それは、使うべきときに使うためですよね。貯めることが目的ではないはずです。
いつ、どんなことに、いくらお金を使うのかという、使う価値を自分でしっかり持って、お金と仲良くなり、お金に振り回されない楽しい人生を送ってもらいたいと思います。
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小野 みゆき 中高年女性のお金のホームドクター
社会保険労務士・CFP®・1級DCプランナー
企業で労務、健康・厚生年金保険手続き業務を経験した後、司法書士事務所で不動産・法人・相続登記業務を経験。生命保険・損害保険の代理店と保険会社を経て2014年にレディゴ社会保険労務士・FP事務所を開業。セミナー講師、執筆などを中心に活躍中。
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