16/02/14
マイナス金利は生活にどんな影響があるの?
マイナス金利を日銀が決めてから2週間弱が過ぎました。
連日TVや雑誌などでもいろいろ流れていますが、具体的にはどういうことなのでしょうか?
各銀行は自分が持っているお金をある一定以上、日銀に預けなければならないというルールがあります。これを準備預金制度と言います。日銀は、銀行のための銀行であり、この制度によりお金の流通量を操作しています。
マイナス金利発表前までは、日銀は、この銀行が預けてくるお金に対して金利を付けていました。私達が銀行にお金を預けて、利子をつけてもらうことと同じことです。
日銀は、その金利をマイナスにすることにより、各銀行がお金を預けておくと損になるため、日銀に預ける代わりに、いろいろな企業や団体などにお金を貸し出し、お金が世間に回るようにしようと考えての意図で、マイナス金利を決定したのです。このマイナス金利、海外ではもう何年も前から行われており、ある程度の成果を上げているようですが、日本での、私たちへの影響はどうなのでしょうか?
マイナス金利のメリット
メリットとしては、まずは住宅ローンや車のローンなどの金利が下がってきます。住宅ローンを抱え、まだ返済期間が10年以上、金額にして1000万円以上ローンが残っている場合、借り換えることにより1%以上金利が下がるご家庭は、見直しを考えるいい機会になるでしょう。ただし、借り換え手数料なども必要になりますので、FPなどの専門家によくご相談ください。
為替に対しては、金利政策の違いにより、円安外貨高になる方向ですが、2月12日現在、原油安、世界株安の影響により円高となっています。
マイナス金利のデメリット① 預金金利
軒並みメガバンクでは、定期預金の金利の引き下げを行いました。
現在の預金金利が0.02%と、100万円を1年間あずけても200円しか利子が付かないという金利がさらに低くなるわけです。インターネット専業のソニー銀行は普通預金の金利を0.001%に引き下げ、100万円を1年間預けても、10円しか利息がつかない計算です。ATMで引き出す手数料や、銀行に行くバス代など考えると、銀行に預けるよりタンス貯金の方がまし・・・みたいな考えになるかもわかりません。
マイナス金利のデメリット② MMFの販売停止
合わせて、資産運用商品の販売停止も続きました。日本国債などで運用する「MMF」を扱う資産運用会社11社すべてが販売を停止しました。
「MMF」はほかの株式などに比べ、リスクの低い金融商品とされていただけに、個人の資産運用の見直しは避けられないでしょう。
こうした動きが続くのは、金融機関が金利を決める際の目安としている10年国債金利が、マイナス金利の導入決定を受けて急速に低下している為です。マイナス金利もつい先日付けました。
マイナス金利のデメリット③ 保険商品
国債などのリスクの低い金融商品で運用してきた保険会社も、この先保険商品の利率を引き下げる方向に向かうかもしれません。
一時払いや月々での積立型で、将来の受け取り金額が増えるタイプの保険商品をお考えなら、こちらも急いだ方がいいかもしれません。
マイナス金利が私たちの生活にどんな影響があるのか見極め、生活の中に上手に取り込んでいきたいものです。
【関連記事もチェック】
・銀行預金より安全で有利!? 個人向け国債を検討しよう
・資産運用しないこともリスクに。インフレは忘れた頃にやってくる
・固定金利期間が終わった時の、住宅ローン金利見直しのコツ
・投資信託を使って、世界中に投資するだけ!
本田 典子 ファイナンシャルプランナー
大手製粉会社で料理講師を勤め、結婚で香港に在住約6年。帰国後、母の介護を経験しながら各種、ヘルパー1級資格他、全身障害者ガイドヘルパー、視覚・聴覚障害者ガイドヘルパーなど、介護関係の資格を働きながら習得。その後外貨での失敗を糧にFPなどの資格を取り、外資系保険会社で、個人・法人の営業担当として保険・相続・介護のコンサルティングを経験。介護と相続に関しては、実体験を踏まえており、コンサルティングには定評がある。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう