17/09/05
銀行預金より安全で有利!? 個人向け国債を検討しよう
銀行に預金しても、金利はほとんど付きません。生活資金は銀行の普通預金にあずけておけば良いでしょうが、資産を増やしたい時には銀行の定期預金は役にたちませんね(笑)。
そこで、個人向け国債について検討してみましょう。焼け石に水程度の効果しかありませんが、それでも出来る事をやろう、というわけです。
普通の国債は、利払いと償還額が決まっている
普通の国債は、当初から将来の利払い額と償還額(満期に払い戻される金額)が決まっています。この点は、銀行の定期預金と同様です。そうでない国債もありますが、それについては次回に記すことにしましょう。
普通の国債には、個人だけが買える「個人向け国債」と誰でも買える「新窓販国債」がありますが、現在の金利等を考えると、個人向け国債が圧倒的に有利ですから、今回は個人向け国債について学びましょう。
なお、個人向け国債には3年物、 5年物、10年物がありますが、10年物は変わり種の国債で、「普通の国債」ではありませんから、これについては次回記すこととして、今回は3年物、5年物について記します。
定期預金よりも安全で金利も高い
国債は国の借金です。「日本政府が破産するかも知れないから安全ではない」と思っている読者もいるかも知れませんが、日本政府が破産する時には日本の銀行も破産するでしょうから、銀行の方が安全だという事はありません。第一、日銀が紙幣を印刷して政府の借金を返済すれば良いのですから、日本政府が破産する事はあり得ませんが、その話は、別の機会に。
金利は年率0.05%ですから、多くの銀行の定期預金よりは多少マシでしょう。安全性が高く、金利も高いのであれば、要検討です。銀行の窓口で買えますから、定期預金と比べて手間がかかるわけでもありません。
中途換金した場合は銀行の方が有利だが
個人向け国債は、発行後1年間は原則として換金出来ません。その後は解約できますが、直前2回分の受取利息分が差し引かれますから、途中で解約する場合には銀行の定期預金の方が有利かも知れません。
もっとも、利息に関してはどちらもほぼゼロですし、解約できなくても銀行が個人向け国債を担保に融資してくれる場合もあるようですから、あまり気にする事は無いでしょう。
キャンペーンを行なっている証券会社もある
証券会社によっては、個人向け国債を購入した顧客に現金をプレゼントするキャンペーンなどを実施している所もあるようです。個人向け国債を販売すると、政府から手数料がもらえるので、その一部を顧客に還元しよう、というわけですね。
これも金額的には僅かですが、銀行預金より有利である点の一つですね。証券会社に口座のない人は、証券会社に口座を開く必要があるのが面倒ですが、逆に証券会社にとっては新規顧客獲得のためのキャンペーンという意味合いもあるのでしょうね。
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塚崎 公義 経済評論家
1981年東京大学法学部卒後、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関係の仕事に従事した後、2005年に銀行を退職して久留米大学へ。現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先とは関係なく個人として行っているため、肩書きは経済評論家と記す。
「退職金貧乏 定年後の『お金』の話」「老後破産しないためのお金の教科書」「増補改訂よくわかる日本経済入門」「世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書」「日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由」など著書多数。
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