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20/04/15

資産運用・経済

コロナショックはリーマンショック以上 今後の行方は

新型コロナによる外出自粛等で、世界的に経済が麻痺しています。世界的な経済の麻痺と言えば、リーマン・ショックが思い出されますが、今次局面は当時より遥かに扱いが難しいので、各国政府の適切な対応が強く望まれる所です。

リーマン・ショックは深刻だったが単純だった

リーマン・ショックの時には、バブル崩壊により金融機関が傷み、金融仲介機能が麻痺して実体経済に深刻な打撃をもたらしました。これは、過去に何度も繰り返されて来た金融危機でしたから、何が起きているのか、何をすれば良いのか、何となく見当がついたわけです。

一言で言えば、「巨大な怪獣が現れたから、武器を使って退治しよう」というわけです。新しい怪獣なので、相手の繰り出す技がわからない、という事はありますが、おおよそ怪獣の使いそうな技は検討がつきますし、何より当方としては持っている武器を全部使って全力攻撃すれば良いので、悩む事はありません。

しかし、新型コロナは体内にいる敵ですから、思い切り叩けば良いというものではありません。思い切り叩けば人間が死んでしまいますから。「医学的に強い薬が使えない」という意味でもそうですし、経済的に「外出禁止令」を出しすぎると経済が死んでしまう、という意味でもそうなのです。

自粛要請等が緩すぎると新型コロナで死亡する人が増えてしまいますが、厳しすぎると経済が麻痺して経済的理由で自殺する人などが増えてしまうかも知れません。自殺しないまでも、失業者が増えれば国民の幸せは大きく損なわれてしまいます。難しいさじ加減でしょうが、政府には適切に対応していただきたいですね。

新型コロナは景気対策が難しい

自粛等の要請をどの程度行うにせよ、景気が悪化したら景気対策が必要となります。これも、今回は難しいのです。景気の落ち込み幅自体がリーマン・ショック時より大きいのに、景気浮揚策が難しい、という非常に困難な状況にあるわけですね。

リーマン・ショックの時は、原因が金融仲介機能の低下でしたから、まず金融仲介機能を回復させる事に全力で当たり、平行して景気悪化を食い止めるべく通常の需要喚起策を打てば良かったわけです。

しかし今回は、打撃を受けているのが飲食店等の狭い範囲に集中しており、減税等によって広く浅く景気対策を講じる事の効果が見込まれません。人々は金がなくて飲食しないのではなく、外出できないから飲食しないわけです。

そうした時に飲食店を助けるのは容易な事ではありません。消費税を減税しても国民に現金を配っても、自粛が続く限り飲食店の客数は戻らないからです。つまり、需要喚起策は有効では無いのです。

今できる事はせいぜい、収入の減少分を補填したり資金繰りの支援をしたりして、倒産や解雇を予防して、新型コロナが収束するまでの時間稼ぎをするくらいでしょう。反対に、そこは大胆な財政支出を、ばら撒きではなく集中的に出動させて欲しいところですね。

景気がスムーズに回復しそうだというのは明るい話

もっとも、暗い話ばかりではありません。今回は人々が「金がないから消費しない」というわけではないので、新型コロナの収束宣言が出た途端、消費は元に戻るでしょう。抑えられていた分だけ急激かつ大胆な戻りになる筈です。

消費が戻り、人々の生活が戻れば、手控えられていた投資も復活するでしょう。投資には将来の不確実性が大きい時には手控えられ、小さくなると復活する、という性格がありますから。

リーマン・ショックの時には人々の所得が減ったので、消費や投資がなかなか戻りませんでした。貸し渋りをされた事のトラウマから、企業は借金をして「設備投資をする」ことを極度に恐れるようになりました。

それと比べれば、今回の方が遥かに景気の戻りは速いと期待されます。だからこそ、景気が戻り始める前に倒産してしまう企業や解雇されてしまう従業員を出来るだけ減らす事が強く求められるわけですね。

結論的には、今次景気後退は、リーマン・ショック時より深いけれども短いので、その間だけ耐え凌げば春は近い、という事でしょう。希望を持って春を待ちたいと思います。

本稿は以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織等々とは関係ありません。

塚崎 公義 経済評論家

1981年東京大学法学部卒後、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関係の仕事に従事した後、2005年に銀行を退職して久留米大学へ。現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先とは関係なく個人として行っているため、肩書きは経済評論家と記す。
「退職金貧乏 定年後の『お金』の話」「老後破産しないためのお金の教科書」「増補改訂よくわかる日本経済入門」「世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書」「日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由」など著書多数。

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