20/04/11
つみたてNISA(積立NISA)のオススメ商品はコレだ! お金のプロ厳選7本
毎年40万円までの投資の利益がゼロにできるつみたてNISA(積立NISA)。つみたてNISAでは、金融庁の基準を満たした投資信託をコツコツ積立で購入していきます。とはいえ、購入できる投資信託は181本(2020年4月7日現在)もあります。どれを選んだらいいかわからないという方も多いでしょう。
今回は、6つの基準を元に、投資先・運用先別のおすすめ投資信託を7本ご紹介します。
つみたてNISAの商品選び6つの基準
日本で購入できる投資信託は、約6000本あるといわれています。つみたてNISAの場合、そこから手数料が安く、長期投資で資産形成ができると考えられる181本の投資信託が購入できます。そう考えると、すでに金融庁によって、全体の3%程度まで商品が絞り込まれている、ともいえます。ですからどれを買っても、大ハズレは少ないのではと考えられます。
しかし、せっかく自分のお金を出して投資をするのですから、そのなかからさらにいい投資信託を選びたいですよね。そのための基準を6つ、紹介していきます。
●基準1:指標は広く投資するものがいい
たとえば日経平均株価とTOPIX(東証株価指数)。日経平均株価は東証1部の225銘柄の値動きをもとに算出していますが、TOPIXは東証1部の全銘柄、2000銘柄以上の値動きをもとに算出しています。TOPIXの方がより広く、市場全体に投資するもののほうが市場の姿を反映するので、分散効果はより高まります。
●基準2:信託報酬は安いほどいい
投資信託には買うときに販売手数料、持っている間に信託報酬、売るときに信託財産留保額という手数料がかかる場合があります。つみたてNISAの場合、販売手数料は無料。信託財産留保額もかからない投資信託が多くなっています。それに対して信託報酬は持っている間ずっとかかります。投資期間は20年に及びますから、少しの差でもやがて大きな差になっていきます。ですから、できるだけ安いものを選びたいところです。
●基準3:インデックス型・バランス型なら純資産総額は大きいほうがいい
純資産総額は、投資信託が組み入れている株式や債券などの資産の合計金額(時価総額)です。一般的に、投資をする人(ファンドマネージャー)の考える運用をきちんと実現するには、純資産総額はある程度大きくなければならないといわれています。
インデックス型・バランス型なら純資産総額は大きいほうがいいでしょう。アクティブ型の場合は、純資産総額は大きければ良いわけではなく、適切なサイズであるかがポイントです。例えば中小型の株式が投資対象であるアクティブ型ならば、純資産総額は200億円〜500億円が適正サイズと言えます。
とはいえ、どの投資信託にも共通しますが、純資産総額があまりにも低いままだと、途中で運用を中止する「繰上償還」が行われてしまう可能性もあります。
●基準4:運用成績は中長期で順調に伸びているものがいい
株式の「株価」のように、投資信託の値段を表すのが基準価額です。これが純資産総額とともに、順調に伸びている投資信託をチェックしましょう。
運用成績が伸びれば純粋に利益も増えますし、資産の流入が多くなって投資信託の規模が大きくなれば、投資信託はさらに運用をしやすくなって利益を出しやすくなる…という好循環が生まれます。
投資信託の性質上、短期で運用益を目指すものではありませんので、運用成績は5年、10年と中長期で堅調な成績を出している投資信託を選びましょう。
●基準5:同ジャンル・同カテゴリではシャープレシオは高いほうがいい
シャープレシオは「リスクに見合った利益が得られているか」を表す指標です。計算そのものはとても難しいのですが、投資信託の検索サイトなどでは数値をすぐに参照できるので、それを見ればいいでしょう。シャープレシオが大きいほど、リスクのわりに高いリターンを得ていることになります。
シャープレシオは、同ジャンル・同カテゴリの投資信託を比較する際に役立ちます。同程度のリスクをとって、リターンが良い方を選ぶのに、シャープレシオで見れば単に数値が大きいものを選べば良いというわけです。
●基準6:インデックス型を選ぶ際、トラッキングエラーは小さいほどいい
トラッキングエラーは、ベンチマークと投資信託の値動きの差を数値で表したもの。この数字が小さいほど、ベンチマークとする指標と連動している、ということを表します。インデックス型の投資信託はそもそもベンチマークとの連動が目標なので、小さいほどいいということになります。
つみたてNISAのオススメを紹介! お金のプロが買うならこの7本
以上を踏まえて、つみたてNISAで買うべきおすすめ投資信託を投資先・運用先別にピックアップしてみました。なお、以下金額・手数料率などはすべて2020年4月6日現在のものです。
●【国内株式型】eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
純資産総額:142.36億円
基準価額:9574円
信託報酬(税込):年0.154%
TOPIXをベンチマークとして、日本株市場全体に幅広く分散投資できる投資信託です。国内株式型の中でも信託報酬は安く、積極的な引き下げも実施しています。月次資金流入額も堅調。購入できる金融機関も多くあります。
●【先進国株式型】eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
純資産総額:738.19億円
基準価額:9985円
信託報酬(税込):年0.1023%
MSCIコクサイ・インデックスという、日本を除く22カ国の株式の値動きで算出される指標と連動する投資信託です。米国株が約6割なので、比較的アメリカの動向に影響を受けやすいのが特徴です。純資産総額も順調に成長しています。
●【全世界株式型】楽天・全世界株式インデックス・ファンド
純資産総額:296.84億円
基準価額:8539円
信託報酬(税込):年0.212%
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスという指標と連動する投資信託。日本を含む世界の大中小型株約7800銘柄をこれ1本でカバーできるようになっています。それでいて信託報酬も低水準です。
●【全世界株式型】SBI・全世界株式インデックス・ファンド
純資産総額:48.78億円
基準価額:8315円
信託報酬(税込):年0.1102%程度
楽天・全世界株式インデックス・ファンドと同様、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスとの連動を目指す投資信託です。純資産総額は楽天より少ないですが、信託報酬の率も低くなっています。
●【バランス型】eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
純資産総額:417.38億円
基準価額:9421円
信託報酬(税込):年0.154%
国内・先進国・新興国の株式と債券、国内外の不動産(リート)に均等に投資する「バランス型」と呼ばれる投資信託。1本で8つの資産にまとめて投資できる手軽さ、わかりやすさからか、資産も堅調に増加しています。
●【バランス型】<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
純資産総額:49.71億円
基準価額:10771円
信託報酬(税込):年0.154%
国内外の株式と債券に均等に投資する投資信託。株式と債券の比率が50%ずつになるため、比較的リスクを抑えた投資信託といえるでしょう。取り扱う金融機関が多く、どこでも買いやすいのがメリットです。
●【アクティブ型】セゾン資産形成の達人ファンド
純資産総額:753.09億円
基準価額:18089円
信託報酬(税込):年1.54%
米国株式ファンド40%、欧州株式ファンドに30%という具合に、投資信託に投資する「ファンドオブファンズ」と呼ばれる投資信託です。今回唯一のアクティブ型ですが、アクティブ型のなかでは信託報酬も安く、実績も安定しています。
まとめ
値上がりすることも値下がりすることもある投資信託のもっとも賢い買い方は長期・分散・積立という基本を踏まえてコツコツ買うことです。
つみたてNISAを利用するだけでその基本が実践できて、しかも運用益非課税の恩恵まで受けられます。
今回紹介した商品選びのポイント・おすすめ商品をぜひ参考にしていただき、資産形成に取り組んでいただければ幸いです。
つみたてNISA(積立NISA)おすすめ金融機関4選
つみたてNISA(積立NISA)スタートにぴったりの金融機関をご紹介します。
● SBI証券
・ほとんどの投資信託を網羅。有力商品を選びやすい
・毎日・毎週・毎月・複数日・隔月の5つの購入タイミングを選べる
・SBIハイブリッド預金を使うと入金・出金がスムーズ
● マネックス証券
・取扱商品が100本以上。100円から購入可能
・チャットによる質問対応、パソコン出張サービスなどサポートが充実
・アプリ・パソコンツールが豊富で使いやすさに定評
● イオン銀行
・イオン内に店舗があるため、買い物ついでに立ち寄れる
・年中無休で夜21時まで営業(一部例外あり)のため、相談しやすい
・「イオン銀行Myステージ」のポイントが貯まり、普通預金金利がアップ
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頼藤 太希 マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki
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