19/06/23
つみたてNISA(積立NISA)とは? 8つのメリットをまとめて解説
「老後資金が2000万円不足する」
そんな金融庁の試算が報じられ、大きな話題になっています。どうやってお金を貯めればいいのか、頭を抱えてしまった人もいるのではないでしょうか。
とはいえ、ポジティブに考えれば、自分のお金を自分で増やす「投資」をスタートさせるいい機会かもしれません。お金は、貯めておくだけでは増えません。投資してはじめて、増える可能性がでてくるのです。
その投資をより有利に行う制度に「つみたてNISA(積立NISA)」と「iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)」があります。これから投資を始めるならば、まずはこの2つの制度を使うのが得策です。
今回は、より手軽にスタートできるつみたてNISA(積立NISA)の制度とメリットを紹介します。
運用益にかかる税金をゼロにできるつみたてNISA(積立NISA)
まずは、つみたてNISA(積立NISA)の概要を表にまとめましたので、ご覧ください。
後ほど改めて紹介しますが、つみたてNISA(積立NISA)をひとことでいうと、積立投資で得られた利益(運用益)にかかる税金をゼロにできる制度です。積立投資は、一定額ずつお金を出して少しずつ投資をする、投資の王道といわれる方法です。
1年間の投資金額は40万円までで、非課税期間となる期間は20年。投資できる商品は金融庁が定めた基準を満たす商品のみとなっています。
つみたてNISA(積立NISA)の8つのメリット
●つみたてNISA(積立NISA)のメリット1:運用益が非課税になる
投資の運用益にはふつう、20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISA(積立NISA)ではかかりません。
例えば投資で100万円の運用益が出たとすると、支払う税金は20万3150円となりますから、手取りは80万円に満たない額になってしまいます。
この点、つみたてNISA(積立NISA)で100万円の運用益が出ても、支払う税金はゼロ。100万円を丸ごと受け取ることができます。
税金がかからない分利益が大きくなるのはもちろん、増えたお金をさらに投資に回すことで、投資の元手を多くすることができます。
●つみたてNISA(積立NISA)のメリット2:少額から始められる
つみたてNISAは、なんと100円からスタートできます。もっともこれは一部の金融機関だけで、多くは1000円からとなっています。といっても、わずか1000円です。
「投資」と聞くと、お金持ちのものというイメージがあるかもしれませんが、少額でも始められるのです。少額だと爆発的にお金が増えることはなかなかないですが、投資に慣れる意味でやってみるのは大切だと思います。余裕が出てきたら少しずつお金を増やしていけばいいのです。
●つみたてNISA(積立NISA)のメリット3:コツコツと積立投資ができる
つみたてNISA(積立NISA)では、決まったタイミングで決まった商品を一定額ずつ買い付ける積立投資を行います。
投資では、商品が安いときに買って高いときに売れば利益が出ます。しかし、そのタイミングを見計らって投資をするのは難しいですし、今その商品が高いのか安いのかは、プロでも判断できません。
その点つみたてNISA(積立NISA)ならば、投資タイミングの判断がいらず、買い付ける手間もかかりません。
●つみたてNISA(積立NISA)のメリット4:ドルコスト平均法によりリスクを抑えられる
積立投資をすると、ドルコスト平均法の効果が期待できます。
ドルコスト平均法は、定期的に一定額ずつ商品を購入しつづけることで、平均購入単価を下げる投資法。積立投資で値動きのある商品を買うと、安いときにはたくさん買い、高いときには少ししか買わないことになるため、平均購入単価が下がるのです。
平均購入単価を下げておけば、再び値上がりしたときに利益が出やすくなります。
●つみたてNISA(積立NISA)のメリット5:対象商品が絞り込まれている
つみたてNISA(積立NISA)で買うことができる商品は、金融庁が定めた「長期」「積立」「分散投資」に適した一定の投資信託・ETF(上場投資信託)。2019年6月19日現在で163本あります。
現在販売されている投資信託は約6000本。その中から絞られているというわけです。しかも、一定の基準は満たしていますから、選ぶべきでない「ダメ投資信託」を選ぶ可能性は少ないといえるでしょう。
●つみたてNISA(積立NISA)のメリット6:低コストで長期投資が可能
投資信託選びで大切なのが手数料の安さ。つみたてNISAでの投資は20年に及びますので、手数料の大小は運用成績に影響します。
つみたてNISA(積立NISA)で購入できる投資信託は、購入時にかかる手数料(販売手数料)がすべて無料。持っている間の手数料(信託報酬)も、一定の基準以下になっています。ですから、低コストで長期投資ができるのです。
●つみたてNISA(積立NISA)のメリット7:いつでも換金できる
つみたてNISAでは、積み立てた資産を自由に換金できます。ですから、老後資金だけでなく、住宅資金・教育資金・余暇資金などの用途で活用するのもひとつの方法です。万が一のことがあった場合にも換金することができます。
なお、冒頭で紹介したもうひとつの制度、iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は原則60歳まで引き出せませんので、使い勝手という面ではつみたてNISAのほうが上でしょう。
●つみたてNISA(積立NISA)のメリット8:年齢上限がない
つみたてNISA(積立NISA)は、日本に住む20歳以上の方ならば誰でも利用できます。iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)で積み立てられるのは現状60歳までの方ですから、より使い勝手がいいといえます。
つみたてNISA(積立NISA)は2018年にスタートした制度。現状、新たに投資できる期間は2037年までとなっています。
一般的に、積立投資は長く続けるほど有利といわれていますから、「まだ19年あるじゃない」「お金ができたらね」などと言わず、すぐにスタートすることをオススメします。お金が増えるメリットはもちろん、投資が楽しいものだという気付きも得られることでしょう。
つみたてNISA(積立NISA)おすすめ金融機関4選
つみたてNISA(積立NISA)スタートにぴったりの金融機関をご紹介します。
● SBI証券
・ほとんどの投資信託を網羅。有力商品を選びやすい
・毎日・毎週・毎月・複数日・隔月の5つの購入タイミングを選べる
・SBIハイブリッド預金を使うと入金・出金がスムーズ
● マネックス証券
・取扱商品が100本以上。100円から購入可能
・チャットによる質問対応、パソコン出張サービスなどサポートが充実
・アプリ・パソコンツールが豊富で使いやすさに定評
● イオン銀行
・イオン内に店舗があるため、買い物ついでに立ち寄れる
・年中無休で夜21時まで営業(一部例外あり)のため、相談しやすい
・「イオン銀行Myステージ」のポイントが貯まり、普通預金金利がアップ
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頼藤 太希 マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki
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