24/07/29
【落とし穴】クレカ会社から無料の保険案内…入ったほうが得はウソ?
クレカ会社から送られてくる無料の保険案内、多くの人が目にしたことがあるはずです。無料で入れるのですから、一見お得なように見えるこの保険ですが、実はいくつか知っておきたいポイントがあります。今回は、クレジットカード会社が提供する無料保険のカラクリや、加入前に確認しておきたいポイントを解説します。
無料で入れる保険とは?
無料保険とは、文字どおりクレカ会社・銀行などの金融機関が提供している「無料で保険に加入することができる」サービスです。通常保険に加入すると保険料を支払う必要がありますが、無料保険の保険料はクレカ会社・銀行などの提供会社持ちなので、自己負担する必要がありません。
無料保険で得られる保障(補償)の内容は、提携する保険会社によって異なりますが、主に以下のようなものが提供されています。
・死亡保険: 万が一、死亡した場合に、一定額の保険金が支払われます。
・医療保険: 入院が必要になった場合に、一定額の保険金が支払われます。
・傷害保険: 交通事故死亡した場合やケガをした場合に、一定額の保険金が支払われます。
・がん保険:がんと診断されると診断給付金が支払われます。
例えばある金融機関の「フリーケア・プログラム」(交通事故障害保険)の場合、交通事故で5日以上入院したら一時金として3万円受け取れる補償が3年間にわたって得られます。
なぜ無料で保険を提供するのか
クレカ会社が無料で保険を提供する理由は大きく2つあります。
1つは、保険に興味のある人の個人情報を獲得することです。いくら無料とはいえ、申し込みには氏名や住所、生年月日、メールアドレス、携帯電話番号など個人情報は必要になります。こういった個人情報は、本人の同意がなければ取得できないのでとても貴重な情報となります。
2つ目は、保険の有料プランへの誘導です。無料の保険の補償内容では十分ではないため、必ずアップグレードプランの提案もあります。先に紹介したフリーケア・プログラムにも「追加保障プラン」があり、1000円〜の保険料で最高1億円の賠償責任危険補償や示談交渉サービス、ケガによる入院や手術補償が得られると説明されています。
「無料の保険では補償内容が限定的だったり、必要な補償がすべて含まれていなかったりして心配」と、保険料をプラスして有料プランに入ろうという人もいるかもしれません。すると、保険会社は新規の保険の契約ができます。そのうえ、保険料をクレジットカード払いにすれば、クレジットカード会社もカード利用の促進と収益増加の実現ができるのです。
無料保険のメリット・デメリット
無料保険のメリットはなんといっても保険料がかからないことです。毎月保険料を支払う必要がないため、経済的な負担はありません。さらに、簡単に申し込むことができることもメリットです。
しかし、無料保険の補償内容は限定的で、必要な補償がすべて含まれているとは限りません。さらに、補償額についても十分な金額が支払われない可能性もあります。そもそも、「交通事故などで5日以上入院」することも少ないですし、5日以上入院したとしたら、3万円では足りないはずです。
さらに、無料保険の場合は、保険契約者は自分自身ではなく、クレジットカード会社になるので、解約するのが難しい場合があります。加入する前には解約条件や方法なども確認しておきましょう。
保険を選ぶためにチェックしておくことは?
無料の保険は通常の保険と異なることもあります。加入するのであれば事前にチェックしておく項目があります。
・補償内容:補償内容は限定的なことが多いですので、どのような場合に対象になるのかを確認しておきましょう。また、補償の対象になったとしても請求しなければもらえませんので、どうやって請求すればいいのかをチェックしましょう。
・保険期間:無料の保険は1年、2年、3年など補償期間も短めです。その後、継続できるのか、期間満了で終了するのかなど期間も確認しておきましょう。
・解約条件:保険料が発生していないので解約する必要もないかもしれませんが、もし辞めたいと思ったときにどのような手続きが必要か、どこに問い合わせすればいいのかなども確認しておきましょう。
本当に必要かを考えよう
クレジットカード会社などから提案される無料保険は補償内容が限定的で、既に同様の保険に加入している場合は重複してしまう可能性があります。また通常の保険と比較して補償範囲が限られていることも多いです。
確かに、今加入している保険の補償の追加として考えるのであれば、限定的でも補償は上乗せされます。しかし、デメリットもあることを忘れずに。自分が加入している保険の内容、上乗せが必要であるかどうかなどを判断し、選択することが重要です。
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黒須 かおり ファイナンシャルプランナー(CFP)
女性を中心に、一生涯を見守るFPとしてmoney&キャリアのコンサルティングを行う。幸せになるためのお金の知識など幅広い資金計画とライフプランのアドバイスを手がけている。金融機関にて資産形成のアドバイザーとしても活動中。FP Cafe登録パートナー
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