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21/06/19

家計・ライフ

年収300万円世帯が国からもらえるお金はけっこう多い

年収300万円世帯が国からもらえるお金はけっこう多い

国や自治体に申請すればもらえるお金は、意外と多くあります。中には、高年収世帯では受け取れないお金もありますので、きちんと知っておいて申請することが大切です。今回は年収300万円世帯が受け取ることのできる支援制度5つを紹介します。

年収300万円世帯が国からもらえるお金①:児童手当

児童手当は、中学校卒業までの子どもを養育する人に支給される手当です。3歳未満は一律1万5000円、3歳以上小学校修了前まで1万円(第3子以降は1万5000円)、中学生は一律1万円です。年収300万円の世帯では、児童手当は満額受け取ることができます。生まれた月にもよりますが、児童手当を合計すると約200万円になります。

なお、児童手当は、年収の上限によっては満額受け取れない場合もあります。現状、世帯主の年収が960万円以上の人は5000円ですが、2022年10月以降、年収1200万円以上の世帯では、児童手当が廃止されることが決まっています。

年収300万円世帯が国からもらえるお金②:就学援助

就学援助とは、経済的な理由で就学が困難な子のいる保護者に対して、学校で支払うさまざまな費用の一部を援助する制度です。支給の対象になる費用は、学用品費、通学用品費、学校給食費、新入学児童生徒学用品費、部活動費、校外活動費など、多岐にわたります。

就学援助の対象は、年収が著しく少ない世帯だけと思われがちですが、そんなことはありません。たとえば東京都中央区で就学援助を受けられる方の目安(世帯の総所得額の基準額※世帯の収入ではなく、給与所得控除後の金額)の金額は、

・父(35歳)、母(30歳)、子(小1)の場合、約380.4万円
・父(35歳)、母(30歳)、子(小1)、子(3歳)の場合、約434.8万円
・父(45歳)、母(40歳)、子(中3)、子(小6)、子(小3)の場合、約544.9万円

東京都中央区のウェブサイトより

と紹介されています。収入ではなく、給与所得控除後の金額なので、「年収300万円」ならば十分対象になるでしょう。もっとも、細かな要件はお住まいの地域や家族構成などにより異なりますので、対象になるかどうか、お住まいの市町村で確認しましょう。

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年収300万円世帯が国からもらえるお金③:高等学校等就学支援金

義務教育が終わり高校へ進学すると、高等学校等就学支援金が受け取れます。高等学校等就学支援金は、国が高校などの授業料を支援してくれる制度です。公立高校に通う場合は11万8800円、私立高校へ通う場合は最高で39万6000円支援されます。

高等学校等就学支援金は住民税の金額により決まりますが、目安として年収約590万円未満の世帯であれば、最高金額を受け取ることができます(家族構成によって目安の年収は変わります)。もちろん、年収300万円の世帯でも最高金額です。これによって、私立高校に通う場合でも、授業料の負担が大きく軽減されます。

なお、目安の年収が590万円以上の場合支援額は11万8800万円、910万円以上になると支援がなくなります。

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年収300万円世帯が国からもらえるお金④:給付型奨学金と授業料の免除

奨学金は、経済的理由で進学を諦めることのないように、学費などを支援する制度。一定の基準を満たした大学や専門学校へ通う場合に利用できます。たとえば、日本学生支援機構が行う奨学金の制度には、返済義務のない給付型の奨学金や、返済義務のある貸与型の奨学金(第一種は無利子、第二種は利子がつく)があります。

このうち、給付型の奨学金には、現金で支払われる奨学金と、授業料が減免される2つの制度があり、両方を同時に受けることもできます。

支援を受けられる金額は世帯年収や家族構成により異なります。

●世帯ごとの目安年収ともらえる金額

筆者作成

日本学生支援機構のリーフレットより

家族構成ごとに、目安年収によって第I区分から第III区分に分類されます。そして、第I区分の場合上限で給付型奨学金約91万円と授業料減免約70万円が受け取れます。第II区分は上限の3分の2、第III区分は上限の3分の1の支援が受け取れます。

たとえば、年収300万円の世帯で自宅外から大学に通う場合、約61万円の奨学金を受け取れるうえ、約47万円授業料が免除になります。

もちろん、年収の要件だけでなく、本人の「勉強しよう」という意思なども条件となります。申し込み・受給にあたっては、学校の成績が一定以上であることに加えて、面接やレポートなどによる審査なども行われます。

年収300万円世帯が国からもらえるお金⑤:高額療養費制度

高額療養費制度は、医療費の自己負担額が一定の金額を超えたとき、その超えた分が支給される制度です。70歳未満の場合は、5つの所得区分があり、それぞれ自己負担額の上限がことなります。

●高額療養費制度の自己負担額

年収300万円世帯では、1ヵ月の医療費の自己負担限度額は5万7600円になります。たとえば、1ヵ月の医療費が100万円かかったとしても、最終的な医療費の負担は5万7600円になるというわけです。また、直近1年間で3回以上(3ヵ月以上)高額療養費の支給を受けている場合、4回目(4ヵ月め)からは「多数該当」となり、自己負担限度額がさらに減額されます。

まとめ

年収300万円世帯の生活は、余裕があるとは言えませんが、申請すればもらえるお金は意外とあります。高年収世帯よりも支援の体制が整っているともいえます。特に子どもに関する支援制度が多いので、子育て世代は特によくチェックしてください。もらえるはずのお金を取りこぼしてしまうのはもったいないことですから、忘れず申請するようにしましょう。

黒須 かおり ファイナンシャルプランナー(CFP)

女性を中心に、一生涯を見守るFPとしてmoney&キャリアのコンサルティングを行う。幸せになるためのお金の知識など幅広い資金計画とライフプランのアドバイスを手がけている。金融機関にて資産形成のアドバイザーとしても活動中。FP Cafe登録パートナー

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