25/07/14
お金を借りる前に絶対知っておきたい3つのNG条件

急にお金が必要になったとき、持ち合わせのお金がなければ借金をして資金を調達しようと考える人もいるでしょう。しかし、なかには家計を圧迫し、返済の負担が重くのしかかるNGな借金もあります。今回は、お金を借りる前に知っておきたい3つのNG条件と、してもいい借金を3種ご紹介します。
借金のNG条件①:生活費を補填するためにお金を借りる
自分の収入よりも、食費や水道光熱費、家賃、通信費などの支出が多くなってしまった場合、カードローンなどでお金を借りればいいと考えるかもしれません。しかし、生活費を補填するための借金はおすすめできません。
お金を借りると、生活費を工面しながら、滞りなく借金の返済もしていかなければなりません。また、お金を借りると利息が発生し、借入額よりも総返済額の方が多くなるので、家計の負担は大きくなります。万が一返済が滞れば、返済額に遅延損害金が上乗せになるので、返済がますます困難になるかもしれません。
生活費を補填するためにお金を借りると、返済が家計を圧迫します。生活費が足りなくなったときは借金すればいいと考えるのではなく、お金の使い方に問題はないか、余計な出費が発生していないかを確認し、収入の範囲内でやりくりしていきましょう。
借金のNG条件②:返済計画を立てずにお金を借りる
やむにやまれず借金をしなければいけなくなったとき、返済計画を立てずにお金を借りるのはおすすめできません。
お金を借りると、毎月決まった金額を期日までに滞りなく返済していかなければなりません。それも生活費を工面しながら返済を続けていくことになるので、無理のない返済計画が必要です。返済計画を立てずに「なんとかなるだろう」と思っていると、返済ができなくなって信用情報に事故情報が登録されるなどのペナルティーを受けることになります。
やむを得ずお金を借りるときは、必ず返済計画を立てて、無理なく返済できる範囲内の借り入れにとどめておきましょう。
借金のNG条件③:高金利でお金を借りる
高金利の借金はおすすめできません。なぜなら、金利が高くなれば総返済額が増えて、家計の負担が重くなるからです。
金利が変わると、総返済額と返済期間も変わります。
たとえば、100万円を借りて毎月2万5000円ずつ返済する場合、総返済額と返済期間は下記のように変わります。
<金利による総返済額・返済期間の違い>

筆者作成
金利が10%上がると総返済額は約29万円増え、返済期間は1年延びます。これにより家計への負担は増大し、返済中は金銭的な余裕もなくなります。
やむを得ず借金をするときは金利を確認して、できるだけ金利が低い方法を選択することをおすすめします。場合によっては低金利で借りられる公的融資制度を利用できることもあるので確認してみましょう。
してもいい借金3種
借金はしてはいけないと思いがちですが、なかにはしてもいい借金もあります。
●住宅ローン
マイホームを購入するときはたいてい住宅ローンを利用しますが、これはしてもいい借金です。住宅ローンを利用すれば自分の希望に合った住宅を手に入れることができます。住宅ローンは自分が住む家を買うためにしか使えませんが、金利は他のローンよりも低く抑えられています。そして住宅ローンを完済すればその後の住居費を抑えられます。ただ返済期間は長期にわたるので、しっかりと返済計画を立てて利用しましょう。
●奨学金
奨学金もしてもいい借金です。日本学生支援機構が実施した学生生活調査(令和4年度)によると、大学生の55%が奨学金を利用しているようです。大学や大学院によっては高額な学費が必要になる場合もありますが、奨学金を利用することで、自分の夢を諦めることなく学びのチャンスを得られるので、必要なときは活用するとよいでしょう。就職後、奨学金を本人に変わって返済してくれる「奨学金返還支援」も少しずつ広がってきています。
●事業資金
自分で起業する際の事業資金の融資は、してもいい借金です。起業するとなれば、開業資金や運転資金、設備投資などでまとまったお金が必要になることがあるでしょう。そんなとき、資金を調達するために自治体や日本政策公庫、民間金融機関などから資金を融資してもらう方法があります。
高金利の借金はNG!緊急資金を用意しておこう
急にまとまったお金が必要になったとき、貯蓄など自己資金に余裕がない場合にお金を借りるのも1つの方法です。ただし、滞りなく返済していくためにも、高金利の借金は避け、返済計画を立てることが重要です。生活費を補填するための借金は、かえって家計の負担が増すので避けましょう。また、借金が必要になる状況を避けるためにも、無駄を省き、定期的に家計を見直しましょう。さらに、急にお金が必要になったときに慌てないよう、緊急資金を貯めておくことをおすすめします。
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前佛 朋子 ファイナンシャル・プランナー(CFP®)・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
2006年よりライターとして活動。節約関連のメルマガ執筆を担当した際、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。マネー関連記事を執筆するかたわら、不安を安心に変えるサポートを行うため、家計見直し、お金の整理、ライフプラン、遠距離介護などの相談を受けている。

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