25/07/07
【効果絶大】冷房+サーキュレーターでいくら電気代安くなる?

気象庁によれば、2025年6月の平均気温は平年値を2.34度上回り、1898年の統計開始以来最も暑かったとのことです。引き続き厳しい暑さが続きますが、熱中症対策のためにもしっかり冷房はつけたいところ。サーキュレーターを併用するとより効果的です。しかし「やっぱり電気代が気になる」と躊躇する人もいるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、冷房とサーキュレーターを併用した場合の電気代について調べた結果を紹介します。
そもそもサーキュレーターとは
本題に入る前に、サーキュレーターとは何かについて、簡単に説明しておきます。
サーキュレーターとは、英語で「循環」を意味する「Circulate」という言葉に由来するように、室内の空気を循環させるための家電です。見た目は扇風機に似ていますが、扇風機がやや緩やかな風を広範囲に送る設計になっているのに対し、サーキュレーターは遠くまで届く強い風を狭い範囲で起こす設計になっています。
扇風機をサーキュレーター代わりに使うことはもちろん可能ですが、より効率的に空気を循環させたいならサーキュレーターを使いましょう。
サーキュレーターの電気代はいくら?
サーキュレーターの電気代ですが、製品によっても消費電力をはじめとした仕様が異なるため、一概には言えません。ただし、一般的には20~30W前後であることが多くなっています。また、電化製品を1時間使った場合の電気代は、以下の式で計算可能です。
・1時間あたりの消費電力量(kWh)=消費電力(W)÷1,000×1時間(h)
・1時間あたりの電気代(円)=1時間あたりの消費電力量(kW)×1(h)×電力量料金単価(円/kWh)
なお、全国家庭電気製品公正取引協議会では、電力料金単価を31円/kWh(税込)と定めています(2024年9月以降)。
そこでここでは、電力量料金単価を31円/kWh(税込)、サーキュレーターの消費電力を20Wとして、1時間使った場合・1日(8時間)使った場合・30日(1日8時間)使った場合の電気代を計算してみました。
<サーキュレーター単独の電気代>

筆者作成
まず、1時間あたりの消費電力量は「20W÷1,000×1時間」より0.02kWhです。そこから、1時間当たりの電気代は「0.02kWh×1(h)×31円」より0.62円となります。8時間使った場合は8倍、30日間使った場合はさらにその30倍と考えましょう。1ヵ月使っても150円かからない計算になります。
実際の電気代は契約している電力会社や使っているサーキュレーターによっても異なりますが、思ったほどかからないようです。
サーキュレーターとエアコンを併用した場合の電気代は?
サーキュレーターは単独ではなく、エアコンと併用することを想定している家電製品です。そのため、実際に使う際はエアコンも同時に使うことになるため、エアコンの電気代もセットで考える必要が出てきます。
前提として、消費電力量が上がるほど電気代も上がりますが、エアコンの消費電力量は外気等環境によって大きく変わるのも事実です。そのため、ここでは冷房使用時の消費電力が1,200Wのエアコンを想定して、1時間使った場合・1日(8時間)使った場合・30日(1日8時間)使った場合の電気代を1時間使った場合の電気代を求めます。
まず、エアコンを1時間使った場合の電気代は「1,200W÷1,000×31円/kWh=37.2円」という式で求めることが可能です。したがって、1日8時間使った場合は297.6円、30日(1日8時間)使った場合の電気代は8928円となります。
<エアコン単独(消費電力が1,200W)の電気代>

筆者作成
サーキュレーターと併用した場合、その分の電気代が上乗せされますが、ここでポイントとなるのが「サーキュレーターを使うことによる効果」です。
サーキュレーターを使うと室内の温度が均一化されて体感温度を下げられるため、冷房の設定温度を上げることができます。そして、冷房の設定温度を1度上げた場合、消費エネルギーは10%ほど削減することが可能です。
仮に、消費電力1,200Wのエアコンをサーキュレーターと併用した場合、消費電力を120W削減できる(つまり、消費電力を1,080Wとして計算)と考えて、電気代を計算してみました。
<エアコンとサーキュレーターを併用した際の電気代>

筆者作成
エアコン単独の1か月の電気代は8928円でした。サーキュレーターを併用すると、1か月でおよそ750円電気代を節約できる計算です。
さらなる節約効果を狙うなら?
さらなる節約効果を狙うなら、サーキュレーターのスペックにも注目しましょう。特に重点的にチェックしてほしいのが、サーキュレーターに搭載されているモーターの種類です。
サーキュレーターにはACモーターかDCモーターのいずれかが搭載されています。ACモーターの「AC」とは、英語で「交流」を意味する「Alternate Current」の略です。家庭用コンセントの交流電源をそのまま使用するシンプルな制御であるため、DCモーターに比べると安価で製造できます。ただし、DCモーターのように緻密な制御はできないため、消費電力もDCモーターに比べると大きくなりがちです。
一方、DCモーターの「DC」とは「直流」を意味する「Direct Current」を略したものです。家庭用コンセントから取った交流電源を直流に変換して使うため、電気の流し方も緻密に変えられます。また、モーターのローター部には永久磁石を使っているため、鉄を使うACモーターと比べ電力消費量も大幅に減らせるのが大きな特徴です。ただし、その分高価にはなります。
DCモーターが搭載されたサーキュレーターは、ACモーターが搭載されたものに比べて全般的に高めです。しかし、電力消費量は少ないため、長期的に見ればお得ともいえるでしょう。
熱中症予防のためにも上手に節約を
東京消防庁によれば、東京都のうち稲城市と島しょ地区を除く地域で2024年6~9月に熱中症で搬送された人の数は7,993名にものぼりました。
「自分は大丈夫だろう」と過信するのは禁物。水分の補給やエアコンの使用など、できる対策を講じましょう。また、電気代が気になるようなら、本記事で紹介したサーキュレーターとの併用など、上手に節約できるテクニックを取り入れてみてください。
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荒井美亜 金融ライター/ファイナンシャル・プランナー
立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融・マネー系の記事を主に手掛けるライターとして活動中。ゲームを通じて全国の高校生・大学生に金融教育を行うプロジェクト「Gトレ」の認定ファシリテーター(講師)として教壇にも立つ。取得資格はAFP(日本FP協会認定)、貸金業務取扱主任者(試験合格)、宅地建物取引士(試験合格)

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