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25/08/18

カード・ローン

金利上昇中でも「退職金で住宅ローン完済は不正解」な5つの理由

金利上昇中でも「退職金で住宅ローン完済は不正解」な5つの理由

企業で働く人たちの定年退職事情が変化しています。改正高年齢者雇用安定法(70歳就業法)がスタートし、いつまで働くのか自分で決める時代になってきました。とはいっても、定年を60歳としている企業が多く見受けられます。老後生活を充実させるためには、退職金の使い方、定年後の働き方、年金のもらい方が重要になります。
今回は、住宅ローンとの向き合い方を考えていきます。

60代の住宅ローン残高はどうなっている?

日本では晩婚化が進んでおり、家を買う年齢が遅くなっていることもあって、60代・70代でも住宅ローンが残っている人が多くなっています。できれば定年時までに住宅ローンは完済するのが理想ですが、さまざまな理由で思うように返済が進まないケースもあります。

金融広報中央委員会の調べによると、世帯主が60代の住宅ローンの平均残高は733万円、中央値は120万円です。住宅ローンの残債多い価格帯は、300万~500万円未満で9%ですが、1000万円以上住宅ローンが残っている割合は18%にのぼります(「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和5年」)。
こうなると、退職後は働いたとしても収入が減るので、住宅ローンを一括返済しようかと考える方もいらっしゃるでしょう。ところが、「退職金で住宅ローン返済」は必ずしも正解ではないといわれているのです。

<世帯主が60代の住宅ローン残高>

金融広報中央委員会「会計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和5年」より筆者作成

「退職金で住宅ローン返済」が必ずしも正解ではない理由は、次のとおりです。

住宅ローンの一括返済が正解でない理由1:手元資金が減ってしまう

退職金で住宅ローンを返済してしまえば、毎月の返済額がなくなり心理的な負担は減ります。また、利息の負担が減ることによって、総返済額を抑えることができます。一方で、流動性資金が減少すると、急な出費や病気や介護費用に対応できなくなる可能性があります。特に病気に関しては、高齢になるにつれて医療費が増加する傾向にあります。

退職金の額にもよりますが、住宅ローンを完済することで退職金がごっそり減ってしまうと心細いだけではなく、生活が苦しくなるのであれば、無理をして返済する必要はないでしょう。

住宅ローンの一括返済が正解でない理由2:借入金利より運用したほうが高い利回りが期待できる

住宅ローンの借入金利が1%以下の場合、低金利が続くのであれば、それほど利息の負担は大きくないので、現金を手元に残してNISAなどで運用して資金を増やすこともできます。返済する金利以上で運用できれば、住宅ローンを返済しながら老後資金を増やせる可能性があります。

住宅ローンの一括返済が正解でない理由3:団信の保障がなくなる

団信(団体信用生命保険)は、住宅ローン返済中に万が一のことがあったときに、住宅ローン残高に相当する保険金から住宅ローンを返済する制度です。基本は死亡や高度障害状態時に保障されますが、それ以外にもがんや疾病保障付き、就業不能などへの備えを特約で付加することができます。団信の保険料は金融機関が負担しますが、一般的に団信の保険料相当額は住宅ローンの金利に含まれています。

団信の保障期間は原則として住宅ローン返済期間と同じです。定年退職後、万が一のことがあれば新たな金銭的負担なしで、住宅ローン返済に関する保障を確保することができます。しかし、住宅ローンの完済時には保障が終了するので、団信で保障されないリスクへの備えは必要になります。

住宅ローンの一括返済が正解でない理由4:働きながらの返済が可能になった

かつては、65歳以上の雇用の道が開けていなかったので、定年後も働き続ける人は多くありませんでした。最近では65歳以上の就業者数及び就業率は上昇傾向にあり、65歳以上の就業者数は、20年連続で前年を上回っています。労働環境にも変化が見られ、定年後に再雇用などで働く人の割合が上昇しています。退職後も年金以外の収入の確保が可能であれば、老後資産の寿命を長持ちさせながらコツコツ返済をしていくのも一つです。

住宅ローンの一括返済が正解でない理由5:残債が少なければ利息の負担は大きくない

住宅ローンの返済方法には、「元利均等返済方式」と「元金均等返済方式」があります。多くの住宅ローンは、元金と利息を合わせた金額が毎月同額になるように計算された元利均等返済方式が多数を占めています。その内訳は、返済が進むほど利息額は減っていき、元金分の返済割合が多くなります。金利が上がったとしても、住宅ローン残高が減っていれば、さほど大きくないかもしれません。

「退職金で一括返済」が必ずしも正しいとは限らない

実際、退職金で住宅ローンを完済するか、一部繰上返済するか、そのまま返済を続けていくのかの判断は、個々のケースで判断せざるを得ません。退職金以外に老後資金の準備があるのか、医療・介護費用の準備、家族の状況などにも左右されます。

住宅ローンの返済方法を決めるにあたっては、自分の感情だけで判断せずに、退職金の額、住宅ローンの残高、金利、完済までの期間をシミュレーションして検討するのがよいと思います。場合によっては、退職金で一括返済が得策とはいえない状況になっています。老後の期間が長くなったからこそ、住宅ローンの返済は無理をしないことが大切です。

池田 幸代 株式会社ブリエ 代表取締役 本気の家計プロ®

証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不動産賃貸業経営。「お客様の夢と希望とともに」をキャッチフレーズに2016年に会社設立。福岡を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

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