25/12/17
定年後「後悔する人」「安心する人」3つの決定的違い

目の前の仕事や家事に追われ、今は定年後の生活など想像できないという方もいらっしゃるでしょう。人は「やったこと」に対して後悔するよりも、「やらなかったこと」に対して後悔をする方が多いものです。定年後といえば、人生を振り返り、より良い人生であるには「こうすれば良かった」と感じることもあるはず。人生の先輩の意見を参考にすれば、満足度の高い老後にするヒントになるかもしれません。定年後に後悔する人・安心する人の特徴を見ていきましょう。
定年後に後悔する人の特徴
定年後は人生も折り返し地点を過ぎ、もしやっていれば今と違った人生になっていたと思うと、可能性を逃したことに後悔します。定年後に後悔する内容としては、次のようなことが挙げられます。
●(1)定年後すぐにリタイアした
自分の親世代の場合には、定年退職後にすぐ年金が受給できる環境にありました。ところが現在では、60歳に退職をしても年金が受給できるのは65歳からです。退職金があるからどうにかなると安易に考えていると、年金が受給できるまでの間に退職金を使い果たしてしまうということも。収入がなくなると、生活費や健康保険料、税金の負担がより重くのしかかってきます。
●(2)貯蓄や投資をしていれば良かった
日本では超低金利政策が長く続いたため、預金だけでは資産が増えませんでした。しかし、投資で増やす方法を勉強し実践に移さなかった人は、老後に十分な資産を築くことができていません。折しも物価高で生活は厳しくなるばかりです。死ぬ前に貯金が尽きないか不安だという切実な声もあります。長い老後を過ごしていくには、貯蓄や投資の重要性が増しています。
年金は60歳まで受給開始を早める「繰り上げ受給」ができますが、早く受け取りを開始するほど金額が減ってしまいます。年金を繰り上げ受給して暮らしてみると、退職後の生活の見通しが甘く、年金だけは足りないお金の現実を軽視していたことに気づくでしょう。もう少し我慢をして後でもらう選択をしていれば、もっと楽な暮らしができたのに…と思っても後の祭りです。貯蓄や投資で資産があれば、繰り上げ受給を選ばずに済んだかもしれません。
●(3)バランスのよいお金の使い方ができなかった
仕事やお金を貯めることを優先しすぎて、したいことを先送りしたために、お金と時間はあるのに、やりたくてもやれなかったという人もいます。高齢になれば病気で制約がある、体力・気力が続かないということもあるでしょう。健康な身体と気力があってこそ、充実した老後が過ごせるのです。若いうちに資格取得をしたり、行きたい所に旅行してお金を使ったりすることは、人生を豊かにする選択肢を増やすことにつながります。
定年後に安心・満足する人の特徴
一方、定年後に安心・満足する人の特徴はどのようなものでしょうか。人生のあり様は人それぞれですが、共通していえることは、定年前から将来を見据えて準備を行い、自分軸で人生をデザインしているということです。定年になることや定年のおおよその時期は、前もって分かっていることです。その定年前の準備によって、定年後の満足度や後悔に大きな差が出るのです。
定年後に安心をする人は、定年前に「やっておいてよかった」と感じる準備や行動があり、大きく分けるとお金・健康・生きがいについて次のようなものがあります。
●(1)経済的な備えができている
老後資金については、「老後資金2000万円問題」をはじめ、年金だけでは老後生活が難しい現実が取り沙汰されています。定年後に安心する人は、心配するだけではなく、老後資金について計画的に準備し、毎月の支出削減を行うなど将来的な見通しを立てています。貯蓄だけではなく、年金制度や投資についても理解しています。また、必要に応じて定年退職後も働くことも選択肢に入れています。老後に年金以外の収入源を多角化できると、生活にうるおいができます。
●(2)健康維持・健康的な生活習慣がある
元気や自立した生活があってこそ、老後が充実します。いかに健康寿命を延ばすかが課題になります。それには、毎日の適度な運動やバランスの取れた食事を取ることが基本になります。また、外出や旅行を計画的に行うことは、精神面を前向きにし、心身ともに健康を保つことにつながります。健康な体と気力があったから、新しいことにチャレンジする勇気が持てたという意見もあります。昔のことにこだわらず、変化に対応できる柔軟性があれば、定年後の新しい環境にも適応しやすいでしょう。
しかし、定年後に運動の習慣を身につけようと思ったところ、当初は体力的に厳しかったという意見もあります。体力づくりは、退職後からと言わずに早くから始めることで、運動に対するハードルを下げることができます。
●(3)老後も続けられる趣味や生きがいを持つ
老後に安心する人は、園芸や釣り、カラオケ、ウォーキングなどの趣味を持ち、老後を充実して過ごしています。人によっては、趣味以外の学びやボランティア活動だったします。いずれも、社会とのつながりややりがいが感じられるものだといえるでしょう。定年後に始めた趣味でも構いませんが、新しい趣味を始めるのは容易でないため、退職前から好きなことを少しずつ始めておいた方がいいでしょう。会社以外の人間関係を築いておけば、退職しても孤独な老人にならなくて済みます。
50代に入ったら人生をデザインしよう
老後生活には、お金の問題は避けては通れません。しかし、定年を境に社会とのつながりを絶ったり、人生の目的を見失ったりするケースも目にします。50代に入ったら、具体的な人生設計とともに自分がやりたいことを見つけることが、老後を満足して過ごす入口になるでしょう。他人にどう思われるかは気にせず、人生をデザインしましょう。
【関連記事もチェック】
・定年後に払い続けると貧乏へ転落する「5つの支出」
・亡くなった人の銀行口座はいつ凍結される?解除する方法は?
・厚生年金で損したくないなら、絶対やってはいけない5つのこと
・60歳・65歳で忘れると損する年金の6つの手続き
・【知らないと大損】年金定期便に載らない4つの年金とねんきん定期便の確認方法【Money&YouTV】
池田 幸代 株式会社ブリエ 代表取締役 本気の家計プロ®
証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不動産賃貸業経営。「お客様の夢と希望とともに」をキャッチフレーズに2016年に会社設立。福岡を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
























