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25/05/25

相続・税金・年金

60歳・65歳で忘れると損する年金の6つの手続き

60歳・65歳で忘れると損する年金の6つの手続き

年金は老後の家計を考えるうえで欠かせない存在だけに、損をしたくない、少しでも多くもらいたいと、誰しもが願うところでしょう。一方で、年金の難しさに情報収集を挫折してしまった経験がある人も多いようです。そこで今回は、60歳や65歳という節目の年齢をこれから迎えるにあたって、それぞれの年齢でチェックすべき「本当に大切な」年金の手続きを解説します。

【60歳】忘れると年金額で損する60代前半の国民年金「任意加入」

10年以上の受給資格期間があれば、65歳からもらえる老齢基礎年金。その年金額(2025年度)は、保険料を納付した期間に応じて年最大83万1700円(1956年4月2日以後生まれ)です。

老齢基礎年金の受給資格を満たしていない、あるいは老齢基礎年金を満額受給できない場合には、60歳以降の任意加入でカバーできるので安心してください。しかしながら、満額もらうための任意加入は、「60歳以上65歳未満」の期間だけです。65歳を迎える直前に気づいて後悔しないためにも、今すぐ「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」でご自身の年金加入記録を確認してみましょう。

なお、60歳以降も厚生年金保険に加入する場合には、国民年金の任意加入はできませんが、基礎年金に相当する「経過的加算」が厚生年金から支給されることになります。

【60歳】忘れると税金で損する確定拠出年金の受給手続き

公的年金の上乗せとして、加入の申込から掛金の拠出、運用方法、受給方法、すべてをみずから決定できる個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入している人も増えてきました。お勤め先で企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入している人も含めて、適切なタイミングで請求手続きが行えるかどうかは手取り額に大きな影響を及ぼします。

●60歳から75歳まで好きなタイミングで受給を開始できる確定拠出年金

確定拠出年金で積み立てた資産を受け取れるのは、原則60歳を迎えてからです。加入者等期間が10年に満たない場合には、その期間に応じて受給が開始できる年齢が後ろ倒しされるほか、お勤め先によっては企業型DCの加入者資格を喪失する年齢が60歳より後の場合もあります。まずは、ご自身の確定拠出年金が、最短でいつからもらえるのかを確認してみましょう。

<確定拠出年金の受給開始可能年齢>

筆者作成

受給が開始できる年齢を迎えて、すぐに請求手続きを行うかどうかは自由です。1952年4月2日以降生まれの人は、75歳まで好きなタイミングで、「一時金」「年金」「一時金と年金の併用」から受給方法を選択できます。

そして、一時金方式では、掛金の拠出期間を勤続年数とみなす形で「退職所得控除」、年金方式では、「公的年金等控除」の適用を受けることによって、一定額までは税金がかかりません。それぞれの控除枠をフル活用する受け取り方で、手取り額を最大化できるかどうかが重要なポイントです。

●iDeCoの請求手続きが遅れると「退職所得控除」はどうなる?

例えば、60歳を迎えて、退職一時金(勤続期間35年)とiDeCo(加入期間10年)の受給資格をそれぞれ満たしているとしましょう。同じ年に退職一時金とiDeCoの一時金を受け取る場合、その退職所得控除額の計算では長い方の年数が用いられます。つまり、35年の勤続期間に基づき、退職一時金とiDeCoで合計1,850万円(40万円×20年+70万円×(35年-20年))までは税金がかかりません。

しかしながら、ここでiDeCoの請求手続きを忘れてしまうと大変です。実は、翌年に一時金で受け取っても、iDeCoの加入期間に基づく400万円(40万円×10年)の控除が受けられるわけではありません。これは、退職一時金を受け取った年から19年経過するまで、勤続期間とiDeCoの加入期間で重複している期間は差し引かれてしまうためです。

したがって、税金上のメリットを理由に一時金方式での受け取りを検討している人や、その他の退職金制度等がある人は特に、確定拠出年金の受給計画を早いうちから立てて、手続き漏れによる損を回避するようにしましょう。

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【60歳】忘れると時効で損する60代前半の「特別支給の老齢厚生年金」

老齢年金の標準的な受給開始年齢は「65歳」ですが、厚生年金保険への加入歴が1年以上ある、1961年4月1日以前生まれの男性と1966年4月1日以前生まれの女性については、65歳を迎えるより前に「特別支給の老齢厚生年金」の受給権が発生します。例えば、1960年4月2日生まれの男性と女性の受給開始年齢は、それぞれ64歳と62歳です。

<特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢>

日本年金機構「特別支給の老齢厚生年金」より

受給開始年齢から5年を過ぎても特別支給の老齢厚生年金の請求の手続きが行われない場合、その後1ヶ月分ずつ時効が発生して、年金がもらえなくなってしまうので、受給開始年齢を迎えたらすぐに請求手続きを行いましょう。すでに受給開始年齢を迎えているのにも関わらず、請求手続きを行っていない人も同様です。ちなみに、特別支給の老齢厚生年金には、受給開始の繰り下げ制度はありません。

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【60歳】忘れると長生きで損する年金の繰り上げ請求手続き

年金の受給要件を満たしているからといって、自動的に受給が開始されるわけではないことは、65歳からもらえる老齢基礎年金および本来の老齢厚生年金も同様です。特別支給の老齢厚生年金の受給者も、65歳に到達すると請求手続きが新たに必要となります。

●確定拠出年金との違いは「終身」&「減額・増額」の仕組み

65歳からもらえる年金は、請求手続きを忘れることによる損よりも、確定拠出年金と同様に、請求手続きを行うタイミングによる損の方が重要かもしれません。

65歳は、受給開始年齢の「標準」です。受給開始を60歳から65歳になるまでの間に繰り上げる「繰り上げ受給」や、逆に66歳以後75歳までの間に繰り下げる「繰り下げ受給」といった制度によって、結局のところ60歳から75歳までの好きなタイミングで受給を開始することができます。

確定拠出年金との大きな違いは、繰り上げ受給の場合には1ヶ月繰り上げるごとに0.4%(1962年4月1日以前生まれは0.5%)減額、繰り下げ受給の場合には1ヶ月繰り下げるごとに0.7%増額された年金額が亡くなるまで続く点です。

●年金は一度請求手続きすると取り消しができない

例えば、65歳から180万円の年金をもらえる予定の人が、60歳に到達してすぐ繰り上げ請求を行うと、減額率24.0%(0.4%×60ヶ月)を反映した136.8万円が、亡くなるまで毎年支給されます。

「60歳から年136.8万円」と「65歳から180万円」、その支給総額(額面ベース)は、80歳10ヶ月より先は65歳から受給を開始した方が上回る形です。また、繰り上げ受給を行うと、先ほど紹介した国民年金の任意加入や、iDeCoの加入ができなくなるなど、老後資金を増やす機会も狭めることになります。

年金の請求手続きは、一度行うと取り消しができません。目先の生活資金の補てんや、早くもらい始めた方がお得といった理由で繰り上げ受給を検討している人は、想定外の長生きで後悔しないためにも慎重な判断が求められます。

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【65歳】忘れると家族が損する年金の繰り下げ請求手続き

65歳からもらえる老齢基礎年金および本来の老齢厚生年金は、多くの人が65歳を迎える3ヶ月前に届く「年金請求書」の案内に従って、請求書を提出することになるでしょう。もし請求手続きを忘れても、過去5年間にさかのぼって、本来受け取るはずだった年金額を一括で受け取る、もしくは繰り下げによる増額された年金額の受け取りが可能です。

●繰り下げ受給も都合のよいタイミングで請求書を提出するだけ

70歳まで繰り下げた場合の増額率は42.0%(0.7%×60ヶ月)で、75歳だと84.0%(0.7%×120ヶ月)。65歳で180万円もらう予定の年金額は、それぞれ255.6万円と331.2万円となりますが、66歳以後に都合のよいタイミングで請求書を提出するまで手続きは何も必要ありません。

一方で、繰り下げ受給にもいくつかの制約があります。例えば、次のテーマで紹介する厚生年金の独自給付「加給年金」は、老齢厚生年金の受給開始を繰り下げている期間は支給されないため、老齢厚生年金は65歳、老齢基礎年金は70歳で請求手続きを行うことも選択肢です。

●遺族が受け取る未支給年金も「5年」の壁に注意

年金の請求手続きを忘れていた、もしくは手続きを行わないまま亡くなった場合の、遺族への影響も確認しておきましょう。
遺族は、故人の65歳時点の年金受給額に基づいて未支給年金を一括で受け取れますが、さかのぼれるのは時効により5年前までの分までです。

なお、請求手続きを行った後の未支給年金は、亡くなる直前の年金支給日以降、故人がまだ受け取っていない年金額(通常の未支給年金)に限ります。例えば、70歳から42%増額された年金を受け取り始めて3ヶ月後に亡くなった場合、65歳から70歳までの分を遺族が受け取ることはできないため、ご家族への影響も考えながら、受給の開始時期を検討するようにしましょう。

【65歳】忘れると年金額で損する年40万円超の「加給年金」

加給年金は、いわば年金版の「家族手当」です。厚生年金保険の加入歴が20年以上ある人は、老齢厚生年金に上乗せされる形で、65歳未満の配偶者や一定年齢までの子に係る給付が受けられます。

加給年金の年間支給額(2025年4月から)は、配偶者と1人目・2人目の子については各23万9300円で、3人目以降の子は各7万9800円。配偶者に係る加給年金についてはさらに、17万6600円(通常)が特別加算されることで年41万5900円と、金額の大きさに注目です。

これまで紹介してきた年金給付と同様、加給年金も65歳を迎えて自動的に支給が開始されるわけではありません。「老齢厚生年金・退職共済年金 加給年金額加算開始事由該当届」を、近くの年金事務所または街角の年金相談センターに忘れずに提出しましょう。もしも手続きが漏れていた場合、さかのぼって請求ができるのは5年分が限度である点も、年金受給の基本的ルールとして改めて押さえておく必要があります。

年金を「戦略的」に活用するための受給計画を早めに立てよう

今回は、老後資金の柱である「年金」について、60歳や65歳の節目で特に知っておくべき6つの手続きとチェックポイントを紹介しました。年金を増やす機会や、時効で本来もらえるはずだった年金を失うことは、決して他人事の話ではありません。また、受給開始年齢はあくまで「標準」にすぎないため、人生設計に合わせた受給計画が非常に重要です。一人ひとりの人生設計に寄り添い、最適な老後の家計に向けたサポートを行うファイナンシャルプランナーにも相談しながら、その準備を始めてみませんか。

神中 智博 ファイナンシャルプランナー(CFP®)

1992年宮崎県生まれ。関西学院大学会計大学院を修了後、NTTビジネスアソシエ西日本で、NTT西日本グループの財務や内部統制等の業務に従事。2022年10月に兵庫県神戸市で独立系FP事務所ライフホーカーを開業し、現在に至る。家計相談に加えて、公的年金や確定拠出年金(iDeCo・企業型DC)を活用した資産形成に関するテーマを中心に、執筆・講演活動も展開。「老後不安バスター」として、だれもが老後に向けて自信を持てる社会を目指して奮闘している。CFP®(日本FP協会認定)の他、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、1級DCプランナー、企業年金管理士(確定拠出年金)、一種外務員資格等を保有。
X(旧Twitter)→https://twitter.com/lifehawker

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