26/03/05
子ども・子育て支援金制度は「独身のみ」対象は全くの嘘。負担額はいくら?

日本では子どもの出生数が減っており、2024年には統計開始以来、初めて70万人を下回りました。国も少子化対策を推進していますが、このままでは日本の社会保障制度が維持できないと危機感を抱いています。そこで、全世代で子育てを支える新制度が2026年4月から始まりますが、物価高のなか金銭的な負担が生じることもあり、誤解が生じているようです。
今回は、子ども・子育て支援金の概要と負担額について確認していきます。
子ども・子育て支援金は「独身税」なのか
「独身税」とは、未婚者に対して課される税金のことをいい、過去には少子化対策を目的として結婚や出産の促進のため、ブルガリアや旧ソ連で実施されたことがあります。
日本の子ども・子育て支援金制度は、2024年6月に成立した「子ども・子育て支援法」に基づく新しい社会保障制度です。まったく支援の対象にならない世帯でも一律に負担する仕組みで、子育てをしない独身者であっても保険料を徴収されるので、独身者に損ではないかということで、「独身税」と言われています。
しかし、実際は独身者だけが保険料を納めるのではなく、高齢者を含む医療保険加入者全員で、子育て世帯を支える社会連帯のしくみです。このまま日本の人口が減り続けていけば、今のような社会生活を営むことができず、その影響は全国民におよぶことになります。日本の未来を担う子どもたちや子育て世代を応援することで、社会制度を維持していこうとするものです。
子ども・子育て支援金のお金の使いみちは?
とはいっても、新しく導入される子育て世代を支える支援金は、有効に使われなければなりません。こども家庭庁の「子ども・子育て支援金の概要について」では、使いみちが法定されており、他に流用されることはないと説明されています。
子ども・子育て支援金については、次のことに使われることになっています。
・児童手当の所得制限の撤廃、支給対象を高校生年代まで拡充する
・妊婦のために経済的支援として10万円を給付する
・「こども誰でも通園制度」を創設する
・出生後の一定期間に男女で育児休業を取得することを促進するために、休業時に手取りの10割相当額を給付する
・子育て中の時短勤務時に新たな給付を行う
・国民年金第1号被保険者の育児期間中の国民年金保険料の免除
<こども未来戦略「加速化プラン」施策のポイント>

子ども・子育て支援金の負担額
子ども・子育て支援金については、こども家庭庁から令和8年度(2026年度)の医療保険別・年収別の支援金額の試算が出されています。支援金は、公的医療保険料に上乗せして徴収されます。なお、年収別の支援金額の試算(令和8年度)は、主な年収を資料から抜粋して表示しています。
●被用者保険(協会けんぽ・健保組合・共済組合)
協会けんぽ・健保組合・共済組合といった被用者保険では、年収(毎月の給料とボーナスの合計額)を12で割って月額にしたものに0.23%を掛けて年額を計算しています。拠出分の半分を本人が、残りの半分を事業主が負担します。
【子ども・子育て支援金の負担額(月額)】
月額平均 約550円(被保険者1人当たり)
・年収200万円…192円
・年収400万円…384円
・年収600万円…575円
・年収800万円…767円
・年収1000万円…959円
●市町村国民健康保険
国民健康保険の支援金額は、夫婦と子どもがいる世帯で、夫婦のいずれか一方に給与収入がある世帯をモデルにしています。実際の支援金額は各自治体の条例によって決まります。
【子ども・子育て支援金の負担額(月額)】
月額平均 約300円(1世帯あたり)
・年収80万円…50円
・年収100万円…50円
・年収150万円…250円
・年収200万円…400円
・年収250万円…550円
・年収300万円…650円
●後期高齢者医療保険
後期高齢者医療保険の支援金額は、年金収入のみの単身世帯の1人あたりの支援金額になっています。実際の支援金額は、各人が加入する後期高齢者医療広域連合の条例によって決まります。
【子ども・子育て支援金の負担額(月額)】
月額平均 約200円(被保険者1人当たり)
・年収80万円…50円
・年収100万円…50円
・年収125万円…50円
・年収150万円…50円
・年収175万円…100円
・年収200万円…200円
子ども・子育て支援金制度は、令和10年度(2028年度)までは金額が増える予定です。しかし、同時に社会保障の歳出改革等を行い、賃上げに向けた取り組みを継続していくことで、それ以降は、支援金は法律の改正が必要となるので、どんどん上がっていくものではないと説明しています。
2026年4月から子ども・子育て支援金制度は開始されます。会社員や公務員が加入する被用者保険では5月分の給料から天引きがはじまります。国民健康保険や後期高齢者医療保険では、6~7月に送付される納入通知書で具体的な金額と時期が通知されます。
また、原則として医療保険の全加入者が支援金を負担しますが、被扶養者(配偶者の扶養に入っている人)や育児休業中は免除されます。
子ども・子育て支援金制度によって、子育てに係る経済的な負担が軽減され、子どもがいても働きやすい環境と制度が整っていくことで、若い世代のライフプランの選択肢が広がっていくことを願っています。
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池田 幸代 株式会社ブリエ 代表取締役 本気の家計プロ®
証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不動産賃貸業経営。「お客様の夢と希望とともに」をキャッチフレーズに2016年に会社設立。福岡を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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