26/06/07
【意外と多い】請求忘れで消える5つの年金

年金は自動的にもらえるもの。そんなイメージを持っている方は多いかもしれません。
ですが実際には、年金は基本的に自分で請求して受け取るものです。
とはいえ、忙しい毎日ではすぐに請求できないことも。それでもいつかもらえればいいのですが、時効で受け取れなくなってしまう年金があります。
年金のことを考え始めるのは、親の介護、配偶者の退職などが重なりがちで、自分のことは後回しにしてしまうことも多いのではないでしょうか。だからこそ、知らずに損するようなことがないようにしましょう。
今回は請求忘れで消えてしまう可能性がある年金・給付を5つ紹介します。
1.加給年金・振替加算
加給年金と振替加算は、申請しないともらえない年金の代表格とも言えます。
加給年金とは、いわば年金の家族手当です。
加給年金は、厚生年金に20年以上加入していた人に、65歳到達時点で扶養している配偶者がいる場合などに加算される制度です。
ただし、配偶者は、65歳未満であることが条件です。
配偶者の加給年金の金額は年額で42万3700円(年金受給者が1943年(昭和18年)4月2日以後生まれの場合。特別加算を含む)(2026年度)ですから、決して少なくない金額ですよね。
配偶者が65歳になると、加給年金の支給は終了します。この時、配偶者自身が受け取る年金に、振替加算として支給が上乗せされます。
振替加算を受け取れるのは、配偶者自身の生年月日が、1926年(大正15年)4月2日~1966年(昭和41年)4月1日の間であること、そして、配偶者自身が厚生年金に20年以上の加入期間がないことです。
気を付けなければならないのは、加給年金や振替加算は「ねんきん定期便」に載らないこと。
自分自身で申請しないと、請求漏れをしてしまいます。
さらに注意したいのは、年金には原則5年の時効があること。
本来もらえたはずの加算分も、請求が遅れると古い分は消えてしまいます。
「夫が年金を受け取り始めた」
「妻が65歳になった」
そんなタイミングでは、一度確認しておきたい制度です。
2.年金生活者支援給付金
年金生活者支援給付金とは、所得が一定以下の年金受給者に対して、年金に上乗せして支給される制度です。
「そんな制度、初めて聞いた」という方も少なくありません。
年金生活者支援給付金の対象になるのは主に、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金を受給している方です。たとえば、老齢基礎年金の場合は「65歳以上で老齢基礎年金を受給している」「世帯全員の住民税が非課税」「前年の年金収入額とその他の所得の合計が一定以下」の条件をすべて満たすことで、月額5620円を基準とした給付を受けられます(2026年度)。
対象者には日本年金機構から請求書が届きますので、忘れずに手続きをしましょう。
書類を後回しにしたり、意味が分からず放置したりすると、受け取れずじまいになってしまうことも。
原則として、請求した月の翌月分から支給開始となりますので、申請が遅れればその分受給できる月数が減ることになるのです。
年金額が少ない、非課税世帯に近い、そんな方は、対象になっている可能性があります。
もしかして受け取れるのではないか、と思ったら、年金事務所などに問い合わせてみるとよいでしょう。
3.未支給年金
年金受給者が亡くなると、そこで年金は停止されます。
ですが、まだ受け取っていない年金が残っていることがあります。たとえば、亡くなった月までの年金が振込前だった分などです。これを未支給年金といい、亡くなった方と生計を同じくしていた遺族が受け取ることができます。
未支給年金を受け取れる遺族は、(1)配偶者 (2)子 (3)父母 (4)孫 (5)祖父母 (6)兄弟姉妹 (7)その他(1)から(6)以外の3親等内の親族、となっています。
先順位者がいる場合には受け取ることができません。たとえば、配偶者が受け取ったら、(2)以降の遺族は受け取れません。
未支給年金の請求期限は5年以内です。
時間がたってしまうと、時効により受け取れなくなる可能性があります。
家族が亡くなった直後は、葬儀や手続きで本当に大変です。その中で年金のことまで頭が回らないこともありますが、年金を止める手続きと未支給年金の請求はセットで確認したいポイントです。
4.死亡一時金
死亡一時金は、国民年金の制度です。
これは、国民年金を36月(3年)以上納めた方が、老齢基礎年金を受け取る前に亡くなった場合、遺族に支給されるものです。
金額は納付期間によって、12万~32万円です。
受け取れるのは、(1)配偶者 (2)子 (3)父母 (4)孫 (5)祖父母 (6)兄弟姉妹の順番で、亡くなった時に生計を同一にしていた人が対象になります。
ただし、これも自動的に受け取れるものではなく、請求しなければ、支給されません。
請求期限は死亡日の翌日から2年。
比較的短いため、注意が必要です。
5.特別支給の老齢厚生年金
年金は65歳から、というイメージがありますが、一定年代の方は、65歳前から特別に厚生年金を受け取れる場合があります。これが「特別支給の老齢厚生年金」です。
2026年時点では、男性は1961年(昭和36年)4月1日以前生まれの方が対象なのですでに65歳になっていますが、女性の場合これから受け取れる対象者がいます。
・1962年(昭和37年)4月2日~1964年(昭和39年)4月1日生まれ…63歳から
・1964年(昭和39年)4月2日~1966年(昭和41年)4月1日生まれ…64歳から
特別支給の老齢厚生年金も請求しなければ始まりません。
年金請求書が届いていたけれど、まだ早いと思って放置していた、という方も意外といます。
受給開始を遅らせても増額される制度ではないため、放置して得になることは基本的にありません。特別支給の老齢厚生年金はすぐに請求しましょう。
「知らなかった」が一番もったいない
年金制度は、本当に複雑です。
しかも、基本的に請求しないと受け取れません。
さらに、自動的に案内が来なかったり、来ても書類がわかりにくかったりすることもあります。
すると、請求漏れが起きやすくなります。
そして残念ながら、時間がたつと時効で受け取れなくなってしまう年金もあります。
そのうち確認しよう、と思っているうちに時効の5年をあっという間に迎えてしまうこともあります。
年金は、知っている人だけが得をする制度では本来ないはずです。
だからこそ、節目節目で確認はしておきたいもの。
たとえば、こんなタイミングです。
・年金請求を始める
・配偶者が65歳になる
・家族が亡くなった
「うちは関係ないと思っていたけれど、対象だった」
そんなケースも、実際には少なくありません。
漏れなく受け取れるよう、気になるものは早めにチェックしておきたいですね。
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タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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