26/07/20
住民税非課税世帯になるともらえる給付金・優遇制度8選

住民税が非課税になると、国や自治体が実施する給付金や優遇制度を利用できる場合があります。医療や介護にかかる費用や教育費などの負担が軽減されるので、どのような支援があるのか情報をチェックしておくことが大事です。ここでは、住民税非課税世帯が受けられる給付金や優遇制度を8つご紹介します。
住民税非課税世帯とは?
住民税非課税世帯とは、前年の所得が一定額以下で、世帯全員が住民税の均等割と所得割のどちらも課税されていない世帯のことです。
前年の所得が以下の金額以下になる場合、住民税の所得割と均等割のどちらも課税されないので住民税非課税世帯となります。
・単身者の場合:前年の合計所得金額が45万円
・扶養親族がいる場合:35万円×(同一生計配偶者+扶養親族の人数+1)+31万円
その他、以下の場合も住民税が非課税になります。
・その年の1月1日現在、生活保護法による生活扶助を受けている
・障がい者、未成年者、ひとり親、寡婦で前年の合計所得金額が135万円以下
住民税が非課税になる場合、役所からは納税通知書は届きません。非課税かどうか知りたいときは、役所の担当窓口で確認しましょう。窓口での問い合わせには本人確認書類が必要になる場合があります。
住民税非課税世帯を対象とした給付金・優遇制度には、次のものがあります。
(1)国や自治体が実施する給付金
住民税非課税世帯は、国や自治体が実施する給付金の対象になることが多いです。たとえば東京都世田谷区の場合、国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を活用して、2025年度分の住民税が非課税または均等割のみ課税世帯に対し「物価高騰生活支援給付金」として1世帯につき2万円を支給しました。同様の給付金は他の自治体でも実施されています。
(2)国民年金保険料の免除制度
国民年金には、経済的な理由で国民年金保険料を支払えない人を対象に免除制度が設けられています。たとえば前年所得が「(扶養家族等の数+1)×35万円+32万円」の範囲内であれば、保険料が全額免除となります。保険料が全額免除になっても、保険料を全額納付した場合にもらえる老齢基礎年金額の2分の1を受け取れます。
免除制度を利用するには申請が必要です。何も手続きをせず未納のままにしていると、将来老齢基礎年金を受け取れなくなるので、必ず免除の申請をしましょう。
(3)国民健康保険料の軽減措置
国民健康保険では、低所得世帯を対象に保険料の軽減措置を実施しています。国民健康保険に加入する世帯主と家族の前年所得が基準額以下の場合、所得状況に応じて均等割が7割・5割・2割のいずれかに軽減されます。また、未就学児の均等割はさらに5割に軽減されます。
国民健康保険料の軽減措置は、原則申請が不要です。ただ、無収入で確定申告をしていない場合は住民税の申告をしましょう。
(4)介護保険料の軽減措置
介護保険では65歳以上は第1号被保険者になりますが、納める保険料は住民税や前年の所得状況にもとづいて決まります。世帯全員が住民税非課税であれば、公費負担によって保険料額が軽減されます。
(5)2歳以下の保育料の無償化
現状、3歳~5歳の保育料や幼稚園の利用料は無償化となっていますが、0歳~2歳の保育料は有料です。ただ、住民税非課税世帯の場合、0歳~2歳の保育料は無料となっています。また東京都の場合、2025年9月からは独自の支援で所得や子どもの年齢に関係なく保育料が無償化となりました。
(6)高等教育の修学支援新制度
大学や短大、高等専門学校、専門学校では、国が実施する高等教育の修学支援新制度により、住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯の学生に対し、授業料と入学金の減免を実施しています。
たとえば大学の場合、住民税非課税世帯の学生は以下の金額を上限(年額)に減免されます。
・国公立大学の場合:入学金28万2000円、授業料53万5800円
・私立大学の場合:入学金26万円・授業料70万円
さらに、世帯収入の要件を満たし、学ぶ意欲のある学生は、返済が不要な給付型奨学金を受けられます。
(7)高額療養費の軽減
1ヵ月間に支払った医療費が自己負担限度額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度が高額療養費制度です。住民税非課税世帯は医療費の自己負担限度額が低く設定されているため、1ヵ月間に負担する医療費は安く済みます。
(8)NHK受信料の免除
NHK受信料は、免除基準に該当すると全額免除もしくは半額免除を受けられます。たとえば、世帯全員が住民税非課税の身体障がい者や知的障がい者、精神障がい者がいる世帯や、生活保護法に規定する扶助など公的扶助を受けている場合、NHK受信料が全額免除になります。免除を受けるには申請手続きが必要です。
住民税非課税世帯への給付金・優遇制度はいろいろある
住民税非課税世帯になると、国や自治体が実施する給付金を受けられる場合があります。実施する給付金は年度や自治体により異なるため、お住まいの自治体が実施する給付金制度をチェックしてみましょう。また、社会保険料や2歳までの保育料、大学の学費、医療費の軽減措置も受けられます。軽減措置を受けるには申請手続きが必要になる場合があるので、自分が対象になるときは忘れず申請しましょう。
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前佛 朋子 ファイナンシャル・プランナー(CFP®)・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
2006年よりライターとして活動。節約関連のメルマガ執筆を担当した際、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。マネー関連記事を執筆するかたわら、不安を安心に変えるサポートを行うため、家計見直し、お金の整理、ライフプラン、遠距離介護などの相談を受けている。
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