26/03/15
老後貧乏に陥る50歳代「激ヤバ行動」8選

老後の生活を支える主な収入源は年金ですが、現役時代より収入が増える人はほとんどいません。年金額は限られており、収入が減る中で生活していくことになります。そのため、老後資金を準備していないと生活が苦しくなる可能性があります。
今回は、老後貧乏に陥りやすい50歳代の「激ヤバ行動」を8つ紹介し、今からできる対策について解説します。思い当たる行動がないか、ぜひチェックしてみてください。
(1)毎月貯蓄していない
老後資金を用意するためには、毎月コツコツと貯蓄しておかなければなりません。しかし、毎月の家計がギリギリで、貯蓄できていない人もいるでしょう。50代から老後資金を貯蓄するとなると、毎月の貯蓄額をかなり多くしなければなりません。もし貯蓄ができなければ老後貧乏まっしぐらです。
●収入を増やして支出を減らすことを考える
50代からでも老後資金を貯めることは可能です。まずは毎月の収支を見直しましょう。収入を増やし、支出を減らせば、毎月の貯蓄額を増やせます。
収入を増やす方法としては、副業を検討するのも一つです。最近は副業を認める企業も増えており、本業以外の収入源を持つことが可能になっています。副業で経験を積んでおけば、定年後の働き方の選択肢が広がるメリットもあります。
支出については、食費や日用品を無理に削るとストレスになりがちです。まずは固定費の見直しを検討しましょう。スマホを格安SIMに変更したり、不要な保険を解約したりすることで、毎月の負担を減らせる場合があります。音楽や動画配信などのサブスクも、積み重なると家計を圧迫するため、本当に必要かどうか確認しましょう。
●iDeCoやNISAを活用して資産運用
毎月貯蓄できるようになっても、預貯金だけではお金が増えにくく、インフレにも対応しにくい面があります。物価上昇率が預金金利を上回ると、実質的にお金の価値は目減りしてしまうからです。ある程度貯蓄ができるようになったら、資産運用も検討しましょう。
iDeCoで掛金を積み立てると、運用益が非課税になるほか、掛金が全額所得控除の対象となるため所得税や住民税の節税効果もあります。
これまでiDeCoの加入年齢は60歳までの国民年金被保険者などに限られていたため、50代からでは運用期間が短いと考えられていました。しかし、2026年12月以降は加入年齢の上限が70歳未満までに引き上げられる予定です。今後は50代からでもiDeCoを活用するメリットが大きくなるでしょう。
NISAを活用する方法もあります。NISAには所得控除のメリットはありませんが、運用益が非課税になります。iDeCoと違い、必要なときにいつでも資金を引き出せる点も安心感があります。
(2)突発的な出費に備えていない
毎月の生活費以外に、故障した家電の買い替え、冠婚葬祭、自宅の修繕など、突発的な出費が発生することはあるものです。こうした出費に充てるお金を用意していなければ、何かあるたびに貯金を取り崩さなければなりません。仮に毎月貯蓄していても、実はお金があまり貯まっていないということになってしまいます。
●緊急予備資金を用意しておく
突発的な出費とはいえ、家電の買い替え費用や自宅の修繕費用などはある程度予測できます。将来のための貯蓄とは別に、突発的な出費に備える緊急予備資金(生活防衛資金)を用意しておきましょう。
緊急予備資金は、毎月の生活費の3~6ヶ月分程度を目安に準備しておくと安心です。生活費・貯蓄・緊急予備資金は、それぞれ口座を分けて管理しましょう。
●特別支出は年間カレンダーを作成しておく
固定資産税や自動車税、車検費用、帰省費用など、まとまった支出が発生することが事前にわかっている場合は、年単位でいくら必要になるかを把握しておきましょう。特別支出のカレンダーを作り、少しずつ積み立てておくと安心です。
(3)高い買い物は分割払いやリボ払い
高価な物を買うとき、月々使えるお金が減るのを避けるため、クレジットカードの分割払いやリボ払いを利用してしまう人もいるでしょう。しかし、分割払いやリボ払いには手数料がかかります。特にリボ払いは手数料が高く、支払いが長期間続きやすいのが特徴です。 毎月の支払額が少ないと負担を感じにくく、つい無駄遣いが増えてしまうこともあります。このような状態が続けば、老後貧乏につながりかねません。
●安易にクレジット払いにしない
クレジットカードを利用すれば、手元に現金がなくても高価な物を購入でき、分割払いも選べます。しかし、高価な買い物は安易にクレジット払いにせず、先にお金を貯めてから計画的に購入する習慣をつけましょう。
クレジットカードを使う場合でも、翌月1回払いが難しければ、ボーナス1回払いまたは2回払いにすれば手数料はかかりません。クレジットカードの賢い利用法も知っておきましょう。
●リボ払いは余裕のあるときに一括返済する
すでにクレジットカード代金をリボ払いにしている場合、そのままでは支払いが長引くことがあります。リボ払いの利用残高は一括返済することもできるため、余裕ができたときには一括返済してしまうのがおすすめです。一括返済する場合は、カード会社の窓口に問い合わせ、支払日までの手数料や入金方法を確認してから行いましょう。
(4)教育費を借り過ぎてしまっている
子どもの学費のために、教育ローンを利用している人も多いでしょう。借入金額が多いと、子どもが大学を卒業した後も長く返済が続いてしまいます。子どもが自立してから退職までの期間は、本来であれば老後資金を貯める大切な時期です。教育ローンの返済がある人は、家計を引き締めて貯蓄していかなければ、老後貧乏になってしまう可能性があります。
●教育ローンも繰り上げ返済は可能
教育ローンの返済を早く終わらせるために、資金に余裕があるときには繰り上げ返済を検討しましょう。ただし、繰り上げ返済には手数料がかかる場合もあるので注意が必要です。国の教育ローン(日本政策金融公庫)の場合は、振込手数料以外の手数料はかかりません。
●貯蓄が少ないなら焦って繰り上げ返済しない
貯蓄があまりない場合は、無理にローンの繰り上げ返済をしないことも大切です。教育ローンの金利は比較的低く、手数料の負担も大きくありません。繰り上げ返済で貯蓄が減ってしまうと、急な出費の際に高金利のカードローンを利用せざるを得なくなることもあります。
(5)退職金で住宅ローンを全額返済するつもり
60歳になっても住宅ローンがかなり残っている場合、退職金で全額返済を考えることも多いでしょう。高齢になっても住宅ローンの返済が続くのは落ち着かないので、返済を終えられるのは安心です。しかし、預貯金が少ない場合、退職金の全部を住宅ローンの返済に充ててしまうと、老後の生活費が不足する可能性があります。
●老後の生活費の目安
総務省が公表している2024年度の「家計調査報告(家計収支編)」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)では1ヶ月の消費支出・非消費支出(税金・社会保険料等)を合わせた平均額は28万6877円です。一方、公的年金を含む実収入は25万2818円となっており、毎月約3.4万円の赤字が生じるとされています。仮に老後生活を25年としても、1000万円以上不足する計算になります。老後の生活費を補うための貯蓄を残しておくことが重要です。
●住宅ローンの一括返済より資産運用の方が得かも
住宅ローンの金利が低い場合には、一括返済するよりも、その資金を資産運用に回した方が有利になる可能性もあります。たとえば、住宅ローンの金利が1%程度であれば、それを上回る利回りで資産運用ができれば、資産を増やせる可能性があります。
もちろん運用にはリスクもあるため、すべてを投資に回すのは避けた方がよいでしょう。しかし、退職金をすべて住宅ローン返済に使ってしまうと手元の資金が少なくなり、老後の生活費に余裕がなくなることがあります。老後の生活費や年金額、現在の貯蓄額などを踏まえて老後資金をシミュレーションし、退職金の使いみちを慎重に検討しましょう。
(6)60歳で仕事を辞めるつもり
60歳で定年になったら、もう仕事を辞めようと考えている人もいるでしょう。60歳で仕事を辞めても、年金がもらえるのは65歳からです。それまで収入がなければ、安心して生活できません。年金の繰り上げ受給も可能ですが、金額が減ってしまいます。退職金があるから大丈夫と思っていても、生活費に使えばあっという間になくなってしまうでしょう。
●70歳まで継続して働くこともできる
現在は高年齢者雇用安定法により、定年後も希望すれば65歳まで会社に雇用してもらうことができます。さらに、企業には70歳までの就業機会を確保する努力義務も課されており、70歳まで働き続けられる可能性も高くなっています。
元気なうちはできるだけ長く働き、年金受給を繰り下げれば、老後の生活もより安定します。60歳での引退は、今の時代では少し早いと考えた方がよいでしょう。
●働いても年金をカットされなくてすむ
年金を受給している人が働く場合、年金と給与の合計額が一定額を超えると年金の一部が支給停止になる在職老齢年金の制度があります。在職老齢年金の支給停止基準額は年々引き上げられており、2025年度は51万円でしたが、2026年度は65万円へと大幅に引き上げられます。
年金と給与の合計が65万円を超えない限り、年金が支給停止になることはありません。定年後も働くメリットは、これまで以上に大きくなっています。
(7)もらえる年金額を知らない
将来の年金見込額は、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」で確認できます。しかし、「ねんきん定期便」もまともに見たことがない人もいるのではないでしょうか?もらえる年金額がわからなければ、貯蓄するモチベーションも起こらないでしょう。
●ねんきん定期便を確認しよう
50歳未満の「ねんきん定期便」に表示されている年金額は、これまでの加入実績に応じた年金額です。そのため、将来実際に受け取る年金額がどれくらいになるのかはわかりません。一方、50歳以上の「ねんきん定期便」では、現在の制度のまま60歳まで加入した場合の年金見込額が表示されます。50代になると、将来受け取れる年金額の目安がわかるため、ぜひ確認しておきましょう。
●ねんきんネットでも確認できる
マイナンバーカードがあれば、マイナポータルから「ねんきんネット」にアクセスして年金見込額を確認することもできます。ねんきんネットでは、将来の年金額のシミュレーションなども行えるため、老後資金を考える際の参考になります。
(8)そもそも年金を払っていない
厚生年金加入の会社員は、厚生年金保険料が給与から天引きされているため、年金未納になることは基本的にありません。一方、自営業など第1号被保険者の人は、自分で毎月の国民年金保険料を払う必要があります。そもそも国民年金保険料を払っていない人は、年金ももらえません。
国民年金保険料を払った期間が少な過ぎても、年金はもらえないことがあります。年金の受給資格を得るためには、少なくとも10年(120ヶ月)以上の保険料納付期間が必要だからです。
●年金の受給資格を得ることを考える
自営業には定年がないとはいえ、いつまでも働き続けられるわけではありません。年金がなければ、いずれ収入が途絶えてしまいます。仮に多少の貯蓄があっても、老後に貯蓄を取り崩すだけの生活は不安やストレスにつながります。50代であれば、まだ対策は可能です。
これまで年金をほとんど払っていない人でも、今から受給資格を得ることはできます。国民年金保険料は過去2年分までさかのぼって納めることが可能です。また、60歳まで納めても10年に満たない場合には、60歳以降も任意加入して保険料を納めることができます。
●付加年金や国民年金基金加入も検討
第1号被保険者の人は、国民年金保険料を納めるだけでなく、付加年金や国民年金基金への加入も検討しましょう。
付加年金とは、国民年金保険料に月400円の付加保険料を追加して納めることで、「200円×納付月数」の年金を老齢基礎年金に上乗せできる制度です。付加保険料は2年で元が取れる仕組みになっています。
国民年金基金は、自分で口数やプランを選んで加入できる年金制度です。1口目は終身年金となるため、生涯受け取れる年金額を増やせます。なお、付加年金と国民年金基金は併用できないため、どちらか一方を選ぶ必要があります。
老後貧乏を防ぐために今からできること
老後資金が不足しているなら、できるだけ早く対策を始めることが大切です。まずは支出を見直し、少額でも毎月先取りで貯蓄する習慣をつけましょう。
できるだけ長く働き勤労収入を得ることも老後の安心につながります。厚生年金に加入して働けば年金額を増やすことも可能です。50代からでも備えは遅くありません。気づいた今こそ、老後を見据えたお金の計画を立てましょう。
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森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー
Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。
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