26/06/11
知らないと損する「小規模企業共済」のすごい節税効果

会社員には退職金制度があるので、仕事を辞めた後の生活費を補てんすることができます。しかし、個人事業主には退職金がないので、仕事を辞めた後の生活設計に不安を感じている人も少なくないのではないでしょうか。そんな個人事業主の強い味方になるのが、退職した後の生活資金などを積み立てられる共済制度「小規模企業共済」です。今回は、小規模企業共済の概要と節税効果について解説します。
小規模企業共済とはどんなものなの?
小規模企業共済とは、個人事業主や小規模企業の経営者とその役員のための退職金制度で、国の機関である中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営しています。毎月掛金を積み立てていき、退職時や廃業時、老齢給付などで共済金を受け取ります。共済金は、個人事業主や小規模企業の経営者などが仕事を辞めたあとの生活資金のほか、事業再建資金としても使えます。掛金は、月額1000円~7万円まで500円単位で自由に設定できます。また、掛金は途中で増減が可能です。
小規模企業共済のすごい節税効果
小規模企業共済の大きな特徴は、節税効果が大きいことです。
まず、掛金は全額が小規模企業共済等掛金控除として所得控除の対象になります。たとえば掛金を月3万円に設定した場合、掛金は年間で36万円になりますが、これがそのまま所得控除として課税所得から差し引けるので税金を軽減できます。
また、共済金を受け取る際にも税制優遇があります。共済金の受け取り方は、一括・分割、一括と分割の併用の3パターンから選べますが、一括で受け取る場合は退職所得控除を、分割で受け取る場合は公的年金等控除を利用できるので、節税効果が期待できます。
加入中も共済金の受け取り時も税制優遇を受けられるのは非常にお得です。
事業資金が不足!そんなときに役立つ小規模企業共済の貸付制度
小規模企業共済には、加入者が事業資金などを低金利で借りられる貸付制度があります。もちろん期限までに返還が必要ですが、たとえば一般貸付は年利1.5%、特別な事情がある場合の特別貸付は年利0.9%と低金利なので、事業資金が不足したり、資金繰りが困難になったりしたときに役立てることができるでしょう。
小規模企業共済の注意点は?
小規模企業共済は節税効果が大きく、いざというときは低金利の貸付制度を利用できるメリットがありますが、注意したい点もあります。
原則として、掛金納付月数が6ヵ月未満の場合、廃業時に受け取れる共済金A、老齢給付となる共済金Bは受け取れません。また、個人事業主を法人なりした場合などに受け取れる準共済金や解約手当金は、掛金納付月数が12ヵ月未満のときは受け取れないので注意が必要です。
また、共済金は掛金の80~120%の範囲内で受け取れますが、掛金納付月数が240ヵ月(20年)以上にならなければ共済金は掛金納付金額の100%以上にはなりません。小規模企業共済をお得に受け取るには20年以上の長期加入が必要です。加えて、掛金を途中で変更した場合、変更した掛金の納付月数が240ヵ月以上にならないと元本割れする可能性がある点にも注意しましょう。
さらに、共済金Bは老齢給付として受け取れますが、老齢給付を受け取るには65歳以上であることに加え、掛金納付月数が180ヵ月以上でなければ受け取れません。老齢給付を希望するときは加入期間をしっかり確認しておくことが大事です。
高い節税効果を生かすことを考えよう
個人事業主には、所得控除を受けながら老後資金を準備できる方法として国民年金基金とiDeCoがありますが、どちらも小規模企業共済と併用できるため、上手に組み合わせれば所得控除の範囲が広がってより高い節税効果を得ることも可能です。ただ、小規模企業共済の場合、掛金の納付月数によっては元本割れすることもあるので注意しましょう。
とはいえ、高い節税効果が得られる制度なので、内容をよく確認したうえで、長期的な利用を視野に入れて小規模企業共済を活用してみてはいかがでしょうか。
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前佛 朋子 ファイナンシャル・プランナー(CFP®)・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
2006年よりライターとして活動。節約関連のメルマガ執筆を担当した際、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。マネー関連記事を執筆するかたわら、不安を安心に変えるサポートを行うため、家計見直し、お金の整理、ライフプラン、遠距離介護などの相談を受けている。
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