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26/01/23

相続・税金・年金

国民年金と厚生年金の保険料はいつまで払うのが義務?もらえる金額はいくら違うのか

国民年金と厚生年金の保険料はいつまで払うのが義務?もらえる金額はいくら違うのか

老後の暮らしを支える公的年金には国民年金と厚生年金の2種類があります。学生や自営業は国民年金、会社員や公務員は厚生年金に加入します。現役世代は公的年金の保険料を納める義務がありますが、何歳まで払う必要があるのでしょうか?

今回は、公的年金はいつまで払う必要があって、将来いくらもらえるのか、国民年金と厚生年金にわけて紹介します。また、年金保険料を支払うのが難しい場合の対応についても解説します。

国民年金はいつまで払う?

国民年金の支払い義務は20歳以上60歳未満です。つまり、59歳まで保険料を払う必要があります。支払う保険料は収入にかかわらずすべての人が一律で、2025年度は月額1万7510円、2026年度は月額1万7920円です。

国民年金(老齢基礎年金)がもらえるようになるのは、原則として65歳になった月からです。20歳から59歳までの40年間保険料を納めていれば、満額を受け取ることができます。国民年金の満額は、月額6万9308円、年額83万1700円です(2025年度)。

なお、国民年金を受け取るには、受給資格期間が10年以上必要となります。受給資格期間とは、簡単にいうと、年金保険料を納めていた期間や、保険料を納めていたとみなされていた期間のことです。

この受給資格期間が10年未満だと、将来年金を受け取ることができません。例えば、20歳から59歳まで8年間しか保険料を払っておらず、保険料免除の申請もしていない場合、65歳になっても年金を受け取ることができません。

厚生年金はいつまで払う?

厚生年金の支払い義務は、厚生年金保険の被保険者の期間です。つまり、60歳を超えても会社などで働いているのであれば、その間は保険料を払うことになります。ただし、70歳を過ぎると厚生年金保険の加入資格を失うため、払う必要はなくなります。

厚生年金の保険料は、給与と賞与の額によって定められた標準報酬月額と標準賞与額をもとに決定され、被保険者本人と会社が折半で支払います。給与が多いほど支払う保険料が高くなり、将来もらえる年金額も増える仕組みとなっています。

老後にもらえる厚生年金の額は、下記の計算式で求められます。ただし、これは2003年4月以降に働き始めた方向けのざっくりとした計算式となります。経過的加算や加給年金についても、ここでは割愛します。

厚生年金額(年額)= 平均標準報酬額(加入期間中の標準報酬月額と標準賞与額をすべて合計した金額) × 0.005481×2003年4月以降の加入期間の月数

●標準報酬月額とは

標準報酬月額とは、毎月もらえる給与を一定の幅で等級に分けた金額のことです。給与の金額をそのまま年金の計算に使うと、一人ひとりの計算に手間がかかり、残業などで毎月給与が変動することもあるため、「大体これくらい」とみなして計算しやすくするために使用されています。

例えば、18万5000円以上19万5000円未満の給料をもらっている人は、等級が13、標準報酬月額が19万円となります(2025年度の場合)。給料に応じた標準報酬月額の等級区分については、日本年金機構の公式ホームページで確認することができます。

これまで、標準報酬月額の上限は65万円に設定されていました。2027年9月以降、この標準報酬月額の上限が段階的に75万円まで引き上げられます。この改正は、65万円を大きく超える給料を得ている人の年金保険料負担が少なく、将来の年金額も少なくなってしまうという問題を見直すためのものです。

●標準賞与額とは

標準賞与額とは、ボーナスを一定の幅で等級に分けた金額のことをいいます。標準報酬月額のボーナス版と考えておくとわかりやすいでしょう。

年金が支払える期間には例外がある

国民年金と厚生年金の支払い義務期間について説明しましたが、いくつか例外があります。

●60歳以上でも任意で国民年金を払うことができる

国民年金を払うのは、20歳から59歳までの40年間と説明しました。しかし例外で、受給資格期間が40年に満たない方は、60歳以降に任意で国民年金を払うことで、受給資格期間を増やし、将来の年金受給額を増やすことが可能です。これを国民年金の任意加入といいます。任意加入は65歳になるまでの最長5年可能です。

さらに、65歳まで任意加入しても受給資格期間が10年に満たず、年金を受け取る資格がない方は、70歳になるまで国民年金に加入できます(高齢任意加入)。

●配偶者が65歳になったら扶養から外れる必要がある

厚生年金保険加入者に扶養されている配偶者は、国民年金の第3号被保険者となりますから、自分で保険料を納付しなくても将来の年金受給額に反映されます。ただし、厚生年金加入者が65歳になったら、まだ会社員や公務員として働いていたとしても、配偶者は第3号被 保険者から第1号被保険者へ切り替えねばなりません。

たとえば、年上の夫が会社員で年下の妻が専業主婦の場合、夫が64歳になるまで妻は自分で保険料を納付する必要がありませんでした。しかし、夫が65歳になるタイミングで、妻は国民年金の第1号被保険者となり、自分で保険料を払う必要が出てきます。たとえ夫が65歳以降も会社で働いていたとしても、65歳になった時点で配偶者を第3号被保険者にすることはできなくなるのです(なお、年上の妻が会社員で年下の夫が専業主夫の場合でも同様です)。

年金を払えない場合はどうしたらいい?

厚生年金保険料は給与から天引きされますが、国民年金保険料は自分で支払う必要があります。年金保険料の納付は国民の義務ですから、経済的な問題で支払いが難しい場合はそのまま放置せず、「保険料免除制度」や「保険料納付猶予制度」の手続きを行う必要があります。

●保険料免除制度とは

保険料免除制度は、失業した場合や所得が一定額以下の場合に、国民年金保険料の支払いが免除される制度です。

保険料免除制度を利用するには、申請書を出して承認される必要があります。全額免除されるケースと、一部免除されるケース(4分の3免除、半額免除、4分の1免除)があります。

全額免除を受けた場合、将来の国民年金額は、免除期間中は半額だけ保険料を納めたものとして計算されます(保険料を全額納付した場合の年金額の2分の1増加)。つまり、保険料を支払えない間も全額納付した場合ほどではないものの、将来の年金額が増えているということです。

一部免除の場合については、将来の年金額は以下のように計算されます。
・4分の3免除の場合:8分の5だけ保険料を納めたものとして計算する
・半額免除の場合:8分の6だけ保険料を納めたものとして計算する
・4分の1免除:8分の7だけ保険料を納めたものとして計算する

未納のままだと、その期間は将来の年金額にまったく反映されず、受給資格期間にもカウントされません。経済的な問題で支払いが難しい場合、必ず保険料免除制度の手続きを行いましょう。

●保険料納付猶予制度とは

保険料納付猶予制度は、国民年金保険料の納付を猶予してもらう制度です。免除ではなく猶予ですから、10年以内にさかのぼって納める(追納する)必要があります。

保険料納付猶予制度を受けられるのは前年所得が一定額以下で、年齢が50歳未満の方に限られます。制度を利用するには、申請書を提出して承認される必要があります。

先ほど、保険料免除制度の場合は、免除されている期間も一部国民年金額の計算に反映されるとお伝えしました。一方、保険料納付猶予制度の場合、猶予期間は国民年金額の計算に反映されません。つまり、追納しない限り将来の年金額は増えないのです。

「年金が増えないなら申請する意味がない」と思うかもしれません。しかし、保険料納付猶予制度を利用することで、猶予期間が受給資格期間にカウントされるというメリットがあります。

保険料納付猶予制度の手続きをしないまま未納が続くと、受給資格期間が10年に届かず、将来年金を受け取る資格がなくなってしまう可能性があります。「申請しても意味がない」と思わず、必ず納付猶予の手続きを行ってください。

年金制度を正しく知って将来に備えよう

公的年金はいつまで払う必要があり、老後いくらもらえるのか、基本的な内容を解説してきました。

国民年金と厚生年金で仕組みが異なり、ルールに例外もあるため、ややこしいと思う方も多いかもしれません。自分の将来にかかわる大切なことですから、少しずつでも正しく理解し、老後の備えについて考えていきましょう。

木下七夏 Webライター

大学卒業後金融機関に勤め、個人のお客さま向けの営業を担当。退職後にFP2級を取得し、フリーライターに。FPで学んだ知識や金融機関勤めの経験を生かして、生活にまつわるお金の疑問を分かりやすく噛み砕いて解説する記事を作成している。

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