26/02/09
【2026年4月から変更】「130万円の壁」の新ルール 扶養判定の流れは?

パートやアルバイトで働く人を悩ませる「130万円の壁」。扶養を外れる不安から、働きたい気持ちがあっても就業調整をしてきた方も多いのではないでしょうか。
2026年4月から社会保険の扶養認定ルールが見直され、年収130万円を超えても扶養に入れるケースが生まれます。本記事では、新ルールの仕組みと、どのような人が対象になるのかをわかりやすく解説します。
2026年4月から何が変わる?「130万円の壁」の新ルール
社会保険の扶養に入れる年収の基準は、原則として130万円未満です。これまでは残業代なども含め実際の収入実績をもとに130万円を超えるかどうか判断されていました。「働いてみないと扶養に入れるか分からない」という不安があったため、多忙な時期に就業調整をする人も多く、企業側にとっても人手不足の一因となっていたのです。
こうした課題を背景に、2026年4月からは社会保険の扶養認定ルールが見直されます。新ルールでは、労働契約書や労働条件通知書に記載された年間収入見込みが重視されるようになります。今後は、契約上の年間収入が130万円未満であれば、原則として社会保険の扶養に入れるという考え方に変わります。
新ルールでは「実績」ではなく「契約」で判断
新ルールの判断基準となるのは、労働契約で定められた年間収入です。労働契約書や労働条件通知書に記載された賃金をもとに算出した年間収入が130万円未満であれば、原則として被扶養者となれます。
残業代(時間外手当)については、労働契約で明示されていない限り、年間収入に含めなくてかまいません。想定外の残業によって一時的に収入が増え、結果として年収が130万円を超えた場合でも、その超過が社会通念上妥当な範囲であれば、扶養の取り扱いは変わらないとされています。ただし、労働契約上の年間収入を不当に低くして残業代などの臨時収入を多くした場合などは「社会通念上妥当な範囲」とならず、扶養にも入れなくなる点には注意が必要です。
なお、新ルールで計算に含めなくてよいのは残業代のみです。通勤手当は所得税の計算では一定額まで非課税ですが、社会保険の扶養判定では年収に含まれます。通勤手当を含めて年収130万円を超える場合には、扶養から外れる点は変わらないため注意が必要です。
扶養の判定の流れ
社会保険の扶養に入れるかどうかは、次の順番で確認していきましょう。
(1) 年間収入の要件を満たしているか確認
まず、年間収入が基準額未満かどうかを確認します。原則は年収130万円未満です。
ただし、
・60歳以上または一定の障害がある人:180万円未満
・19歳以上23歳未満(配偶者を除く):150万円未満
と、年齢や状況によって基準額が異なります。
年間収入は、労働契約書や労働条件通知書に記載された賃金で判断します。あらかじめ残業を行うことが明示されていない限り、残業代(時間外手当)は含めません。一方、通勤手当は収入に含める必要があります。
(2) 生計維持関係があるかを確認
被扶養者となるには、(1)の年収要件を満たしているだけでなく、扶養者と生計維持関係があることも必要です。この判断は、同居か別居かによって基準が異なります。
・同居している場合:年間収入が扶養者の年間収入の2分の1未満
・別居している場合:年間収入が扶養者からの仕送り額より少ない場合
扶養者と別世帯であっても扶養に入ることは可能ですが、その場合は仕送りを受けていること、かつ自分の収入より仕送り額が多いことが求められます。
このように、扶養判定は単に「年収130万円を超えたかどうか」だけで決まるものではありません。収入の内訳や生活状況も含め、段階的に確認することが重要です。
扶養の新ルールを知って働き方を考えよう
2026年4月からの新ルールにより、想定外の残業などで年収が130万円を超えた場合でも、直ちに社会保険の扶養から外れる心配はなくなります。扶養内で働きたい人にとって、多忙な時期に就業調整をしなくてよくなる点は、大きなメリットと言えるでしょう。
社会保険の扶養判定には年収額以外の要素も関係します。制度を正しく理解したうえで、ライフスタイルに合った働き方を考えていくことが大切です。
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森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー
Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。
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