26/05/22
実家に眠る「郵便貯金」の時効がヤバい。郵便局から届く封書の正体

実家の引き出しやタンスの奥から、昔の郵便貯金の通帳や証書が出てくることがあります。「古いけれど、いつでも引き出せるだろう」と思って放置している人も多いのではないでしょうか。
しかし、郵政民営化前の郵便貯金には権利消滅の制度があり、満期後20年2か月を過ぎると、払い戻しを受けられなくなる可能性があります。今回は、郵便局から届く「権利消滅のご案内(催告書)」の意味や、注意点について解説します。
民営化前の郵便貯金は「満期後20年2か月」で権利消滅
2007年9月30日までに郵便局へ預け入れた定額・定期・積立郵便貯金などは、既にすべて満期を迎えています。これらの郵便貯金は、満期から20年2か月が経過すると、払い戻しを受ける権利が消滅する仕組みになっています。
たとえば、1990年代や2000年代初めに親や祖父母が作った定額郵便貯金を、そのまま忘れているようなケースもあるでしょう。実家の整理や相続の際に初めて存在に気づくこともあります。
通常の銀行預金にも休眠預金制度はありますが、休眠預金になっても預金者の権利自体は失われません。一方、旧郵便貯金は権利が消滅するという点で大きく異なります。「郵便貯金だから安全」「銀行預金と同じ感覚でいつでも引き出せる」と思っていると、気づいたときには払い戻しを受けられなくなっている可能性があります。
届いたら要注意。「権利消滅のご案内(催告書)」とは?
払い戻しをしていない郵便貯金がある場合、満期後20年の時点で、「権利消滅のご案内(催告書)」という通知が送られてきます。これは、「このまま放置すると、あと2か月で払い戻しの権利が消滅します」という最終通知のようなものです。
ゆうちょ銀行の案内でも、「催告書の表面に記載の送付日から2か月以内に払戻しを行わなかった場合、旧郵便貯金法の規定により権利は消滅する」と説明されています。つまり、この通知が届いた時点で、猶予期間は残りわずかしかありません。「後で手続きしよう」と放置しているうちに期限を過ぎると、払い戻しができなくなるおそれがあります。
なお、住所変更をしていないせいで、通知自体が届かないケースも考えられます。放置している郵便貯金がないか改めて確認してみることは重要です。
権利消滅後でも払い戻しできるケースがある
もっとも、権利が消滅したからといって、絶対に払い戻しできないわけではありません。現在は運用基準が見直され、「真にやむを得ない事情」があったと認められる場合には、払い戻しに応じてもらえる可能性があります。
たとえば、次のような場合です。
・郵便貯金の存在自体を知らなかった
・相続人が被相続人名義の貯金を把握していなかった
・住所変更ができず、催告書を受け取れなかった
・病気や介護などで手続きが困難だった
・海外滞在中だった
・災害など特別な事情があった
2024年からの新基準では、事実確認ができる証明書の提出が必要なくなり、原則として請求者の申告内容をもとに判断されるようになっています。これまで払い戻しできなかった郵便貯金についても、救済される可能性が高くなったと言えるでしょう。
また、通帳や証書が見当たらなくても、郵便局やゆうちょ銀行で調査を依頼することも可能です。古い通帳がなくても、まずは相談してみる価値はあります。
実家の古い通帳を今こそ確認しよう
古い郵便貯金は、本人だけでなく家族も存在を忘れていることがあります。特に、親世代は「将来のために」と複数の定額貯金を作っていたケースも珍しくありません。権利消滅が近づいている貯金があれば、催告書が届いている可能性があります。実家の郵便物や通帳類を一度確認してみましょう。
「もう無理だろう」と思っていても、事情によっては払い戻しできる場合があります。気になる郵便貯金があるなら、そのままにせず、早めに郵便局やゆうちょ銀行へ相談することが大切です。
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森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー
Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。
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