26/05/15
パチンコで50万円儲かったら、税金は一体いくらかかるのか

「パチンコで○万円勝った」、そんな話を、耳にしたことはありませんか。
パチンコ店は全国に6464店舗(2025年12月末時点)。数は減ってきているとはいえ、こうした話自体は、特別めずらしいものではありません。
ただ、その勝って得たお金について、税金はどうなっているのかと考える機会は、あまり多くないかもしれません。
実は、パチンコで得たお金も、条件によっては課税の対象になります。
しかも、1回に買った金額だけでなく、1年間の状況や関わり方によって扱いが変わる、少し複雑な仕組みです。
一見すると気軽な話題に見えても、税金やお金の流れという視点で見てみると、意外なポイントがいくつもあります。
今回は、パチンコでまとまった金額を得た場合の税金の考え方を整理しながら、その背景にある仕組みや注意点についても見ていきます。
パチンコの利益は一時所得
お金を儲けたら、基本的に税金がかかります。
所得に対する税金は所得税。所得税は、所得の種類によって計算方法に違いがあります。
所得の種類は以下の10種類です。
●所得の種類
1 利子所得
2 配当所得
3 不動産所得
4 事業所得
5 給与所得
6 退職所得
7 山林所得
8 譲渡所得
9 一時所得
10 雑所得
パチンコで儲けた所得は、一時所得の対象です。
一時所得の金額は、以下の計算式で求めます。
一時所得=(総収入金額-必要経費-特別控除50万円)÷2
必要経費は、収入を得るために必要な支出です。
ただし、パチンコの場合にはいつ勝ち玉が出たのか、どの玉が必要経費なのか確定することは現実的ではないため、必要経費に計上できません。
ですから、「1万円の元手で5万円勝った」といった場合でも、その1万円は必要経費にはできないわけです。
パチンコでの1年間の儲けが50万円だった場合を上の計算式にあてはめると、総収入が50万円なら特別控除を差し引いてゼロ、税金はかかりません。
一時所得=(総収入50万円-特別控除50万円)÷2=0
つまり、勝ちが50万円までで、他に一時所得がなければ税金はかからないということです。
一方、もしも大勝ちして総収入が100万円なら、特別控除の50万円を差し引いてから2で割って、25万円が一時所得として課税の対象になります。
一時所得=(総収入100万円-特別控除50万円)÷2=25万円
25万円を他の所得と合算し、所得税の税率が決まります。
所得税率が5%であれば1万2500円、10%であれば2万5000円、20%なら5万円の所得税がかかります。
また、住民税もかかります。住民税は一律10%ですから、2万5000円の税金です。
1年間で50万円超の儲けがあるなら、一時所得として課税されます。きちんと申告して正しく納税しましょう。
所得の計算は1年ごと
ここで注意したいのが、「1回だけ大きく勝った場合」ではなく「1年間を通した勝ち」で考える必要がある点です。
一時所得は、その年の総収入を合計して計算します。
つまり、1回の大きな勝ちの場合だけではなく、小さい勝ちや中くらいの勝ちが複数回あった場合には合計して一時所得を計算することになります。
そのため、トータルでは負けていても、勝ちだけが課税対象になるということが税務上はありえるわけです。
1年で50万円よりも多くの勝ちがあったら、一時所得として課税対象になるので、感覚としての勝ち負けと、税金上の所得は必ずしも一致しないという点は、知っておきたいポイントです。
継続性があるなら雑所得
パチンコをたまにする程度であれば一時所得ですが、パチンコで生計を立てているような人であれば雑所得になる可能性もあります。
雑所得の金額は、以下の計算式で求めます。
雑所得=総収入-必要経費
一時所得とは違って、雑所得には特別控除がありません。
必要経費の考え方は一時所得と同様ですから、収入がそのまま所得金額になります。
雑所得=50万円
50万円を他の所得と合算し、所得税の税率が決まります。
所得税率が5%であれば2万5000円、10%であれば5万円、20%なら10万円の所得税がかかります。
また、住民税もかかります。住民税は一律10%ですから、5万円の税金です。
利益が現金でもらえるため、税務署などに見つかりにくいと思うかもしれませんが、納税しなければれっきとした脱税です。納税は適切に行いましょう。
さらに、継続的にパチンコで収入を得ようとする場合、現実には別の壁もあります。
そもそも、多くのパチンコ店では、いわゆる「パチプロ」と呼ばれるような、利益を目的とした継続的な遊技を歓迎していないケースが少なくありません。
出玉の管理や店舗運営の観点から、明確に出入りを禁止している店舗もありますし制限されることもあります。
つまり、税制上は継続収入なら雑所得と整理されていても、現実には安定した収入として成立しにくいという側面があります。
「打ち子」という選択の大きなリスク
こうした背景から、「自分ではなく人に打たせる」、あるいは「打ち子として働く」といった話を耳にすることもあります。
打ち子とは、パチンコをする資金を雇い主から受け取って、指定された店でパチンコをして勝ったら雇い主に渡すという形になっていることが多いようです。
報酬は、パチンコで勝ったらその一部、負けたら日当などとされています。
一見すると、自分でリスクを負わずに収入を得られる方法に見えるかもしれません。
しかし実際には、
・報酬の支払いが不透明
・トラブルになっても法的に守られにくい
・違法性が疑われるケースもある
など、いわゆるグレーゾーンに近い働き方であることが多く、注意が必要です。
最近では、こうした募集が高収入アルバイトなどとしてSNSで広がっていることもあり、闇バイトに近いリスクをはらんでいるケースもあると指摘されています。
「座っているだけで日給〇万円」「指定のパチンコ台で打つだけ」などと言った勧誘を目にすることもあるかもしれませんね。
しかし収入を得る手段として考える場合には、その安全性や継続性も含めて、冷静に判断することが大切です。
パチンコで「勝つ」というしくみ
パチンコは、誤解されがちですが、実はギャンブルや賭博ではありません。
パチンコ玉を借りて遊ぶ、遊技です。警察庁の資料にも「遊技場」と記されています。
パチンコで遊ぶときには、まずパチンコ玉を借ります。1玉4円や1円と、パチンコ台によって決まっています。パチンコ台の横にお札を入れる機械があって、お金を入れると、金額分のパチンコ玉を借りられます。
そして、パチンコ台で遊んで玉が増えたら、玉数に応じた景品と交換できます。
景品には、一般景品と特殊景品があります。
一般景品には、タバコやお菓子、カップ麺、日用品などがあります。
特殊景品は、金地金などの貴金属が代表的なもので、景品交換所で現金に換えることができます。
景品交換所はパチンコ店とは別店舗です。ですから、しくみとしては、ゲームセンターなどで取ったぬいぐるみを、リサイクルショップに売って現金にする、という流れと変わらないわけです。3つの店舗が関わることから、「三店方式」と呼ばれています。
「パチンコで〇円勝った」という言葉だけ聞くと、あたかもギャンブルですが、競馬や競輪のような、公営ギャンブルとは異なるということです。
勝つだけでは終わらない?
とはいえ、やはり出玉が出ればお金になるパチンコは、ギャンブル依存症になるリスクがあります。
そして、ギャンブル依存症は、借金と隣り合わせです。
借金は、「収入の範囲で支出をする」という、シンプルな家計管理の大敵。
住宅ローンのように担保もあって、返済計画もしっかり作っている借金であれば別ですが、そうではない借金は、家計を複雑にしてしまいます。
特にギャンブルに依存的になっている人の借金は、家族や友人、知人からも借り、嘘をつき、信用をなくしてしまう借金です。
お金も人間関係も、大切な財産です。
みすみす失ってしまうことのないよう、しっかり守っていきましょう。
「非課税で増やす」という選択肢もある
資金を増やすなら、制度として用意されているより堅実な選択肢もあります。
たとえば、NISA(少額投資非課税制度)では、積立投資専用の「つみたて投資枠」と一括投資もできる「成長投資枠」の2つを利用して投資ができます。得られた運用益(値上がり益・配当金・分配金)が生涯にわたって非課税にできます。もちろん、投資には元本割れのリスクもありますが、長期・積立・分散投資を行うことで、堅実に資産形成をしていきます。
一時的に大きく増える可能性に期待するのか、時間をかけて安定的に増やしていくのか。
お金との付き合い方は、人生も左右します。
自分らしく、納得した付き合い方をしていきたいですね。
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タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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