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26/04/21

相続・税金・年金

知らないと数十万円の損!届け出だけでもらえる「隠れ年金」

“知らないと数十万円の損!届け出だけでもらえる「隠れ年金」

年金は、自動的にもらえるもの。そんなふうに思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし実際には、手続きをしなければ受け取れない年金や、気づかないまま見過ごされているお金もあります。
特別なことをしなくても、確認や届け出だけで受け取れるケースも少なくありません。

今回は、そうした「隠れ年金」ともいえる制度について、見落とされやすいポイントを整理してみます。

申請しないともらえない、加給年金

まず押さえておきたいのが加給年金です。
これは、厚生年金を受け取る人に扶養されている65歳未満の配偶者や、子どもがいる場合、家族手当のように上乗せされる制度です。配偶者の金額は年間42万3700円(特別加算を含む)。子どもは1人目・2人目が各24万3800円、3人目以降は各8万1300円です(いずれも2026年度)。決して少なくない金額です。

加給年金を受取れる条件は、以下のとおりです。
(1)厚生年金に20年以上加入している
(2)厚生年金に加入している人が65歳になったときに、生計を維持している65歳未満の配偶者または18歳到達年度末までの子(障害等級1級・2級の場合は20歳未満の子)がいる

ただし、この加給年金は自動的に必ずつくわけではなく、申請が必要です。
ねんきん定期便(年金定期便)にも掲載されませんので、注意が必要です。

また、加給年金がついていないと、その後に続く振替加算も対象になりません。
振替加算とは、配偶者の加給年金が終了したとき、本人の年金に振り替えて支給されるものです。
加給年金は将来にわたって影響するため、確実に受け取っておきたい隠れ年金です。

見落としがちな、厚生年金基金や企業年金

次に、もともと権利はあっても、忘れられていて申請されていない年金を見ていきましょう。

たとえば、厚生年金基金や企業年金です。いずれも勤め先を通じて加入する年金制度ですが、転職や退職を繰り返していると、過去に加入していた制度を忘れてしまうことがあります。
これらは自分で請求しなければ受け取れず、場合によっては数十万円から100万円以上になることもあります。

また、いわゆる「消えた年金記録」も見逃せません。
結婚による姓の変更や転職などによって年金記録が分断され、本来もらえるはずの年金が反映されていないケースがあります。

ねんきん定期便や記録は、しっかり確認しておくことが大切です。

家族が関係する、見落としやすい遺族年金

さらに、家族に関係する制度もあります。

「死亡一時金」は、国民年金に加入していた人が年金を受け取る前に亡くなった場合に、遺族に支給されるお金です。
条件は、死亡日の前日において、保険料の納付が3年以上ある場合です。
受取れるのは、生計を一にしていた遺族です。
金額は、保険料の納付が420月以上であれば32万円です。

「寡婦年金」は、夫が年金を受け取る前に亡くなった場合に、一定条件のもとで妻に支給される制度で、60歳から65歳になるまでの間が対象です。
条件は、死亡日の前日において、保険料の納付が10年以上ある場合です。
受取れるのは、夫によって生計を維持され、婚姻関係が10年以上(事実婚を含む)の妻です。

いずれも申請しなければ受け取れない制度であり、知らないままだとそのままになってしまいます。

知っている人だけが差をつける、老後資金の考え方

このほかにも、年金は受け取り方によって差が出ることも知っておきましょう。
受給開始を遅らせる繰り下げ受給を選ぶと、年金額を増やすことができます。
繰り下げは、1カ月ごとに0.7%増額し、75歳まで繰り下げると84%増額された年金が一生涯続きます。

また、退職のタイミングによっては、その後の受け取り金額に差が出ます。
65歳を過ぎて退職し、その後に受け取れる高年齢求職者給付金は、最大約36万円の一時金です(雇用保険に1年以上加入していた場合)。

一方、64歳のうちに退職し、その後受け取る失業給付(雇用保険の基本手当)は、受取期間は最長150日間分で、最大約114万円になります(雇用保険に20年以上加入していた場合)。

いつ再就職するかにもよりますが、受取金額が大きく異なることは考慮にいれておきたいですね。
こうした制度は、誰かが教えてくれるとは限りません。
自分で知り、選ぶことではじめて活用できる仕組みです。

「知らないと損」を防ぐために

年金制度は複雑ですが、共通しているのは、申請しなければ受け取れないものがあるという点です。

大きな手続きをしなくても、確認や届け出だけで受け取れるお金があるかもしれません。
一度、自分や家族の状況に当てはまるものがないか、見直してみてはいかがでしょうか。

「隠れ年金」に気づくことが、将来の安心につながる一歩になるかもしれません。

タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)

36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

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