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26/05/25

相続・税金・年金

4月・5月・6月の残業は損? 2026年からの注意点

“4月・5月・6月の残業は損?

4月・5月・6月に残業すると手取りが減るという話を聞いたことはありませんか?手取りを左右するのは天引きされる税金や社会保険料の金額です。ただ、社会保険料の金額は毎月の給与額から計算されているわけではありません。社会保険料は毎年決まった時期になると改定される標準報酬月額により決まります。では社会保険料はどのように決まるのでしょうか?この決まり方を知れば、4月・5月・6月に残業すると手取りが減る理由がわかります。

4月・5月・6月に残業すると手取りが減るのはどうして?

4月・5月・6月に残業すると手取りが減ることをご存じですか?その理由は社会保険料と手取りの決まり方にあります。

●社会保険料と手取りの決まり方

社会保険料は、4月・5月・6月に支払われる給与の平均額をもとに計算される標準報酬月額により決まります。会社員は年1回、標準報酬月額が見直されますが、これを定時決定といいます。定時改定によって、その年の9月から支払う厚生年金保険料や健康保険料、介護保険料(40歳以上)が決まります。
標準報酬月額の見直しで基となるのが、4月・5月・6月に支払われる給与です。この給与は基本給だけでなく、通勤手当や住宅手当、残業手当などの諸手当も含みます。手取りとは額面給与から社会保険料や税金などの控除額を差し引いたものです。そのため、4月・5月・6月に残業して給与が増えると、標準報酬月額が上がって社会保険料が増え、結果として手取りが減ってしまうのです。

社会保険料を支払うメリット

社会保険料が増えると、手取りが減って損をしているように感じるかもしれません。確かに手取りは減りますが、社会保険料が増えることで将来受け取る老齢厚生年金が増えます。なぜなら老齢厚生年金の受給額は支払った厚生年金保険料によって決まるからです。
それに、万が一病気やケガで休業した場合に受け取れる傷病手当金や、出産時に受け取れる出産手当金も標準報酬月額により決まるので受給額が増えます。
残業することで標準報酬月額が上がり社会保険料が増えて手取りは減りますが、その分、将来年金を多く受け取れるメリットがあることを覚えておきましょう。

2026年は手取りが減る?注意すべきポイント

2026年は、4月・5月・6月に残業をしていなくても手取りが減るかもしれません。それには2つの理由があります。
1つは、鉄道会社が実施した春の運賃改定です。運賃が上がれば通勤手当も上がるので、4月以降の給与が増えます。4月・5月・6月の3ヵ月間に支払われる給与は社会保険料の見直しに反映され結果として手取りが減るのです。

もう1つは、2026年4月から始まる「子ども・子育て支援金」の納付です。子ども・子育て支援金制度は、国が実施する子育て支援の「こども未来戦略加速化プラン」によるものです。2026年度から、全世代が医療保険料とあわせて「子ども・子育て支援金」を納めます。つまり、2026年度からは、4月・5月・6月に残業をしていなくても子ども・子育て支援金が差し引かれることで手取りは減ってしまいます。
子ども・子育て支援金の負担額は「標準報酬月額×支援金率」で計算されます。2026年の4月・5月・6月に残業をして標準報酬月額が上がれば、社会保険料や支援金の納付分が増えて、前年よりも手取りが減るかもしれません。
なお、子ども・子育て支援金の負担額は、2027年度・2028年度に段階的に引き上げられる予定です。2029年度以降は健康保険料や介護保険料とは違って「右肩上がりで増え続けることはない」と説明されています。

社会保険料の決まり方とその影響を理解しておこう

社会保険料は、4月・5月・6月に支払われる給与の平均額をもとに計算される標準報酬月額により決まるとお伝えしました。このとき計算のもととなる給与は残業手当などの諸手当を含むため、4月・5月・6月に残業をすると標準報酬月額が上がり、天引きされる社会保険料が増えるので手取りが減ります。ただ、手取りが減っても将来受け取る年金や、万が一のときに受け取れる傷病手当金などは増えます。このように社会保険料の決まり方とその影響を正しく理解しておきましょう。

前佛 朋子 ファイナンシャル・プランナー(CFP®)・1級ファイナンシャル・プランニング技能士

2006年よりライターとして活動。節約関連のメルマガ執筆を担当した際、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。マネー関連記事を執筆するかたわら、不安を安心に変えるサポートを行うため、家計見直し、お金の整理、ライフプラン、遠距離介護などの相談を受けている。

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