26/04/24
熟年離婚はネガティブな選択肢では全くない!メリットと後悔しないために準備すべきお金のこと

長年連れ添った夫婦が別々の道を選ぶ「熟年離婚」。ネガティブな印象を持たれがちですが、実は人生後半をより自分らしく生きるための前向きな選択でもあります。
本記事では、熟年離婚が増えている背景とともに、知っておきたいお金のメリットや、後悔しないための準備についてわかりやすく解説します。
離婚は減っているけれど熟年離婚の割合は増加
近年、離婚は増えているイメージがあるかもしれませんが、離婚件数そのものは減っています。2024年の年間離婚件数は18万5895組で、過去最多であった2002年と比べると約10万件減少しています。
<離婚件数・離婚率の推移>

厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計月報年計(概数)の概況 結果の概要」より
一方で、同居期間別の離婚件数を見ると、同居期間20年以上の夫婦の離婚件数は減っておらず、ピーク時と同水準です。つまり、全体の離婚件数が減る中で、熟年離婚の割合は相対的に増えているといえます。
<同居期間別の離婚件数>

厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計月報年計(概数)の概況 結果の概要」より
熟年離婚が増えている一因には、平均寿命の延びがあると考えられます。2024年時点で、日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性87.13歳、平均初婚年齢は男性31.1歳、女性29.8歳です。結婚後、50年以上を共に過ごすケースは珍しくありません。
長い年月を共に過ごす中では、価値観や考え方に修復が難しいずれが生じることもあります。そして、現代では子育てが終わった後も、まだまだ人生が続きます。残りの人生を配偶者に縛られず自由に生きたいと、前向きに熟年離婚を選ぶ人が増えていると思われます。
若い頃に離婚するよりも熟年離婚した方がメリットになること
離婚には経済的な不安が伴うものですが、熟年離婚の場合、若い頃の離婚と比べてお金の面で有利になることもあります。ここでは、主なメリットとそのために準備しておくべきことをみていきましょう。
●(1) 自宅を自由に処分しやすい
離婚時には、婚姻期間中に築いた財産を財産分与によって分けます。その中でもトラブルになりやすいのが住宅ローン返済中の自宅です。ローンが残っている場合は売却や名義変更に制限が生じますが、熟年離婚では住宅ローンを完済しているケースも多く、自宅の売却や取得などを柔軟に進めやすくなります。
将来、離婚時に自宅を取得したいと考えている場合には、住宅ローンを繰り上げ返済し、できれば完済しておくのがおすすめです。
●(2) 退職金を財産分与の対象にしやすい
退職金は給与の後払い的な性質を持つため、財産分与の対象となります。既に受け取った退職金だけでなく、将来受け取る予定の退職金も対象になる場合があります。若い時期の離婚では将来の見込みが不確定なため対象にしにくいですが、熟年離婚では支給時期や金額の見通しが立ちやすく、財産分与に含めやすい点がメリットです。
なお、退職金の支払いが離婚後になる場合には、確実に受け取れるよう、離婚時に書面で取り決めをしておくことが重要です。公正証書の作成も検討すると安心です。
●(3) 年金分割により老後の見通しが立てやすい
離婚時には年金分割の手続きを行うことで、婚姻期間中の厚生年金記録を分け合うことができます。50歳以上の人は「年金分割のための情報通知書」を取得する際、分割後の年金見込額を確認できるため、老後の生活設計が立てやすくなります。
年金分割には相手の同意が必要な場合がありますが、同意が得られなくても家庭裁判所に調停や審判を申し立てることにより手続きが可能です。2026年4月からは年金分割の請求期限が離婚後2年から5年へと延長されたため、離婚後でもあきらめずに検討する価値があります。
熟年離婚を「人生の再設計」に変えるために
熟年離婚は、これからの人生を自分らしく生きるための前向きな選択です。住宅や退職金、年金などを整理しやすく、将来設計を立てやすい点も大きなメリットといえるでしょう。
ただし、そのためには事前の準備と正しい知識が欠かせません。夫婦の預貯金・有価証券・不動産などの資産がいくらあるのか、全体像を把握しておきましょう。離婚後の生活費や住まいをどうするかも大切な問題ですから、早めにチェックします。そのうえで、今回紹介した自宅の処分・財産分与・年金分割について確認していきます。
焦らず計画的に進めることが、後悔しない離婚につながります。
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森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー
Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。
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