26/03/29
「住民税非課税世帯」がもらえるお金は予想を超えて多い

「住民税非課税世帯」とは、世帯全員の住民税が課税されていない世帯を指します。
住民税非課税世帯に該当すると、住民税の支払いが免除されるだけでなく、国や自治体が実施するさまざまな給付金や優遇制度の対象になります。実際に受け取れる支援は、現金の給付をはじめ、医療費・介護費の自己負担軽減、教育費の無償化など、非常に幅広いです。
こうした制度を正しく理解して活用することは、日々の生活を安定させ、将来への備えを増やすことに直結します。今回は、住民税非課税世帯が受け取れる主な給付金や、2026年度に利用できる支援制度を9つ選んでご紹介します。
住民税非課税世帯がもらえるお金1:児童扶養手当
児童扶養手当は、父母が離婚したり、死亡したり、一定以上の障害を持っていたりする場合に、ひとり親で子どもを育てる家庭に対して支給される手当です。住民税非課税世帯も対象になります。対象になる子どもは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子ども(障害児の場合は20歳未満)。児童扶養手当がもらえるのは、子どもを世話する父母または祖父母等です。
児童扶養手当の支給額は児童の数によって異なり、年に6回(1月、3月、5月、7月、9月、11月)支給されます。
児童扶養手当の支給額(2026年度)は、以下のとおりです。
《子ども1人あたりの月額》
・全部支給:4万8050円
・一部支給:1万1340円~4万8040円
《子ども2人目以降1人についての加算額》
・全部支給:1万1350円
・一部支給:5680円~1万1340円
また、児童扶養手当の支給は、父母または養育者の前年の所得に応じて、手当の全額を支給する「全部支給」と、一部のみを支給する「一部支給」に分けられます。
それぞれの所得限度額は以下のとおりです。
●児童扶養手当の所得制限限度額
・全部支給(扶養する子どもが1人の2人世帯):190万円
・一部支給(扶養する子どもが1人の2人世帯):385万円
たとえば、扶養する子どもが1人である親の前年の所得が190万円より少ない場合は全部支給に該当します。しかし、所得がそれよりも多く385万円以下の場合は、一部支給に該当します。
なお、児童扶養手当を受給するには、自治体の窓口での申請が必要です。請求理由ごとに書類などが異なるので、詳しくは窓口に確認しましょう。
住民税非課税世帯がもらえるお金2:0~2歳児の保育料(無償化)
住民税非課税世帯(年収360万円未満相当世帯も含む)の0歳から2歳までの子どもは、保育所、認定こども園、地域型保育などを利用する際の保育料が無料となっています。
また、認可外保育施設を利用する場合でも、保育の必要性の認定を受ければ、月額上限4万2000円までの利用料が無償化されます。
さらに、住民税非課税世帯を含むすべての世帯の3歳から5歳までの子どもたちは、幼稚園、保育所、認定こども園等の利用が無償化されます。
なお、子どもが2人以上の世帯の負担軽減の観点から、保育所等を利用する最年長の子どもを第1子とカウントして、0歳から2歳までの第2子は半額、第3子以降は無償となります。
また、年収360万円未満相当世帯の子どもたちと全ての世帯の第3子以降の子どもたちについては、施設利用料以外に、副食(おかず・おやつ等)の費用が免除されます。
保育料無償化の申請は、原則、通っている幼稚園、保育所などの施設を経由して、お住まいの市町村から「保育の必要性の認定」を受ける必要があります。
住民税非課税世帯がもらえるお金3:児童手当
児童手当は、子どもを養育している保護者に対して支払われる給付金。対象になるのは、0歳から18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子です。住民税非課税世帯だけではなく、多くの世帯が対象となります。
児童手当の1人あたりの月額は、以下のとおりです。
・3歳未満:1万5000円(第3子以降は3万円)
・3歳以上高校生年代まで:1万円(第3子以降は3万円)
ただし、「第3子以降」のカウントの仕方は「22歳年度末までの第3子以降」をいいます。仮に第1子が成長して22歳年度末を迎えると、今までの第3子は「第2子」になるため、児童手当が月3万円から1万5000円に変更となりますので注意しましょう。
児童手当は、毎年2月、4月、6月、8月、10月、12月(偶数月)に、それぞれの前月分まで(2か月分)を支給します。
住民税非課税世帯がもらえるお金4:就学援助
就学援助とは、生活保護を受けている人、または市町村教育委員会が生活保護法第6条第2項に規定する要保護者に準ずる程度に困窮していると認める人が育てる子ども(小・中学生)の学費等の一部を援助する制度です。住民税非課税世帯も条件を満たせば対象になります。
就学援助の対象になる費用は、学用品費(ノートや鉛筆)、ジャージなどの体操着、運動に必要な道具、ランドセル・通学カバンや上履き、オンライン学習に必要なパソコン、クラブ活動費など多岐にわたります。
就学援助の認定基準や援助費目などは、各市町村で異なっていますので、詳細はお住まいの市町村または学校にお問い合わせください。
住民税非課税世帯がもらえるお金5:高等学校等就学支援金
高等学校等就学支援金は、家庭の経済状況にかかわらず、自らの希望に応じた教育を受けることのできる環境を整備するため国が高校などの授業料を支援してくれる制度です。
2026年からは、親の所得制限がなくなります。支給される年額は、高校が国公立か私立かで支給される上限額が以下のとおり異なります。
・国立高校の支給上限額(年額):11万5200円
・公立高校の支給上限額(年額):11万8800円
・私立高校の支給上限額(年額):45万7200円
・私立高校(通信制)の支給上限額(年額):33万7200円
<高等学校等就学支援金のイメージ(新制度)>

文部科学省の資料より
住民税非課税世帯がもらえるお金6:高等教育の修学支援新制度
「高等教育の修学支援新制度」は、経済的な理由で進学や修学の継続が困難な学生を支援する制度。大学・短期大学、高等専門学校、専門学校の費用を実質無償化します。原則として返還の必要がありません。
高等教育の修学支援新制度には、「給付型奨学金」と「授業料・入学金の減免」があります。給付型奨学金の支給は日本学生支援機構が、授業料・入学金の免除・減額は確認大学等が支援を行います。
住民税非課税世帯であれば、それぞれ満額の支援が受けられます。支給額は以下のとおりです。
<住民税非課税世帯の支給・支援額>

JASSOのリーフレットより
住民税非課税世帯がもらえるお金7:高額療養費制度
高額療養費制度は、医療費の自己負担額が一定の金額を超えたとき、その超えた分が支給される制度です。70歳未満であれば、所得区分が5つに分かれており、それぞれ自己負担額の上限が異なります。また、直近1年間で3回以上(3か月以上)高額療養費の支給を受けている場合、4回目(4か月目)からは「多数回該当」となり、自己負担限度額がさらに減額されます。
<高額療養費制度の自己負担額(70歳未満)>

協会けんぽより
住民税非課税者の場合、1か月の医療費の自己負担限度額は3万5400円になります。さらに、多数回該当になれば、自己負担限度額が2万4600円に下がり負担がもっと減ります。
住民税非課税世帯がもらえるお金8:国民健康保険料・介護保険料の軽減
各自治体では、住民税非課税世帯の国民健康 保険料や介護保険料の減免制度があります。
国民健康保険料や介護保険料を計算するとき、世帯全員の所得の合計が基準額以下の世帯について、医療分・後期高齢者支援金分・介護分保険料の平等割、均等割を7割、5割又は2割軽減します。
たとえば、大阪市の2025(令和7)年度の軽減判定所得については、次のとおりです。
●大阪市の軽減判定所得
・7割軽減:43万円+10万円×(給与所得者等の数-1)
・5割軽減:43万円+30.5万円×被保険者等の数+10万円×(給与所得者等の数-1)
・2割軽減:43万円+56万円×被保険者等の数+10万円×(給与所得者等の数-1)
国民健康保険料などの算定方法は、各自治体の条例(国民健康保険組合の場合は規約)で定められています。軽減割合などを詳しく知りたい方は、お住まいの市区町村の窓口にてご確認ください。
住民税非課税世帯がもらえるお金9:食料品などの価格高騰に対応する給付金
2025年11月に国が閣議決定した「強い経済を実現する総合経済対策」を踏まえた国の重点支援地方交付金を活用し、各自治体で給付金の交付などが行われています。
たとえば、千葉県船橋市では「食料品等価格高騰支援給付金」が支給されます。
対象となる人は、2026(令和8)年1月1日において船橋市に住民登録のある世帯です。食料品等価格高騰支援給付金の支給額は世帯員1人当たり4000円。世帯員全員が2025(令和7)年度の住民税が非課税となるなどの条件を満たす「加算世帯」の場合は追加で1万円が加算されます。住民税非課税世帯で世帯人数が4名の場合は、「4000×4人+1万円=2万6000円」が支給されます。
もらえるお金はモレなく手続きを
住民税非課税世帯への給付金や支援制度は、子育て世帯を対象にしたものが充実しています。申請については、行政から案内のあるものもあれば、自己申告が必要なものもあります。住民税非課税世帯の方はもちろん、そうでない方も条件・対象をよく確認して、もらえるお金はモレなく手続きして、生活を安定させましょう。
気になる方、さらに詳しい情報が必要な方は、自治体の窓口やホームページなどでチェックしましょう。
【関連記事もチェック】
・【知らないと大損】ゆうちょ銀行にしかない6つのメリット
・国民年金と厚生年金の保険料はいつまで払うのが義務?もらえる金額はいくら違うのか
・【絶対確認】ねんきん定期便(年金定期便)を放置した人が辿る悲しい末路
・失業給付「64歳11か月退職」と「65歳退職」、もらえる金額は全然違う
・年金収入のみの場合、所得税・住民税がかからないのはいくらまでか?
舟本美子 ファイナンシャルプランナー
「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」
会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。あなたに合ったお金との付き合い方を伝え、心豊かに暮らすための情報を発信します。3匹の保護猫と暮らしています。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。FP Cafe登録パートナー
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
























