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26/05/09

相続・税金・年金

住民税非課税世帯から外れてしまう意外な条件

“住民税非課税世帯から外れてしまう意外な条件

住民税非課税世帯には、給付金や保険料の軽減など、生活を支えるさまざまな支援があります。ただし、住民税非課税の状態は、申告内容や環境の変化によって、知らないうちに外れてしまうこともあります。
今回は、住民税非課税世帯の基本を整理しながら、見落としやすいポイントについて解説します。

住民税非課税世帯とは?

住民税非課税世帯とは、「世帯全員の住民税が非課税である世帯」を指します。判定は前年の所得をもとに行われ、一定の基準以下であれば該当します。
住民税非課税世帯に該当するための条件は、以下のとおりです(東京23区などの「1級地」の場合)。

・生活保護法による生活扶助を受けている
・障害者、未成年者、寡婦、ひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下

(同一生計配偶者または扶養親族がいる場合)
・前年の合計所得金額:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下

例:夫65歳以上・妻扶養、夫が年金収入のみなら年211万円以下
  夫65歳未満・妻と子ども扶養、夫が給与収入のみなら年205万円以下

(同一生計配偶者または扶養親族がいない場合)
・前年の合計所得金額:45万円以下

例:65歳以上、年金収入のみなら年155万円以下
65歳未満、給与収入のみなら年110万円以下

年収については、あくまで目安であり、年齢や控除内容、地域(級地)によって前後します。詳細は市区町村の窓口やウェブサイトでご確認ください。なお、住民税は「前年の所得」で決まるため、現在の収入がなくても、前年に所得があれば非課税にならない点には注意が必要です。

非課税世帯から外れてしまう「意外な条件」

住民税非課税世帯でなくなってしまう理由には、副業や転職での収入増や住民税を支払う家族との同居はよく知られていますが、そのほかにも見落とされがちなポイントもあります。

●引っ越しで級地区分が変わった

住民税の非課税基準は、全国一律ではありません。住んでいる地域の物価などに応じて「1級地〜3級地」に分けられています。
例えば、「東京23区(1級地)」では非課税だった収入でも、地方の「3級地」へ引っ越すと、住民税非課税の基準額が下がります。そのため同じ収入でも課税対象になることがあります。

●年金が増えた(繰り下げた)

年金の受取時期を遅らせて増額させる「繰り下げ受給」をすると、将来受け取る年金額がアップします。しかし、年金の受取額が増えたことで住民税非課税となるラインを超えてしまい、結果として介護保険料の負担増となるケースもあります。

●株の利益を「確定申告」した

特定口座(源泉徴収あり)であれば申告不要ですが、損失があり損益通算などのために確定申告をすると、利益が合計所得に含まれます。これにより、住民税の非課税ラインをオーバーしてしまうケースがあります。

住民税非課税世帯になるメリット

住民税非課税世帯に該当すると、住民税がかからないだけでなく、以下のようなさまざまな優遇を受けられます。

●低所得世帯向け給付金の支給対象になる

物価高対策などの給付金は、住民税非課税世帯が対象となるケースが多くあります。

●国民健康保険料の減免

国民健康保険には、世帯所得が一定以下の世帯や、自己都合以外の失業・災害に遭った場合などに、保険料を軽減・減免する制度が設けられています。そのため、世帯の所得状況に応じて、2割・5割・7割の軽減措置が受けられます。

●介護保険料の軽減

低所得などの理由で介護保険料の納付が難しい場合、所得区分に応じて保険料が段階的に軽くなる仕組みがあります。

●医療費の負担軽減(高額療養費制度)

1か月の医療費が自己負担限度額を超えた場合、その超過分が後日還付される制度です。住民税非課税世帯(70歳未満)の場合、この上限額が通常よりも低い3万5400円に設定されています。

●自治体独自のサービス・利用料の優遇

自治体によっては、さらに独自の支援を用意している場合があります。
・生活支援: 指定ゴミ袋の無料配布や、水道基本料金の免除など
・外出支援: 高齢者向けの公共交通乗車証(敬老パス)の発行手数料の減免など
・その他:障がい者手帳をお持ちの方がいる住民税非課税世帯などは、NHK受信料の全額免除を受けられる

具体的な基準は自治体によって異なるため、お住まいの地域の窓口(介護保険課など)で確認しましょう。

制度の仕組みを知って、賢く家計を守る

住民税非課税世帯の判定は、「前年の所得」や自治体ごとの「級地」によって決まります。
「引っ越したら急に保険料が上がった」「株の申告をしたら給付金がもらえなくなった」といった事態を避けるためには、自分の所得の内訳や地域の基準を確認し、制度の仕組みを理解しておきましょう。

舟本美子 ファイナンシャルプランナー

「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」
会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。あなたに合ったお金との付き合い方を伝え、心豊かに暮らすための情報を発信します。3匹の保護猫と暮らしています。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。FP Cafe登録パートナー

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