21/12/03
クレジットカードを解約せずに放置して起こる5つのデメリット
みなさんは、クレジットカードを解約したことがありますか? クレジットカードを作ったことはあっても、解約したことがある方は少数派かもしれません。でも、使っていないクレジットカードをそのまま放置しておくのは危険! 今回は、クレジットカードの解約方法と、クレジットカードを解約しないと生じるデメリット・注意点をご紹介します。
クレジットカードの解約は電話・ネットで簡単
クレジットカードを解約しようとすると、なんだか面倒な手続きがたくさんあるのでは、と思われる方もいるでしょう。でも、実はそんなことはありません。クレジットカードの解約は、電話やネットで簡単に手続きできます。
電話で手続きする場合は、カード会社の問い合わせ窓口に電話をかけて、解約したいと伝えるだけ。解約の理由を聞かれる場合がありますが、「使わなくなった」などと正直に話せばいいでしょう。「理由によっては解約できない」といったこともありません。自動音声案内の場合は、指示に従ってカード番号などを入力します。
また、ネットで手続きする場合は、クレジットカードの会員サイトにログインし、解約の手続きを行います。「見逃している特典はありませんか?」などと、カードの解約を思いとどまらせるようなページが表示されることもありますが、不要なクレジットカードなら、気にせず解約すればいいでしょう。
解約後のクレジットカードの券面は、不正利用防止のため、ハサミやカッターなどでしっかりと切って捨てましょう。特に磁気ストライプやICチップの部分を細かく切断します。捨てるとき、複数のゴミ袋に分けて捨てるようにすれば、復元も難しくなるのでおすすめです。
クレジットカード放置の5つのデメリット
クレジットカードの解約の手続きは、5分もあれば終わります。でも、やったことがない方も多いでしょう。まだ使うことができるクレジットカードを持っているものの、なんとなく放置している…という場合は要注意。クレジットカードを放置すると、次のようなデメリットが生じる恐れがあります。
●クレジットカード放置のデメリット1:年会費がかかる場合がある
クレジットカードの年会費、把握していますか? 「永年無料」のクレジットカードであれば、保有していても年会費はかかりません。しかし、年会費のかかるクレジットカードを使わないのに放置していると、年会費がもったいないですね。
特に注意したいのは、条件付きで年会費が無料になっているクレジットカード。たとえば、初年度のみ年会費無料のクレジットカードを持っていると、2年目以降は手数料がかかってしまいます。それを忘れてクレジットカードを放置すると、使っていないクレジットカードの年会費をわざわざ支払う無駄が生じてしまいます。
●クレジットカード放置のデメリット2:新しいクレジットカードを作りにくくなる
クレジットカードの契約者が借りられる限度額のことを与信枠といいます。無理なく借りて返せる金額といってもいいでしょう。与信枠は、クレジットカードごとに設定されています。
クレジットカードの枚数が多くなってしまうと、この与信枠の合計(総与信枠)が大きくなってしまいます。すると、たくさんお金を使ってしまって返済できない…という事態に陥る可能性もあるでしょう。そのため、総与信枠が大きい場合には新規のクレジットカードの発行を拒否される場合がある、というわけです。
●クレジットカード放置のデメリット3:住宅ローンの審査が通りにくくなる場合も
クレジットカードの利用残高が多い場合、住宅ローンなどの審査に影響が出る場合があります。キャッシング枠がある場合、借入がない状態でも借入とみなされることがあります。そうなると、新たな借金となる住宅ローンの審査に通りにくくなったり、融資額が少なくなったりする恐れがあります。
●クレジットカード放置のデメリット4:クレジットカードの管理が大変に
クレジットカードがたくさんあっても、管理が大変です。本来、使わないならば解約すればいいのですが、解約しないのであればきちんと保管しておかなければいけません。また、いつか使うとしても暗証番号や引き落とし先の銀行口座、引き落とし日などを把握しておく必要があります。さらに、ポイントが貯まるクレジットカードの場合、使うクレジットカードが多いほど、ポイントが分散してしまうので、使いにくくなってしまいます。
●クレジットカード放置のデメリット5:クレジットカードが不正利用されるリスクがある
たとえば、クレジットカードを放置してなくしてしまったり、家に空き巣が入って盗まれたりした場合、クレジットカードが不正利用されるリスクが高まります。
一般社団法人日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の発生状況」(2021年9月)によると、2020年のクレジットカード不正利用被害額は253億円。2021年は6月までで155.6億円ですから、被害は増加傾向にあります。
被害の9割以上は「番号盗用被害」といって、クレジットカードの番号だけで決済される不正。つまり、悪意のある人がクレジットカードの番号を見るだけで、不正利用されてしまう恐れがあるのです。
クレジットカードは2枚に絞ろう!
クレジットカード放置のデメリットを避けるためにも、クレジットカードは2枚に絞るのがおすすめです。
1枚は、普段使いのクレジットカード。支払いをできるだけ1枚に集中させることで、ポイントを効率よく貯めたり、特典を受けたりすることができます。
もう1枚は、VisaやMasterCardなどの国際ブランドの、世界中で使えるクレジットカード。コロナが落ち着いたら、海外に出かける機会も増える方もいるはず。そんなときに1枚持っていると安心です。
なお、支払いの残っているクレジットカードを解約する場合、残りの支払いを一括で請求されることがあります。また、貯まっているポイントが失効したり、クレジットカードのサービスが使えなくなったりすることもあります。これらの扱いはカード会社によって異なりますので、心配な点があるならば事前に確認しておきましょう。
まとめ
使わないクレジットカードをわざわざ持っていても、メリットは何一つありません。クレジットカードを2枚に絞ることで、余計な年会費もかからなくなりますし、ポイントも集中して貯められます。クレジットカードの管理や不正利用に悩む必要もありません。
クレジットカードの解約は電話・ネットで簡単にできますので、さっと解約してしまうのがおすすめです。
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高山 一恵 ファイナンシャルプランナー
(株)Money&You取締役。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。女性向けWebメディア『FP Cafe』『Mocha(モカ)』や登録者1万9000人超のYouTubeチャンネル『Money&YouTV』を運営すると同時に、全国で講演活動、執筆活動、相談業務を行ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『マンガと図解 定年前後のお金の教科書』(宝島社)、『11歳から親子で考えるお金の教科書』(日経BP)など書籍100冊、累計170万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。X(旧Twitter)→@takayamakazue
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