24/06/09
クレジットカードを使ったことがないと、住宅ローン借りられないのは本当か
あなたは買い物を現金でしますか?それともキャッシュレス決済でしますか?現金主義のほうが堅実なイメージがあるという人もいれば、クレジットカードなどのほうがポイントや割引が受けられていいという方もいるでしょう。考え方は人それぞれです。
ただ、住宅ローンを借りることを考えると、実はクレジットカードを使ったことがない現金主義の方は不利になるかもしれません。どういうことか、紹介します。
クレジットカードを使ったことがない「スーパーホワイト」は不利?
住宅ローンの審査に通らない原因の一つに「スーパーホワイト」と呼ばれる状況があります。スーパーホワイトとは、今までクレジットカードを一度も使ったことがない人のことを指す言葉です。
クレジットカードが持てるのは18歳以上ですから、誰でも最初はスーパーホワイトですが、おおよそ20代までであればスーパーホワイトとはなりません。一般に、30代以上でクレジットカードを使ったことがない人がスーパーホワイトに当てはまります。
クレジットカードを使わない。そんなスーパーホワイトの人が、なぜ住宅ローンの審査に通らないのでしょうか。その理由には、以下の2つがあります。
●スーパーホワイトの人が住宅ローンの審査に通らない理由1:信用情報がないから
スーパーホワイトの人は、クレジットカードやローンの利用履歴が全くなく、信用情報が存在しません。信用情報とは、クレジットカードの支払い状況やローンの返済履歴などを信用情報機関が記録したもので、金融機関が審査を行う際に重要な参考資料となります。
この情報がないと、金融機関はその人の信用力を判断する材料がないため、審査に通りづらくなります。
●スーパーホワイトの人が住宅ローンの審査に通らない理由2:過去お金のトラブルがあったであろう人との区別が難しいから
信用情報が存在しない人には、スーパーホワイトの人以外に、過去にクレジットカードやローンを利用していた人もいます。この中には、過去にお金のトラブルを起こしたことが原因という人がいるかもしれません。
クレジットカードの信用情報には、大きく分けて
・クレジットやローンの申し込みの際に登録される「申込情報」
・契約や支払い状況などの情報が登録される「クレジット情報」
・クレジットカード会社が情報を利用したときに登録される「利用記録」
の3つがあります。
このうち、申込情報と利用記録は6か月、クレジット情報は5年間保存されるようになっています。
たとえば、クレジットカードの代金を支払えなかった場合、「支払いができなかった」という情報が「クレジット情報」に5年間保存されます。この間はクレジットカードが使えなくなったり、新規のクレジットカードが作れなかったりするでしょう。しかし、5年が経過するとクレジット情報は抹消され、利用履歴がなくなります。
ただ、信用情報に利用履歴がない場合、その人がスーパーホワイトなのか、お金のトラブルを過去に起こしたことでカードが持てない・ローンが組めない人なのか区別ができません。そのため、金融機関は、スーパーホワイトの人も過去お金のトラブルがあった人と同じくリスクが高いと見なしてしまう場合があるのです。
住宅ローン以外の審査の他にも影響が
スーパーホワイトの人は、住宅ローンの審査に通らないことがあるとお伝えしましたが、その他にも影響を及ぼす場面があるかもしれません。
●クレジットカードを持つことができない
スーパーホワイトの人が初めてクレジットカードを申し込んだとしても審査に通らないことがあります。これは、住宅ローンの場合と同じく、金融機関が信用情報に利用履歴がないことで信用力を判断することができないからです。
●住宅ローン以外のローンの審査も通らない
ローンには、住宅ローン以外に、自動車ローン、教育ローンなどもあります。これらのローンでは、大きな金額を借りることができますが、その審査でも、スーパーホワイトの人は不利となる場合があります。金融機関は借り手の返済能力を信用情報にて判断しますが、その情報がないことが、評価を難しくします。結果、審査に通らない可能性が高まります。
スーパーホワイトの人が状況を改善するための取り組みとは?
ここまで紹介したとおり、スーパーホワイトの人は信用情報がないから住宅ローンやクレジットカードで不利になるおそれがあります。しかし、住宅ローンはもちろんクレジットカードも作れないとなると、いつまでも信用情報ができなくなってしまいます。
これを改善するには、比較的審査が通りやすいクレジットカードを作り、信用情報を作るのが一案です。審査のないクレジットカードはありませんし、審査の詳細が公表されているわけではないので一概には言い切れないのですが、一般にスーパーやコンビニ系の会社が発行する「流通系クレジットカード」は銀行などが発行するクレジットカードよりも審査が通りやすい場合があります。まずは、審査が通りやすいクレジットカードを1枚作り、信用情報を積み上げましょう。
また、携帯料金やパソコンなどの代金を分割払いすることでも、信用情報を作ることができます。
クレジットカードを活用してスーパーホワイトから抜け出そう
これまで現金主義を貫いてきたという人は、お金の管理が得意な人ともいえます。一方、キャッシュレス決済でのポイ活が当たり前なご時世では、その恩恵をもらわず現金主義のままでいることはとてももったいないといえるでしょう。
クレジットカードで支払いができるものは、水道光熱費、通信費など多くのものがあります。適度に利用して、スーパーホワイトの状態から抜け出しましょう。そうすることで、「スーパーホワイトだから住宅ローンが借りられなかった」という事態は回避できるでしょう。
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舟本美子 ファイナンシャルプランナー
「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」
会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。あなたに合ったお金との付き合い方を伝え、心豊かに暮らすための情報を発信します。3匹の保護猫と暮らしています。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。FP Cafe登録パートナー
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