22/11/08
前払いしないともったいない、断然お得な支払い4選
2022年、身近な食品の「値上げラッシュ」が相次いでいます。この1年間の値上げで、家計費の負担が年間6~7万円増えることになるそうです。日々、家計の節約を心掛けて、何とかムダな支払いを抑える方法はないか頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。そんな方におすすめなのは、決まって支払う支払いを「前払い」にすること。前払いすることで、割引が受けられるものが少なくないからです。今回は、前払いが断然お得な支払い4選を紹介します。
前払いがお得な支払い1:NHK受信料
NHK受信料は、地上契約の受信料と衛星契約の受信料の2つがあります。
地上契約とは、地上系によるテレビジョン放送(「総合テレビ/Eテレ」の2つの番組)のみの受信契約をいいます。一方、衛星契約とは、「BS1/BSプレミアム」などのBSチャンネルと地上系によるテレビジョン放送の両方を受信契約することをいいます。
NHKの受信料は、地上契約・衛星契約のどちらかを「2か月払い」「6か月前払い」「12か月前払い」のどれかで支払います。また、支払い方法は口座振替・クレジットカード等継続払のほうが少し安くなっています。
●NHK受信料
NHK「NHK受信料の窓口-受信料のご案内・受信料のお手続き」より
たとえば、衛星契約の受信料を口座振替またはクレジットカード等で1年間支払った場合であれば、次のようになります。
【2か月払い】 4,340円×6回=2万6040円
【6か月前払い】1万2430円×2回=2万4860円 2か月払いに比べ、約5%割引となり、1,180円お得です。
【12か月前払い】2万4185円 2か月払いに比べ、約7%割引となり、1,855円お得です。
NHKの受信料は、2か月ごとに支払うより、前払いする方が断然、お得といえます。
前払いがお得な支払い2:国民年金保険料
フリーランスや学生などは、国民年金の第1号被保険者となります。2022年度(令和4年度)は毎月1万6590円、2023年度(令和5年度)は毎月1万6520円の国民年金保険料を支払います。
国民年金保険料も、前払い(前納)をすれば安くなります。
国民年金保険料の前納には「6か月前納」「1年前納」「2年前納」の3つがありますが、最もお得なのは、2年分の前払いです。口座振替で支払った場合、次の通りです。
【6か月前納】9万8410円となり、1,130円(約2%)お得です。
【1年前納】19万4910円となり、4,170円(約2%)お得です。
【2年前納】38万1530円となり、1万5790円(約4%)お得です。
実際、38万1530円ともなると、まとまった金額なので「多いな…」と感じてしまうかもしれません。しかし、前もって納める資金を計画的に貯めておけば、可能な金額なのではないでしょうか。
国民年金保険料の前納は、現金での納付・クレジットカードでの納付も可能です。しかし、その際は口座振替よりも割引額は少なめです。
【6か月前納】9万8730円となり、810円(約1%)お得です。
【1年前納】19万5550円となり、3,530円(約2%)お得です。
【2年前納】38万2780円となり、1万4540円(約4%)お得です。
ただ、クレジットカードの場合、ポイントがつきます。還元率を含めて考え、お得な方を選ぶとよいでしょう。
前払いがお得な支払い3:自動車保険
自動車をお持ちであれば、自動車保険に加入しています。自動車保険の支払いには、月払いと年払いの2つの方法があります。実際の見積もりで金額を比較すると、次のとおりになります。
●自動車保険の加入条件と保険料の例
プラン:損保ジャパン THEクルマの保険
等級:20等級
車名:トヨタ ヤリス
使用目的:日常・レジャー
年齢条件:35歳以上
運転者限定:なし
【月払い】5,980円
【年払い】6万8550円 月払い5,980円×12か月=7万1760円と比べると、3,210円(約5%)お得になります。どこの損害保険会社でも、年払いの方が5%ほど割安に加入できます。
前払いがお得な支払い4:火災保険・地震保険
最近は、大きな台風、地震などによる被害が増えているため、万が一の時に備えて火災保険に入っておくことが大切です。火災保険は、火災での損害の他に、特約をつければ、洪水や台風などによる被害を補償することができます。また、地震保険も火災保険にセットすることで加入できます。火災保険の支払い方法には、年払い、長期一括払い(5年)があります。実際の保険料を見積りしてみると、次のとおりになります。
●火災保険の加入条件と保険料の例
プラン:損保ジャパン THEすまいの保険
地震保険:なし
水災補償:あり
建物:新築戸建て住宅
所在地:東京都
建物構造:木造(省令準耐火など:T構造)
建物保険金額:2,500万円
家財保険金額:1,000万円
【年払い】4万8550円
【5年一括払い】21万8330円 年払い4万8550円×5年=24万2750円と比べると、2万4420円(約11%)お得になります。
火災保険を長期一括払いにするメリットは、長期割引が適用されることです。また、もし契約期間中に保険料が値上がりした場合でも、影響を受けません。今後、火災保険の更新があるときは、1年更新と5年更新の2つを見積り、検討してみてはいかがでしょう。
まとめ
まとめて前払いできれば、月払いよりも安く、支払いが少なくすみます。家計の状況を年間で把握し、計画的に資金を回しましょう。細かいお金も逃さず節約すると、年間では大きな効果が得られることでしょう。
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舟本美子 ファイナンシャルプランナー
「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」
会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。あなたに合ったお金との付き合い方を伝え、心豊かに暮らすための情報を発信します。3匹の保護猫と暮らしています。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。FP Cafe登録パートナー
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