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23/05/15

家計・ライフ

50歳代「貯蓄2000万円」はどのくらいいる?定年後に向けて取り組むべきこと

50代「貯蓄2000万円」はどのくらいいる?定年後に向けて取り組むべきこと

「老後2000万円問題」が話題になってから、老後資金といえば「2000万円」がひとつの目安として語られることが多くなりました。実際、老後に備えて2000万円を貯めたいと考える人も多いはずです。では、年金をもらい始めるまでに、2000万円を貯めている人はどのくらいいるのでしょうか。今回は、「家計の金融行動に関する世論調査」をもとに、2000万円以上貯めている世帯の割合を年代別に紹介していきます。

2000万円を貯めている世帯の割合は?

2022年の「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)」によれば、金融資産を2000万円以上保有している世帯は全体の18.7%でした。世帯主の年代別に、貯蓄額の分布と、2000万円以上貯めている世帯の割合をみると、次のようになっています。

●年代別の貯蓄額の分布と2000万円以上保有している世帯の割合

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)(令和4年)」より筆者作成

棒グラフの分布図を見ると、金融資産非保有の世帯が多く目立ちます。一方で、2000万円以上貯めている世帯もあります。
貯蓄額2000万円以上の世帯は、「2000〜3000万円未満」「3000万円以上」の合計です。20歳代で2000万円以上貯めている世帯はわずか1.2%ですが、年代が上がるにつれて徐々にその割合が増え、50歳代では18.0%となっています。

さらに、全体の数値をすべて足して総数で割った「平均値」は50歳代で1253万円だと聞くと、多いと感じられるかもしれません。しかし、全体の真ん中となる「中央値」は350万円ですから、2000万円を貯められている世帯はそれほど多くないことが分かります。

お金を貯めるために取り組むべきことは?

50代までに2000万円を貯めている人は多くはないとは言っても、貯められている人がいることも事実です。貯蓄額が2000万円に満たない世帯や貯蓄がゼロという世帯の人がお金を貯めるために取り組むべきことを3つお伝えします。

●お金を貯めるために取り組むべきこと1:毎月の収支を把握する

まずやるべきことは、毎月の収支を把握することです。収入に対してどのくらいのお金を使っているのかが分かれば、貯めるための対策を立てやすくなります。

家計簿をつけてみると、項目別に使った金額を確認できるのでおすすめです。最近では、クレジットカードや銀行口座の情報を登録すると、簡単に家計簿がつけられるアプリやソフトがあります。日々の買い物の支出もレシートを撮影するだけで記録可能。仕事や育児などでなかなか時間が取れないという人でも手軽に取り組めます。

●貯めるために取り組むべきこと2:支出の見直しをする

収支の把握ができたら、次に支出の見直しをします。必要ないものを買わないことに加えて、毎月かかっている固定費で減らせる項目がないか検討してみましょう。代表的なものとして、以下の項目が挙げられます。

【見直しを行う固定費の例】
・住居費
・保険料
・光熱費
・通信費

住宅ローンの借り換えや保険の見直し、電力会社やスマートフォンを契約している会社の変更などで支出が減らせれば、家計に余裕が生まれます。支出が減った分、貯蓄に回すお金を増やすこともできるはずです。支出の見直しをする際は、変更後のシミュレーションなどをしっかり確認することをおすすめします。

●貯めるために取り組むべきこと3:計画的に貯蓄する

支出を見直した後は、毎月の金額を決めて計画的に貯蓄することをおすすめします。使わなかった分を貯めようと思ってはいるけれど、なかなか貯められないという人も少なくないのではないでしょうか。

貯蓄をするときのポイントは、先取りで貯めていくことです。給料日などの毎月の収入がある日に合わせて、銀行口座から自動的に引き落として貯められる仕組みを作っておくと、手間をかけずに貯めることができます。
普通預金から定期預金に移して貯めていくのはもちろん、老後資金などで長い時間をかけて貯められる場合は、つみたてNISAやiDeCoのように資産を増やせる期待がもてる商品で運用していくことも選択肢の一つでしょう。

SBI証券[旧イー・トレード証券]

まとめ

今回は、貯蓄額が2000万円以上ある世帯の割合を年代別に紹介しました。年代が上がるにつれてその割合は増えていきますが、どの年代でも2000万円貯められている世帯はそれほど多くはありません。

貯蓄をするためには、毎月の収支に余力を出す必要があります。まずは家計の収支の把握や支出の見直しを行い、不要な支出を減らしていくことが大切です。

安定した収入があるうちから貯蓄をしていけば、計画的に貯められるだけでなく、選ぶ商品によっては増やせる期待ももてます。定年後に安心して生活するためにも、今から貯蓄を始めてみてはいかがでしょうか。

たにぐち まりえ 1級ファイナンシャル・プランニング技能士

新卒で大手銀行に入社し、個人営業に13年間従事。資産運用や相続対策、アパートローンなど、幅広い業務を経験。プライベートでは1児の母。出産を機にキャリアと育児の両立に悩み、自分らしく生きるためにコーチングを学ぶ。現在は金融系記事の執筆や、FP×コーチングで女性の人生を豊かにするための活動を行っている。

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