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23/04/15

相続・税金・年金

年金を「月22万円」もらえる人の現役時代の年収はいくら?

年金を月額「22万円」もらえる人の現役時代の年収はいくら?

「将来の年金額、いくらになるのだろう」と、年金額に不安を抱く人はたくさんいます。日本年金機構の発表によると、「標準的な年金額」は約22万円だというのですが、そもそもこの標準的な年金額とは、どんな金額なのでしょうか。また、標準的な年金額をもらえる人の年収はいくらなのでしょうか。自分の年金額を確認する方法、年金を増やす3つの方法と合わせて、ご紹介します。

「標準的な年金額」はどんな金額?

2023年度(令和5年度)の年金額は2022年度より2.2%の引き上げ(67歳以下の方・1956年4月2日以後生まれ)、1.9%の引き上げ(68歳以上の方・1956年4月1日以前生まれ)になります。2021年度は-0.1%、2022年度は−0.4%と、2年連続で引き下げられていましたので、2023年度は3年ぶりに上昇となりました。ただ、実は物価が2.5%上がっているので、年金としては「目減り」しています。

日本年金機構のウェブサイトには、2023年度の国民年金の満額と、厚生年金の金額(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)が記載されています。

●2023年度の年金額

日本年金機構のウェブサイトより

2023年度の国民年金の月額(満額・67歳未満)は6万6250円です。この満額は、国民年金保険料を40年間(480か月)納めた場合にもらえる金額です。なお、2023年度は68歳以上と67歳未満で満額が異なり、68歳以上の満額は月額6万6050円となっています。

一方、厚生年金の月額は22万4482円となっています。厚生年金の金額は、加入期間の平均年収が高いほど、加入期間が長いほど多くなります。下の注意書きには、「※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。」とあります。

つまり、簡単にいうと、この「22万4482円」という金額は、
・夫の厚生年金の月額(40年間会社員・ボーナスを含む収入が月43.9万円)
・夫の国民年金の月額(満額)
・妻の国民年金の月額(満額)
の合計なのです。

国民年金の満額は6万6250円ですから、22万4482円の年金額は、
・夫の厚生年金:9万1982円
・夫の国民年金:6万6250円
・妻の国民年金:6万6250円
となります。

またここから、夫が9万1982円の「標準的な厚生年金」をもらうためには、40年間の平均年収(ボーナス含む)が43.9万円×12=526.8万円必要だとわかります。

日本人の平均年収は443万円(国税庁「民間給与実態統計調査」令和3年分)。526.8万円とは80万円以上の開きがあります。しかも、20代・30代など、給与がまだ少ないときも含めた平均年収を高めるには、40代・50代では600万円、700万円などと、より多く稼ぐ必要があるのです。標準的な年金額を達成するのは、意外と大変だと思われるかもしれません。

自分の年金額を確認しよう

しかし、「標準的な年金額に届かない」と残念がる必要はありません。標準的な年金額はあくまでひとつの目安です。特に今は専業主婦世帯より共働き世帯のほうがずっと多い時代です。夫婦ともに厚生年金をもらえるならば、夫婦合計で年金額が22万円以上になるケースも多いでしょう。

ですから、まずは自分の年金額を確認しましょう。
50歳以上の方であれば、毎年誕生日ごろに届く「ねんきん定期便」に、今のまま60歳まで加入した場合に65歳からもらえる年金見込額が記載されます。給与が少なくなったり、仕事を辞めたりしなければ、おおよそこの年金額がもらえます。

一方、50歳未満の方のねんきん定期便には、現時点で年金をもらった場合の金額しか記載されていないので、自分の年金額がわかりません。特に20代・30代など、加入期間が短い場合は金額が少なくて驚くかもしれません。

そこで活用したいのが「ねんきんネット」です。ねんきんネットでは、これからの働き方や収入を元に年金額のシミュレーションができます。「かんたん試算」では現在の加入条件が60歳まで続いた場合の年金見込額がすぐにわかります。また「詳細な条件で検索」では詳しく条件を設定したシミュレーションもできます。誕生日を待たずとも、スマホやパソコンでいつでも確認できるので便利です。

●ねんきんネット

日本年金機構のウェブサイトより

ねんきんネットの利用登録は、マイナンバーカードをお持ちならば、マイナポータル経由で行うのが手軽です。マイナポータルにログインし、「年金記録・見込額を見る(ねんきんネット)」を選択。あとは画面の指示に従って操作するとねんきんネットの情報を確認できます。
マイナンバーカードがない場合は、ねんきん定期便に記載のあるアクセスキーを利用すると、ねんきんネットの利用登録が簡単です。ただし、アクセスキーの有効期限はねんきん定期便到着から3ヶ月ですので、ねんきん定期便が届いたらすぐに手続きしましょう。なお、ねんきん定期便のアクセスキーがない場合でもねんきんネットに登録することはできます。

さらに、ねんきんネットもちょっと面倒という方は、ねんきん定期便に記載されている二次元コードをスマホなどで読み取ると。厚生労働省の「公的年金シミュレーター」が起動。受給予定の年金額がすぐわかるうえ、簡単な操作で老後の年金額をシミュレーションできます。

●公的年金シミュレーター

厚生労働省のウェブサイトより

もちろん、50歳以上の方であってもねんきんネットは役立ちます。この機会に登録しておくことをおすすめします。

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年金・老後資金を増やすためにできる3つのこと

将来にもらえる年金額を見て「これでは足りない」「もっと増やしたい」と思った方は、年金額を増やすことを検討しましょう。ここでは、年金や老後資金を増やすための方法を3つ、ご紹介します。

●年金・老後資金を増やす方法1:長く働く

厚生年金の年金額は、原則として年収が多いほど、加入期間が長いほど増えます。国民年金に加入できるのは原則60歳までですが、厚生年金には70歳まで加入できます。つまり、60歳以降も長く働き続けることで、将来の厚生年金を増やすことができるのです。

今は希望すれば65歳まで働けますし、今後は70歳まで働く環境も整うと考えられます。給与を得ながら厚生年金も増やせるので、お金の不安を減らせます。また、社会とのつながりや仕事のやりがいを得ることで、健康にもいい影響を与えるでしょう。

●年金・老後資金を増やす方法2:年金の繰り下げ受給をする

年金は原則65歳からもらいます。しかし、これを66歳以降に遅らせる「繰り下げ受給」をすることもできます。繰り下げ受給では、1か月遅らせるごとに年金額が0.7%ずつ増え、最大で75歳まで繰り下げることでもらえる年金額が84%増やせます。

【繰り下げ受給による増減率】

(株)Money&You作成

たとえば、月14万円、年168万円の年金をもらえる方が75歳まで年金を繰り下げ受給すると、もらえる年金額は84%増えて月約25.8万円、年約309.1万円に増加します。

この場合、75歳までは年金がもらえないので、その間の生活費が必要にはなりますが、もらう金額を増やすとても効果的な方法です。あらかじめ「いつまで繰り下げる」と決める必要もないので、できる範囲で繰り下げるのも有効です。
繰り下げ受給は、老齢厚生年金と老齢基礎年金のどちらか、あるいは両方とも繰り下げることができますので、状況に合わせて選択しましょう。

なお、上の表にもあるとおり、年金を60歳から64歳の間でもらう「繰り上げ受給」も選択できます。しかし、繰り上げ受給は繰り下げ受給とは逆に、1か月早めるごとに年金額が0.4%ずつ減っていくため個人的にはおすすめしません。また、繰り上げ受給は、老齢厚生年金と老齢基礎年金は必ずセットで繰り上げする必要があります。

●年金・老後資金を増やす方法3:iDeCoやつみたてNISAを活用する

年金の制度が今後変更になり、将来もらえる金額が減る可能性もあります。それに備えるためには、iDeCoやつみたてNISAが役に立ちます。

iDeCoは自分で出した掛金を自分で運用して60歳以降にもらう制度。掛金を出すとき・運用中・もらうときの3つのタイミングで税金を減らしながら、堅実に老後資金を用意できます。
またつみたてNISAは、年間40万円までの投資で得られた利益が最長20年にわたって非課税になる制度です。金融庁の基準を満たした、長期・積立・分散投資ができる投資信託に投資することで、コツコツお金を増やしていきます。

なお、つみたてNISAでの新規の投資は2023年末で終了。2024年からはNISAの制度が改正され、新しいNISAで投資ができるようになります。新しいNISAの「つみたて投資枠」では、つみたてNISAと同様の投資が年間120万円まで・無期限でできるようになります。

まとめ

標準的な年金額の話から、自分の年金額の確認方法、さらには年金や老後資金を増やす方法までご紹介しました。年金の不安は尽きないものですが、不安に思っているだけでは問題は解決しません。まずは自分の年金額をチェックして、少ない・足りないと感じたらそれを増やすための手立てを取って、問題を解決していきましょう。

高山 一恵 ファイナンシャルプランナー

(株)Money&You取締役。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。女性向けWebメディア『FP Cafe』『Mocha(モカ)』や登録者1万7000人超のYouTubeチャンネル『Money&YouTV』を運営すると同時に、全国で講演活動、執筆活動、相談業務を行ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『マンガと図解 定年前後のお金の教科書』(宝島社)、『11歳から親子で考えるお金の教科書』(日経BP)など書籍90冊、累計150万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。twitter→@takayamakazue

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