21/03/10
クレジットカードの国際ブランドとは何? どれを選ぶのがいいのか
クレジットカードを見ると、右下にVisaやMastercardのロゴが必ずといっていいほど入っています。これらのブランドは国際ブランドと呼ばれる会社です。国際ブランドとは、いったい何なのでしょうか。また、どの国際ブランドを選べばよいでしょうか。今回はクレジットカードの国際ブランドについて解説します。
クレジットカードの国際ブランドとは?
クレジットカードの国際ブランドとは、日本だけでなく世界中で24時間クレジットカード決済ができるシステムを提供している会社のことです。カード決済の調査で知られるニルソンレポートによると、大手国際ブランドのクレジットカードの決済回数(2018年)は約3689億2000万件あったそうです。
大手国際ブランドの決済回数のシェア率は、次のようになっています。
●クレジットカードの決済回数のシェア率
NILSON REPORT「Global Cards」2018年版より作成
国際ブランドには、自社でカードを発行しているところと、発行していないところがあります。日本にはさまざまなクレジットカード会社が存在しますが、多くのカードは国際ブランドと提携をすることで、海外での決済やキャッシングができるようにしています。また、複数の国際ブランドから選ぶことができるクレジットカードもたくさんあります。
それぞれの国際ブランドの加盟店では、世界中どこでもその国際ブランドのクレジットカードを使うことができます。たとえば、「Visa」のマークが付いたクレジットカードならば、Visaの加盟店で利用できる、といった具合です。
日本人がよく利用している5つの国際ブランド
日本人がよく利用している国際ブランドの特徴を見てみましょう。
●Visa
Visaは世界で最も利用可能な店舗数が多く取引件数も多いカードブランド。Visaは自社のクレジットカード(プロパーカード)を発行せず、世界各地のクレジットカード会社がVisaのライセンスを受けてカードを発行しています。日本のカード会社も多く対応しています。
【主な加盟店契約会社】
・三井住友カード
・セゾンカード
・楽天カード など
Visaは、国内では飲食店やホテルなど多くの店舗で対応しています。また加盟しているカード会社も多いため、さまざまな種類の中から好きなカードを選べます。
また、海外キャッシングに対応しているVisaカードを使えば、現地通貨を安い手数料で手に入れられます。空港の窓口や金融機関で両替するより為替レートがお得になる場合が多いでしょう。
Visaは特にアメリカ方面に強いので、アメリカやカナダへ旅行や出張で行く際には1枚は持っておきたいカードです。
●Mastercard
Mastercardは、世界でも2番目に利用できる店舗が多いカードブランドです。Visaと同様、自社でクレジットカードを発行しておらず、各社がMastercardのライセンスを受けてカードを発行しています。
【主な加盟店契約会社】
・Amazon Mastercard
・イオンカードミニオンズ
・コストコグローバルカード など
なお、日本のカード会社の多くはVisaとMastercardの両ブランドとも対応していますが、Mastercardにしか対応していないカードもあります。
ショッピングやホテルでの利用についてもVisaカードと同様に普及率が高いので、持っておいて損はありません。
Mastercardの一番のメリットは、会員のみが利用できる独自のサービス「プライスレス・シティ」です。プライスレス・シティを使えば世界各国で開催されているイベントへの参加やグルメなどの割引サービスが受けられます。
また、Mastercardはヨーロッパで対応している店舗が多いため、ヨーロッパに行く機会が多ければぴったりです。
●JCB
JCBは日本発祥の国際ブランドです。JCBはVisaやMastercardと違い、自社ブランドのカードを発行しています。
【主な自社ブランドカード】
JCB CARD W
JCB CARD 一般カード
JCBゴールド など
VisaやMastercardと同様、ライセンスを受けてカードを発行している会社もたくさんあります。
JCBは日本発祥というだけあって、日本人サポートの充実度が高いのがメリット。国内はもちろんのこと、海外旅行や出張などで語学力に自信がなくても安心できます。
VisaやMastercardと比較すると、海外での対応店舗の少なさが気になります。アジア圏やハワイ・グアムなどでは対応している店舗も多くありますが、アメリカやヨーロッパなどの国ではほとんど使える店舗がありません。とはいえ、日本国内で使う分には問題ありませんし、ポイントの還元率が高いカードもあります。
●American Express
American Expressは、アメックスとも呼ばれており、ステータス性の高さから富裕層を中心に人気が高いカードです。American Expressの最大の特徴は一流ホテルやレストランや空港ラウンジなどで受けられる様々な特典です。そのため、海外へ行く方や一流のホテルおよびレストランを利用する機会が多い方にはぴったりのカードです。
American Expressは他社ブランドのカードとは異なり、限度額が一定ではなく実績に応じて柔軟に変更できます。そのため、審査に通りにくい個人事業主など経営者層にも人気が高いカードです。
また筆者は知り合いがアメックスからの紹介を受けたことで、一緒に一見さんお断りの高級寿司店に入れたことがあります。このように、アメックスならではの体験ができるのも魅力の一つです。
●Diners Club
Diners Clubは富裕層に人気の高いカードの一つです。American Expressと同様に利用金額に上限を設けていません。特典や優待サービス・最大1億円の旅行保険なども揃っており、海外旅行に行く機会が多い方におすすめです。
またDiners Clubカードを発行した場合、TRUST CLUB プラチナマスターカードを年会費無料で発行できます。このカードはMastercardブランドなので、世界中のMastercard加盟店で利用できます。したがって、Diners Clubのデメリットである加盟店の少なさをカバー可能です。
どの国際ブランドを選ぶべき?
国際ブランドを選ぶ際に最も重要視するポイントはシェア率です。なぜなら、シェア率が高い国際ブランドは、加盟店の数や対応エリアも幅広いため、「この店では使えない」などと不便を感じることも少ないからです。このシェア率の観点でいえば、まずVisaを選ぶのがいいでしょう。
シェア率2位はユニオンペイ(銀聯カード)ですが、これは中国が中心で、日本で使える店舗数はまだそれほど多くありません。したがって、2枚目としてはそれに次いでシェア率の高いMastercardか、日本人に人気が高いJCBを選ぶのがおすすめです。
まとめ
クレジットカードの国際ブランドと日本でよく利用されている主な国際ブランドを紹介してきました。どこでも利用できる、シェア率の高い国際ブランドを選んでおくのが便利です。
また、クレジットカードを複数枚持つときは、国際ブランドを分けておきましょう。そうすることで、「ここではVisa(またはMaster、JCBなど)しか使えない」というときにも対応しやすくなります。クレジットカードを作る際に参考にしてみてください。
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小栗健吾 現役のFXトレーダー及びWEBライター
地方の大学を卒業後、会社員を経て、WEBライターとして活動中。FXや仮想通貨の取引経験(FXは8年以上)があり、現役トレーダーの目線で記事を多数執筆している。また、現在はFXだけでなく、「キャッシング」「副業」「節税」などマネー系の記事も多く執筆している。
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