20/06/10
覚えておくと便利な、ローンの利息総額を3秒で出す計算式
住宅や自動車などを買う際に、多くの場合はローンを検討すると思います。でも、「利息○%」と言われたところで、利息を含めた総返済額はいくらになるか、すぐにわからない方が多いでしょう。
ウェブサイトなどのシミュレーションツールを使うのもちょっと億劫…という方のために、今回は簡単に利息を含めた総返済額を出す計算式を紹介します。
ローンの利息支払総額を簡単に出す計算式
ローンの利息支払額がどのくらいになるのかは、自分でも簡単に計算ができます。その計算式を見てみましょう。なお、ここでは毎月の支払い額が一定になる元利均等返済の場合とします。
●ローンの利息支払総額の計算式
元金 × 金利 × 借入期間(年数) ÷ 2 = 利息支払総額(①)
元金、つまり借りる金額に金利と借入期間をかけ、2で割った金額がおおよその利息支払額になります。
2で割るのは、元利均等返済の場合、返済当初は利息の部分の割合が大きいのですが、返済が進むに従って利息の割合が減っていくからです。毎月返済額の最初の利息×借入期間÷2で、三角形の面積(=利息)を求めるイメージです。
・元利均等返済のイメージ
また、計算式からは、元金、金利、借入期間の3つの数字が、それぞれ小さければ小さいほど、利息支払総額が少なくなることがわかります。
さらに、上の計算式で出した利息支払総額(①)を使って、毎月のローン返済額を計算することもできます。
(元金 + 利息支払総額(①)) ÷ 返済期間(月数) = 毎月のローン返済額
元利均等返済の場合、毎月のローン返済額は一定ですから、元金と利息支払総額(①)を合計した金額を返済期間の月数で割れば、毎月のローン返済額がわかります。
シミュレーションの数値とどれくらい差がある?
もちろん、この計算式は簡易なものですので、正確なシミュレーションの数値とは多少の誤差が生じます。具体的に、どのくらいの誤差があるのか、チェックしてみましょう。
●例1:3000万円の住宅ローン、金利1%、返済期間35年の場合の利息支払総額
・簡易計算:3000万円×1%×35年÷2=525万円
・正確に計算:557万円
この場合、誤差は32万円となります。毎月のローン返済額で考えると、簡易計算の場合約8万3928円、正確な計算の場合約8万4690円と、わずか762円しか違いません。
●例2:300万円の自動車ローン、金利6%、返済期間5年の場合の利息支払総額
・簡易計算:300万円×6%×5年÷2=45万円
・正確に計算:48万円
こちらの誤差は3万円。同様に毎月のローン返済額で考えると、簡易計算の場合5万7500円、正確な計算の場合5万8000円ですので、差は500円です。
実は、元金が大きいほど、金利が高いほど、借入期間が長いほど誤差は大きくなります。とはいえ、おおよその利息支払総額・毎月のローン返済額をつかむには、簡易計算で十分だということがおわかりいただけるのではないかと思います。
まとめ
「今は金利が低いから」などといって、利息をどのくらい払っているか、さらには総額でどのくらい払う必要があるのかを意識せず、安易にローンを借りてしまったがために、後で支払いが苦しくなった…ということもないとはいえません。
今回ご紹介した計算式は、ローンの返済額のイメージをつけるのに最適な計算式です。ぜひ覚えておいて、ローンを利用するとき、比較するときに活用してください。
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頼藤 太希 マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki
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