25/06/30
ボーナス(賞与)のダメな使い方、お得な使い方

夏といえば、毎年楽しみにしている方が多いのがボーナス(賞与)ではないでしょうか。まとまったボーナス(賞与)が手元に入るとつい気が大きくなりがちですが、ボーナス(賞与)の使い方次第で家計や将来に与える影響は大きく変わります。今回は、よくある「ボーナス(賞与)のダメな使い方」を紹介し、ボーナス(賞与)をどう使うのがお得なのかについて解説します。
ボーナス(賞与)のダメな使い方①:生活費の補てんに使ってしまう
ボーナス(賞与)をあてにして、普段の生活費を赤字のまま放置していませんか?毎月の家計が赤字続きで、ボーナス(賞与)でそれを穴埋めするというのは、多くの人がやってしまいがちな失敗例です。一見やりくりできているように見えても、これは家計の健全性を保てていないサイン。ボーナス(賞与)は一時的な収入であるため、慢性的な赤字をカバーするには限界があります。
このような状態が続けば、将来的に貯蓄もままならず、突然の出費に対応できなくなる可能性も。まずは毎月の家計を見直し、ボーナス(賞与)に頼らず生活費をまかなえる体制づくりが必要です。
ボーナス(賞与)のダメな使い方②:全額を使い切る or 逆にまったく使わない
「ボーナス(賞与)が入ったから旅行に!」と豪華な旅行やブランド品の購入に全額を使ってしまうパターンも、注意が必要です。
ボーナス(賞与)が入ったからと、日頃頑張っている自分へのご褒美も大切ですが、すべてを消費に回してしまうと、将来の安心にはつながりません。近年ボーナス(賞与)は全体的に増加傾向にあるものの、物価上昇や住宅ローン金利の上昇など家計を圧迫する要素も多く、計画的な使い道が求められます。
一方で、「もったいないから1円も使わない」という極端な貯蓄一辺倒もおすすめできません。お金は使ってこそ価値を生み出します。自己投資や家族のための必要な支出は、メリハリをつけて取り入れましょう。
ボーナス(賞与)のダメな使い方③:ボーナス(賞与)払いでの買い物や借金の返済に充てる
高額な家電や車をボーナス(賞与)払いで購入してしまうこともあります。しかし、今後ボーナス(賞与)が出ない、減額されるといった可能性を想定しておかないと、支払いが苦しくなるケースも出てくるでしょう。
また、クレジットカードのリボ払いやローンの返済にボーナス(賞与)を充てるのも要注意です。利息の負担が大きくなってしまい、大幅に損している可能性もあります。
借金返済はもちろん大事ですが、ボーナス(賞与)で返すのが前提になっている場合は、収支バランスが崩れている証拠です。月々の返済能力に見合った借入になっているかを見直しましょう。
ボーナス(賞与)のお得な使い方とは?
ボーナス(賞与)をお得に使うにはどうすればよいのでしょうか。筆者のおすすめは、以下のように使うことです。
●1. 生活防衛資金として一部を確保する
まずは、いざという時に備えて生活費3~6か月分のお金を確保しておきましょう。病気や収入減など、万が一のときに役立ちます。
●2. 住宅ローンなどの繰り上げ返済に回す
返済中の住宅ローンがある方は、繰り上げ返済を検討するのも一つの方法です。特に金利の高いローンであれば、返済額を減らすことで将来的な利息支払いも抑えられます。
●3. 自己投資に使う
スキルアップ講座や資格取得など、自分の市場価値を高めるためにボーナス(賞与)を使うのは非常に有益です。将来の収入アップにつながる可能性もあります。
●4. ご褒美消費も少しだけ
「がんばった自分へのご褒美」も、まったく不要というわけではありません。全体の1〜2割程度を使って気分転換や家族との思い出づくりに充てることで、満足度の高い使い方ができます。
ボーナス(賞与)は「将来の安心」と「今の満足」のバランスをとる
ボーナス(賞与)の使い道には正解があるわけではありません。しかし、「全額使い切る」「全額貯め込む」といった極端な使い方は避け、将来の備えと自己成長、そして適度な楽しみのためにバランスよく配分することが大切です。
ライフスタイルや価値観に合ったボーナス(賞与)の使い方を見つけて、家計に安心と充実をプラスしていきましょう。
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森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー
Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。

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