20/03/20
住宅ローン貧乏になる10の愚かな考え・行動
念願のマイホームを購入したのに、かえって貧乏になってしまうことがあります。住宅購入は高額の費用が必要で、住宅ローンを組む時や返済中に失敗をすると痛手も大きいものです。
今回は、住宅ローンで貧乏になる10の習慣と、気を付けるポイントについてお伝えします。
貧乏になる10の習慣【住宅ローン編】①:「頭金0でOK」の営業トークをうのみにする
普段の買物でも、店員さんや営業マンにオススメされるとついその気になって、言われるままに買ったり契約したり、ということはありませんか。
あとから「失敗した」と思っても、少額であればあきらめもつくでしょう。しかし、住宅ローンは何千万単位の高額な契約。営業トークをうのみにしては危険です。
「頭金がなくても大丈夫、フルローンがありますよ」、という甘い言葉でムリなローンを組んでしまったら、返済に苦しむことになりかねません。
低金利の今、頭金を貯めるより住宅ローンを組む方がトータルでトク、という考え方もありますが、頭金が作れないのは家計に余裕がないということ。
営業トークを聞きつつも、頭の中では冷静になりましょう。
貧乏になる10の習慣【住宅ローン編】②:必要な費用全体を考えない
住宅購入のための支出は、住宅ローンの返済だけではありません。大きな買物の時には、関連の費用がかかることが多いもの。住宅購入の場合には、物件価格の約5~10%程度の諸費用・手数料がかかります。
具体的には、以下のものになります。
・登録免許税:購入した土地、建物の登記にかかる
・印紙税:契約書の作成にかかる
・不動産仲介手数料:不動産業者に払う
・保証料:保証会社に払う
・融資事務手数料:金融機関に払う
かかる費用はその他にも、引っ越し代や、新しい家具代、お披露目に人を招いた時の飲食代なども考えておきたいですね。必要経費はトータルで考えておかないと、思いがけない出費が続くことで、住宅ローンの返済が始まるころには、すでに貧乏になってしまうかもしれません。
貧乏になる10の習慣【住宅ローン編】③:ランニングコストの意識がない
住宅購入とは、住宅という資産を所有するということです。そうすると、当然ランニングコストがかかります。
たとえば、賃貸住宅に住んでいれば特に考えなくてもよかったメンテナンス費用は、購入後は自分の責任で計画的に準備する必要があります。
電気・ガス機器や水道回りなどの設備は、いったん不具合があると、専門の業者に頼んで修理が必要になることが多いでしょう。
また、一戸建てでは外壁や屋根、門扉などのメンテナンスを定期的にしておかないと、建物自体の劣化が進んでしまいます。
いざという時の備えがないと、住宅ローンとは別の借金をして修理をしなくてはならず、貧乏に近づくことになりかねません。
貧乏になる10の習慣【住宅ローン編】④:今の収入しか考えていない
住宅ローンは、たいていの場合10年以上の長期にわたるもの。今の収入しか考えていないと、将来もしも収入が減った場合には、一気に返済が苦しくなってしまいます。
たとえば、ボーナス払いがあります。月々の返済とは別にボーナス払いも設定すると、毎月の支払い金額を減らすことができることがメリット。住宅ローンを契約する時にはボーナスを十分もらっていると、積極的に考えたくなるかもしれません。
しかし、ボーナスは勤務先の業績悪化などで減額されることもあります。
社員の基本給はある程度保障されている金額ですが、ボーナスはあくまで臨時のお金。減額や払われなくなる可能性も考慮に入れて、余裕のある返済計画を立てましょう。
貧乏になる10の習慣【住宅ローン編】⑤:働き方が変わる可能性をわかっていない
住宅ローンの返済期間中、変化の可能性はボーナスの金額だけではありません。家族の状況などで、働き方が変わることもあり得ます。
当初は夫婦共働きでめいっぱい働いて返済していくつもりでも、育児や介護などの理由で妻が仕事をやめたり、パートに転職したりする可能性もあります。
あるいは、病気やケガで仕事を変える必要に迫られるかもしれません。
長い人生、山あり谷ありですが、多少のピンチは乗り越えられるように保険を充実させておくなど、備えがあると安心です。
貧乏になる10の習慣【住宅ローン編】⑥:老後はなんとかなると考えている
心配し過ぎで保険が過剰になるのはいけませんが、逆に老後はなんとかなると楽観的すぎるのも困ります。
住宅ローンは、返済期間を長く設定すれば毎月の返済金額は少なくなりますが、リタイア後まで返済が続くようでは老後資金が足りなくなってしまいます。
退職金や年金で住宅ローンを返済することになれば、現役時代は生活に余裕があっても、老後貧乏まっしぐらです。
65歳までには完済できる計画を立てましょう。早期リタイアを考えているなら、その年齢にあわせます。
貧乏になる10の習慣【住宅ローン編】⑦:とにかく借金はいや、繰上げ返済で早期完済を目指す
では、住宅ローンは完済が早ければ早いほどいいのでしょうか。住宅ローンのことだけを考えれば、繰上げ返済をすればその後に支払う利息が減り、返済額や返済期間を少なくできます。
しかし、実際にするかどうかを決めるには、家計全体で考えなければいけません。
繰上げ返済のしすぎで手元のお金がなくなってしまい、別の借金を抱えることになったら意味がありません。
住宅ローンを借金だからと毛嫌いせず、家計に合った返済計画を立てる必要があるのです。
貧乏になる10の習慣【住宅ローン編】⑧:雰囲気に流されやすい
さて、雰囲気に流されやすい人は、住宅ローン貧乏になりやすいことをご存じでしょうか。
住宅購入は高価な買物です。購入したばかりの新しいマイホームには、おのずとテンションも上がります。そんな気分も多少は楽しみたいものですが、自制がきかなくなると住宅の購入が生活全体のセレブ志向のきっかけになってしまうことがあります。
素敵なマイホームにお似合いの、高価な家電、ラグジュアリーなインテリア、おしゃれな雑貨、部屋着もかわいいもので、とキリがありません。
新しいマイホームを楽しむ心はそのままに、家計はしっかり管理しましょう。
貧乏になる10の習慣【住宅ローン編】⑨:地域のおつきあいは断れない
また、地域のおつきあいは大切にしなければいけませんが、断りにくいからと何でも受け入れてしまうのも考え物です。
マイホームを購入したお土地柄にもよりますが、町内会の会費や、祭礼の寄付金、年末助け合いの寄付金など、金銭的に重荷になると憂うつですよね。
住宅購入をする際は、地域のイメージや、交通や病院などのインフラで選びがち。ですが、どのような暮らしぶりになるのかも、しっかりリサーチしたうえで決めたいものです。
貧乏になる10の習慣【住宅ローン編】⑩:教育費は削れないと思っている
住宅購入のきっかけが、子どもの誕生や進学という家庭も多いのではないしょうか。子どもの暮らしや将来を大切に思うことは悪いことではないのですが、教育費が高額になりすぎると住宅ローンの返済が厳しくなります。
私立学校への進学だけではなく、子どもが希望する習い事や塾、短期や長期の留学などもかなりの高額になりがち。
人生の三大資金は、住宅、教育、老後です。3つのバランスをとることが大切なのです。
まとめ
住宅ローンは高額になりがちですから、住宅ローンそのものはもちろん、その他の費用との兼ね合いでも注意しなければならないポイントがあります。住宅ローン貧乏にならないよう気をつけましょう。
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タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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