18/05/30
年収600万円世帯が、家計に無理なく住宅ローンを借りるための返済比率は?
家の購入を検討するとき、自分の収入だといくらの家を購入できるのか、同じくらいの収入の人はいくらくらいの家を購入しているのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そんな時、「返済比率」を知っておくと家を購入する際に予算を立てやすいのではないでしょうか。
「返済比率」とは?
返済比率とは、「自分の年収に対する、ローンの年間返済額」です。金融機関の審査では、35%程度に収まれば審査は通るでしょう。
返済比率の計算をする時に注意しなくてはいけないのが、金融機関が審査をする際に返済比率を求めるときに使う金利は、実際に適用される金利とは異なります。
これは今後金利が上がっても返済に困らないよう、高めの金利で審査を行っています。
だいたい、3.0~3.5%程度で計算される事が多いようですので、今回は3.0%で計算します。
すると、年収600万円の世帯の場合、年間返済額210万円程度、毎月の返済額が16万9334円となる4400万円程度の借り入れで返済比率が35%となります。
家計に負担のない返済比率は?
先ほど、600万円の年収で考えましたが、月々の手取りで考えると35万円くらいです(ボーナス月等は考えず12ヶ月で割って考えています)。
総務省の家計調査によると、世帯年収600万円の家庭における平均的な生活費は月23万円となっています。これを考えると住居費に使えるのは最大でも12万円です。
すると、審査で通る金額の4400万円の場合、月々約17万円の返済が必要となりますので、実際の生活を考えるとこの金額を借り入れるのは難しいという事になります。
返済比率は20%以内が安心
返済比率は20%程度にすると将来の事も考え安心と言われています。
600万円の収入で返済比率を20%に抑えるためには、毎月35万円の手取り額で7万円。
月々7万円の返済で借り入れが出来る金額を考える際は、審査とは異なりますので、実際の金利で考え、変動金利の場合は現在0.7%程度、固定10年だと1%程度ですので、今回は固定金利1%として考えていきます。
毎月の返済額7万円、金利1.0%、35年間で借り入れが出来る金額は2900万円程になります。
以上より、年収600万円の方が住宅ローンを組む際は2900万円程度までで考え、それを超す物件の購入を希望する場合は頭金を用意しておくと将来も安心して、負担のない返済を続けていく事が出来ると思います。
まとめ
計算をしていくと少し複雑に見えますが、自分たちの生活費、収入を考えながら住宅購入の計画を立てていく事で将来も安心してローンの返済を続けていく事が出来ると思います。
後悔しないように、無理せず、計画的に住宅ローンを組みましょう。
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田中 麻依 ファイナンシャルプランナー
学習院大学経済学部卒業後、銀行にて住宅ローンや無担保ローン等、個人のローン取次業務に5年間従事。現在は、別会社にて勤務しながら、これまでの経験・知識を活かし、個人として活動中。FP技能士2級、日商簿記2級、証券外務員1種。趣味は、フルート、セルフネイル、旅行。
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