17/07/23
住宅ローンの借り入れ期間は35年が無難
変動金利と固定金利で借り入れできる期間が異なる
住宅ローンを借り入れする際に決めなくてはならないことがたくさんありますが、その一つが「借り入れ期間」です。各銀行の決まりとしては、変動金利であれば1年から35年で好きな期間を選ぶことができます。固定金利は2年から選ぶことが出来る金融機関が多いようです。長期の固定金利での借り入れが前提となっている「フラット35」は、15年間からの借り入れとなっています。
期間の決め方によって、毎月の負担や、総返済額が大きく変わってくるので自身にあった借り入れ方法を選択することが大切です。
最も一般的な借り入れ期間は?
最も利用されているのは、やはり、最大の35年間です。正確な割合は難しいですが、新築の住宅を購入する方の9割以上の方が35年で申し込みをしているのではないでしょうか。
審査をする際も、長い期間の方が毎年の返済金額を減らすことが出来るので、年収に対する返済額の割合が低くなり、審査が通りやすくなります。
35年より短い期間での住宅ローンの借り入れメリットは5つ
短い期間での借り入れにもメリットが5つあります。
(1)支払う利息が少なくなる
(2)元金の減りが早い
(3)支払い総額も期間が短い方が得
(4)固定金利の場合、金利が低い
(5)返済計画が立てやすい
特に、支払いの面ではとてもお得になります。期間が短い方が金利自体が低く、短い期間で元金が減るので支払う利息も少なくなり、総返済額を少なくすることが出来ます。
例えば、3000万円の借り入れ、金利が同じ1.5%の場合は、
・35年返済:毎月の返済額は9万1855円、利息総額は857万9239円、支払い総額は3857万9239円
・25年返済:毎月の返済額は11万9981円、利息総額は599万4269円、支払い総額は3599万4269円
となり、借り入れ期間を短くすることで258万4970円お得になります。実際は、金利の差も出るのでより利息の支払いを抑える事ができます。
35年が繰り上げ返済もできるという部分で無難な借り入れ期間
筆者は、初めは長い期間で借り入れをし、毎月の返済額を抑え、余裕のある時に繰り上げ返済をした方が無難だと考えます。長い期間で借り入れをすることで、毎月の返済額は少なくすることが出来ます。長い期間利用する住宅ローンは、無理をしないことが一番大切です。
最近は窓口でも無料で繰り上げ返済出来ますし、自宅でも簡単にインターネットで1万円程の金額から簡単に繰り上げ返済を行うことが出来ます。無理に短い期間で申し込みをするより、毎月は無理せず、家庭の状況に合わせて繰り上げ返済をしながら、期間を短くしていくと支払い利息を抑える事ができ、返済計画も立てやすいのではないでしょうか。
35年間での利用をお勧めしましたが、住宅ローンの借り入れ開始の年齢によっては、年金に頼った計画をせず、短い期間を選ぶ方が良い場合もあります。 住宅ローンは長い期間付き合っていくものなので、無理せず、自身の状況にあった返済方法をよく考えて利用することが大切です。
【関連記事もチェック】
・固定金利期間が終わった時の、住宅ローン金利見直しのコツ
・住宅ローン控除をフルに活用するために覚えておきたい4つのポイント
・知らないと損する! 住宅ローン借り換え時の3つのポイント
・住宅ローンはいくらまで借りられる? 住宅ローン審査について知ろう
田中 麻依 ファイナンシャルプランナー
学習院大学経済学部卒業後、銀行にて住宅ローンや無担保ローン等、個人のローン取次業務に5年間従事。現在は、別会社にて勤務しながら、これまでの経験・知識を活かし、個人として活動中。FP技能士2級、日商簿記2級、証券外務員1種。趣味は、フルート、セルフネイル、旅行。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう