17/01/08
知らないと損する! 住宅ローン借り換え時の3つのポイント
マイナス金利が話題となり、住宅ローンの借り換えを考え始めた方も多いのではないでしょうか。筆者は、住宅ローンの案内業務を中心とした窓口業務に5年間従事していましたが、今回はお客様の事例を踏まえて、住宅ローン借り換え時に得するために、知っておきたい3つのポイントをご紹介します。
(1) 借り換えを申し込む前に現在の借り入れ先に問い合わせる
借り換えを申し込む前に、現在借り入れしている銀行に電話をし、借り換えを検討している旨と借り換えを検討している銀行の金利水準を伝えましょう。すべての銀行ではありませんが、「当行で金利を下げられるか検討するので、当行での借り入れを継続しませんか」と言われる事があります。
これは「自行内借り換え」(=同じ銀行の中で新しい契約に借り換える)と呼ばれます。自行内借り換えができればラッキーです。諸費用は印紙代の1万円、2万円程度で済み、金利が低くなります。
この作戦を実行する時期は、銀行の業績締めの時期が良いでしょう。具体的には、3月や9月の1か月前、2月や8月の中旬です。銀行はローン残高を保ちたいため、残高が減らないよう自行内借り換えに対応してくれる可能性が高いのです。
ただし、注意したいのは転職をした場合、以前の会社に勤めている人向けのプランで契約している人は、特別なプランが使えなくなり、自分から申し出た事で色々と事務手続きが出てきてしまう事もあります。
(2) 団体信用生命保険に注意
金利の低い銀行で借り換えをしたのに、負担が多くなってしまう場合があります。原因は「団体信用生命保険」の負担が増えてしまったためです。団体信用生命保険の保険料は通常、金利に上乗せする形で払うことになります。
ローンを組んだ当初は、銀行が保険料を全額負担するタイプを契約できたが、借り換え先には、保険料分は自己負担となり金利に上乗せしなければならないものしか契約できない事があります。
様々なプランがありますが、ローンの金利に0.2%程度上乗せされるケースが多いです。0.2%は少ない数字に見えますが、この数字のインパクトは大きく、当初予定していた借り換えメリット金額よりかなり少なくなってしまいます。
(3) 借り換え時の諸費用は意外と大きい
借り換えの相談に来られる方で一番多い相談はシンプルですが、「借り換えのメリットあるかどうか」です。金利が低くなればメリットがあるはず、と相談に来られる方が多いですが、実際は借り換えをしない方が良い方も多いのが実情です。
なぜならば、借り換え時にかかる諸費用が意外と大きいからです。
借り換えは、現在利用している銀行のローンを完済し、新しい銀行で借り直すのですが、この時かかる諸費用は、「抵当権の抹消費用」、「抵当権の設定費用」、「完済手数料」、「新規契約の事務手数料」、「保証料」、「印紙代」がかかります。
借り換える金額にもよりますが、数十万円単位で費用がかかる事がほとんどです。
この諸費用は、住宅ローン残高に上乗せして借り入れすることも出来るので、諸費用を上乗せしても、メリットがでるか計算する事が大切です。
銀行の窓口や専門家に聞く際は、諸費用を考慮したシミュレーションを作ってもらい確認すると良いでしょう。
住宅ローンの借り換えをお得にするためには、ご紹介した3つのポイントを意識してみてください。事前に借り換えのメリット、デメリットを調べ、金利が低くなっているからと焦らずにゆっくり検討しましょう。
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田中 麻依 ファイナンシャルプランナー
学習院大学経済学部卒業後、銀行にて住宅ローンや無担保ローン等、個人のローン取次業務に5年間従事。現在は、別会社にて勤務しながら、これまでの経験・知識を活かし、個人として活動中。FP技能士2級、日商簿記2級、証券外務員1種。趣味は、フルート、セルフネイル、旅行。
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