17/04/27
住宅ローンに3大疾病、8大疾病保険って必要なのか?
住宅ローンを組む際に入る「団体信用生命保険」。この話をする時に必ずでてくるのは「8大疾病保険」、「3大疾病保険」を申し込むかどうかです。
銀行によっては、銀行負担で自動的に8大疾病保障や、3大疾病保障が団体信用生命保険についていますが、多くはこの2つを申し込む場合は、自己負担となります。
そもそも3大疾病保険、8大疾病保険って何?
3大疾病とは、ガン、脳卒中、急性心筋梗塞です。8大疾病はこれに加えて、高血圧、糖尿病、慢性腎不全、慢性膵炎になります。
通常の団体信用生命保険では、高度障害か、死亡した場合にしかローンの保証をしてくれませんが、3大疾病、8大疾病保険に加入しておくと、上記の病気が原因で今まで通りの収入を得る事が難しくなった時に備える事ができます。
入るなら「3大疾病保険」と「8大疾病保険」どちらがお得?
銀行により差がありますが、筆者が担当した方々は「8大疾病保険」を選ぶことがほとんどでした。やはり、どうせ自己負担するなら保証の範囲が広い方が安心、と考える方が多いようです。
例えば、みずほ銀行の場合は、3大疾病保険は金利+0.03%、8大疾病保険の場合は月約480円の負担となります。
借入期間により差はでますが、2000万円を30年間で借り入れした場合は、3大疾病をつけると総返済額は約300万円上乗せとなり、月々で割ると8000円程度の負担となります。同じ条件で、8大疾病保険の場合、総支払額は約52万円となります。
これを考えても、8大疾病保険の方がお得なのではないでしょうか。
この保険料の差は支払いのされやすさに違いがあるためです。3大疾病保険に比べ、8大疾病保険の方が病気になってから、ローンの残高を支払ってもらえるまでの期間が長いものが多くなっています。8大疾病保険では、ローンの全額返済を受けるには、自宅療養でどんな業務にも従事できない「就業不能状態」が30日を超えることが前提の場合が多く、就業不能状態が1年を過ぎなければならないものもあります。
本当に入る必要あるのか?
期間の長い住宅ローンは、毎月数百円の負担でも、総返済額で考えるととても大きな負担となります。
これらの保険に入っていても、注意しなければいけないのは、ほとんどの保険に支払い対象外期間が30日間程度ある事です。
これはどういうことかと言うと、対象の病気が原因で収入のない状態が30日以上続かないと保険は利用できないという事です。これらの病気で全く仕事ができない状態が30日以上続くということは少ないのではないでしょうか。また、他にも保険に入っている場合はその保険でも保証があるかもしれないので、今、入っている保険の内容をよく確認したうえで加入を検討すべきです。
どうしても不安に思う方は、中途解約ができるものであれば、とりあえず、残高の多い初めの時期だけ保険に入り、残高が減った時、返済に目途がたった時に解約するのも良いでしょう。
初めての住宅ローンで不安が多く、勧められたものに入りたくなってしまいますが、本当に自分に必要かどうか、ゆっくり検討してみて下さい。
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田中 麻依 ファイナンシャルプランナー
学習院大学経済学部卒業後、銀行にて住宅ローンや無担保ローン等、個人のローン取次業務に5年間従事。現在は、別会社にて勤務しながら、これまでの経験・知識を活かし、個人として活動中。FP技能士2級、日商簿記2級、証券外務員1種。趣味は、フルート、セルフネイル、旅行。
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