17/03/06
住宅ローンの繰り上げ返済を成功させるコツ
住宅ローンを利用している中で考える「繰り上げ返済」。
お金が貯まった時にと考えている方や、よくわからずになんとなく繰り上げ返済をしている方もいるのではないでしょうか。繰り上げ返済には成功させるコツがあります。
「繰り上げ返済」の仕組み
繰り上げ返済には大きく2つあり、「全額繰り上げ返済(完済)と「一部繰り上げ返済」があります。
一部繰り上げ返済をする際、必ず決める必要があるのが「期間短縮型」か「返済額軽減型」です。期間短縮型は、毎月の返済額は変えずに期間を短くする方法、返済額軽減型は期間を変えずに、毎月の返済額を減らす方法です。
「繰り上げ返済」のメリット、デメリットを知る
繰り上げ返済の一番のメリットは、総返済額を減らせる事。
元金が早く減る分、期間が短くなる分、かかる利息が減るので利息と元金の返済額を合わせた総返済額を軽減する事ができます。
もう一つのメリットがローン契約時に支払った保証会社への保証料が戻ってくる事。
保証会社の保証料は、ローンの借入金額と、期間を元に計算されている為、途中で繰り上げ返済をすると「戻し保証料」としてお金が返ってきます。繰り上げ返済の額や、初めの借入金額、期間により人それぞれ差があるので、繰り上げ返済をする際に銀行に問い合わせ概算金額を確認しましょう。
デメリットは「住宅ローン控除」が減る事です。ただ、控除は1%ですので、繰り上げ返済をした方が利息軽減のメリットは出ます。注意しなければいけないのは、住宅ローン控除は年末の残高が控除対象となりますので、12月の冬の賞与でまとまった額を繰り上げ返済するのではなく、年明けてからすぐにする方が控除の対象となる金額が多くなりお得です。
そして、借り入れの時期にもよりますが、住宅ローン控除は「借入金額が1000万円以上」「借入期間が10年以上」が条件となりますので、控除期間中にこの基準を満たさなくなると住宅ローン控除は利用できなくなりますので、繰り上げ返済をする際は、繰り上げ返済後の残高と残りの期間の確認が必要です。
繰り上げ返済を成功させるためには
住宅ローン控除に気をつける事が一番大切だと思います。次に、繰り上げ返済に手数料をかけない事、分割で実行し明細がいくつかある場合はどの明細から減らすかをよく考える事です。
最近では、どの銀行もネットを利用し繰り上げ返済をすることができ、手数料は無料です。窓口だと、固定金利利用の場合は1万円近くかかります。
ネットを利用すると1万円単位で繰り上げ返が出来るので、少し余裕のある時はこまめに繰り上げ返済をする事ができます。
明細についてですが、金利の高いものから先に繰り上げ返済をするとメリットが大きくなります。
繰り上げ返済は、小まめにコツコツ行い、ネットを利用する事。まとまったお金で繰り上げ返済をする際は、年明けすぐにというのが成功のコツとなりますので、ぜひこのコツを意識しながら繰り上げ返済を行ってみて下さい。
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田中 麻依 ファイナンシャルプランナー
学習院大学経済学部卒業後、銀行にて住宅ローンや無担保ローン等、個人のローン取次業務に5年間従事。現在は、別会社にて勤務しながら、これまでの経験・知識を活かし、個人として活動中。FP技能士2級、日商簿記2級、証券外務員1種。趣味は、フルート、セルフネイル、旅行。
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