届け出だけでお金がもらえる！　国や自治体が用意する給付金制度を活用しよう〜乳幼児・児童子育て編〜｜#2

新築、出産、子育て、ケガ・病気、転職、失業、介護など、私たちが生きていくには、人生の転機となるイベントがたくさんあります。そして、それらのイベントには、切っても切り離せないお金の問題がついて回ります。
こんな時に役立つのが、国や自治体などが用意している給付金（補助金・助成金）です。所定の届け出を提出すればOKです。

今回は、こどもが小さい時に助かる給付金制度をいくつかご紹介いたします。

乳幼児が病気やケガで病院にかかった時にもらえる「乳幼児医療費助成制度」

子育てしている方はよくご存知だと思いますが、乳幼児は免疫力があまりないので、すぐに病気にかかりますよね。乳幼児が病気やケガで病院にかかった時にもらえる助成制度が、「乳幼児医療費助成制度」です。

自治体によって対象となるこどもの年齢や負担の範囲が大きく異なります。中には高校卒業まで無料にしているところもあります。手続きの流れも自治体によって異なります。一般的には健康保険への加入後に各自治体で手続きを行います。自治体に申請後発行される「乳幼児医療証」と「健康保険証」を診察時に医療機関の窓口に提示すれば、医療費をみずから支払わずにすみます。

子育て世代の味方「児童手当」

「児童手当」は、こどもを育てる親など「養育者」対して支払われるお金です。民主党（現：民進党）政権時代には「こども手当」と呼ばれていましたが、現在は「児童手当」という呼び名に戻されています。

給付の対象は、生まれてから中学校修了（15歳到達後の最初の年度末）までの、国内にお住まいのこどもです。3歳未満までは1か月あたり1万5,000円、３歳〜中学生までは1か月あたり1万円が受け取れます。第3子以降は小学校修了まで月1万5,000円。このあたりは少し複雑ですが、覚えておきましょう。また、扶養するこどもの人数に応じて、手当を受け取る人の所得制限がありますが、所得制限を超えても当分の間5,000円は受け取れます。

児童手当は毎年2月、6月、10月の3回に分けて、1回4か月分が受け取れます。ただし、手続きを忘れてしまった場合、過去にさかのぼって給付を受けることができないので、忘れずに届け出る必要があります。

ひとり親世帯の味方「児童扶養手当」

離婚や死別といった理由でひとり親になってしまった世帯では、「児童扶養手当」を受け取ることができます。所得によって金額は変わってきますが、こども1人の場合は、月額9,990円〜42,330円、2人の場合は1人の金額プラス5,000円、3人以上の場合は1人増えるごとにプラス3,000円です。

2016年5月に改正児童扶養手当法が成立しました。これにより、2016年12月に給付される8月分から2人の場合は最大でプラス1万円、3人以上の場合は1人増えるごとに最大でプラス6,000円と増額されました。嬉しい改正の一つですね。
ちなみに、所得が所定の額より低ければ母子家庭だけでなく父子家庭でも受け取ることができます。さらに、「児童手当」と一緒に受け取ることができちゃいます。

「児童手当」と「児童扶養手当」は、どちらも毎年の状況を知らせる「現況届」を提出する必要があります。各自治体から用紙が届きますので、必ず提出しましょう。

ここで紹介している給付金制度は、自分で行動することが大切です。面倒くさがらずにぜひ手続きしましょう。

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高山一恵ファイナンシャルプランナー

(株)Money＆You取締役。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学文学部卒業。NHK「日曜討論」「クローズアップ現代」などテレビ・ラジオ出演多数。ニュースメディア「Mocha（モカ）」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。「はじめての新NISA＆iDeCo」(成美堂出版)、「マンガと図解はじめての資産運用」(宝島社)など書籍100冊、累計180万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。X（旧Twitter）→@takayamakazue