26/03/04
2027年開始「こどもNISA」をやった方がいい家庭、やらない方がいい家庭

2027年開始予定のこどもNISAは、教育費づくりの新しい選択肢として注目されています。
ただ、「制度がある=やった方がいい」とは限りません。
こどもNISAを使えるかどうかは、制度そのものよりも、今の家計の状態や、教育費をどう準備していくかの考え方に左右されます。
この記事では、こどもNISAの概要とともに、将来の選択肢として考えやすい家庭・慎重になった方がいい家庭の違いを整理します。
そもそも、こどもNISAとは?
こどもNISAは、大人のNISA(ニーサ、少額投資非課税制度)の未成年者版と言えます。
対象は18歳未満。投資で得られた利益に税金がかかりません(非課税)ので、投資をするなら利用したいおトクな制度です。
大人のNISAとの違いは、成長投資枠がなく、つみたて投資枠のみの運用になること。
とはいえ、つみたて投資枠は投資初心者が比較的安心して利用できる銘柄がそろっていますので、初めて投資にチャレンジする未成年者にとって利用のハードルが下がります。
こどもNISAで金融教育と教育資金準備、早く始めるほど有利、時間を味方につけられる、といった説明を聞くと、やらないと損な気がしてしまいそうです。
しかし、すべての家庭に向いている制度ではありません。
こどもNISAを「やった方がいい家庭」の判断ポイント
では、どのような家庭がこどもNISAに向いているのでしょうか。
●5年以内に使うお金が、きちんと確保できている
こどもNISAは投資です。つまり元本割れする可能性があるということ。
ただし、タイミングによります。投資信託の価格が下がり含み損が出ても、しばらく保有し続けていれば値上がりすることも。経済は大きく見れば右肩上がりなので、値下がりしたからと言って慌てて売るとかえって損になる場合もあるのです。
ですから、まず大前提として、生活費・近い将来の教育費・いざという時の予備資金、これらが現金や元本保証のある資金で確保できていることが重要です。
当面使うお金が確保できていないと、相場が下がったときに気持ちが持ちません。
5年以内に使うお金は守れているか、これは最初に必ず確認したいポイントです。
●教育費の中でも、10年以上先の資金を準備したい
こどもNISAは、現金を引き出せる時期に制限があります。
現金化できるのは、「その年の3月31日において12歳である年の1月1日以降」、つまり一般的には小学6年生の1月1日以降です。
ですから、子どもが生まれてすぐにこどもNISAを始めたとしても、教育資金などに使えるのは10年以上も先になります。
こどもNISAが向いているのは、大学進学など10年以上先の教育費の一部です。
「○年後に必ずこの金額が必要」というお金を、全額投資で準備するのはリスクが高すぎます。なぜなら、投資は損失が出ることもあるからです。
現金化した時に、見込み金額と多少上下しても大丈夫であるなら、長期投資を活用する意味はあります。
●大人のNISAをすでに活用できている
意外と見落とされがちですが、優先順位としては、(1)家計の安定→(2)大人(親)のNISA→(3)こどもNISA、この順番が基本です。
親自身の資金計画が不安定なまま、こどもNISAにお金を回すと、結局子どものお金に頼ることになる可能性もあります。
親の資産形成がある程度軌道に乗っている家庭であれば、次のステップとしてこどもNISAを検討してもよいでしょう。
●値下がりしても、やめたくならない金額でできる
こどもNISAで購入できるつみたて投資枠の銘柄は、基本的に長期の運用に適しています。
投資ですから、値上がりすることもあれば、値下がりする時期もあります。
じっくり腰をすえて運用する、そんな投資スタイルが適しています。
投資で一番の失敗は、不安になって途中でやめてしまうこと。
値下がりしたら眠れない、ニュースを見るたびに焦る、家族で揉める…、こんなことが想定されるなら、投資にまわす金額が大きすぎます。
なくなったら困るお金ではなく、育ってくれたらラッキーくらいの感覚で続けられる金額かどうか。
これは、見た目の数字以上に大切な判断基準です。
こどもNISAを「やらない方がいい家庭」
一方で、次のような場合は、無理にやらなくて大丈夫です。
・貯金がほとんどなく、家計に余裕がない
・近い将来の教育費の見通しが立っていない
・投資の値動きに強い不安を感じる
・「みんながやっているから」という理由だけで検討している
教育費は、必ず使うお金です。
精神的に振り回されながら準備する必要はありません。
教育費準備は、投資+元本保証の組み合わせで
引き出すタイミングで相場が暴落していたら…。これは、多くの投資家が心配する点です。
だからこそ、資金準備は投資と元本保証の組み合わせが大切になります。
・早い時期に使うお金 → 貯蓄・学資保険など元本重視
・10年以上先の一部 → 投資(こどもNISA)
こんな組み合わせが現実的です。
投資か貯蓄か、ではなく、どう分けるかが大切なのです。
やる/やらない、より合っているか
こどもNISAは、やった方がいい家庭にとっては、心強い制度です。
でも、やらなくても失敗ではありません。
・家計は安定しているか
・使う時期は十分先か
・親の資産形成はどうか
・気持ちに無理はないか
これらを確認したうえで、わが家に合っているかどうかを考えてみてください。
制度より先に、家族の安心があること。
それが、教育費準備で一番大切なポイントです。
※こどもNISAの制度は今後変更される可能性があります。
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タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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