25/08/03
パチンコで100万円儲かったら、税金は一体いくらかかるのか

パチンコ店は全国で6706店舗(2024年12月末時点)。年々減少傾向ではあるものの、パチンコ好きの人は依然として多いようです。
新台の導入やイベント、キャンペーンともなれば、大当たりを狙っていくのではないでしょうか。
もし、パチンコで大儲けをしたら、所得税はいくらかかるのか、心配になってしまうかもしれませんね。今回は、パチンコで100万円儲かった場合の税金について見てきます。
パチンコの利益は一時所得
お金を儲けたら、基本的に税金がかかります。
所得に対する税金は所得税。所得税は、所得の種類によって計算方法に違いがあります。
所得の種類は以下の10種類です。
●所得の種類
1 利子所得
2 配当所得
3 不動産所得
4 事業所得
5 給与所得
6 退職所得
7 山林所得
8 譲渡所得
9 一時所得
10 雑所得
パチンコで儲けた所得は、一時所得の対象です。
一時所得の金額は、以下の計算式で求めます。
一時所得=(総収入金額-必要経費-特別控除50万円)÷2
必要経費は、収入を得るために必要な支出です。
ただし、パチンコの場合にはいつ勝ち玉が出たのか、どの玉が必要経費なのか確定することは現実的ではないため、必要経費に計上できません。
ですから総収入が100万円なら、特別控除の50万円を差し引いてから2で割って、25万円が一時所得として課税の対象になります。
一時所得=(総収入100万円-特別控除50万円)÷2=25万円
25万円を他の所得と合算し、所得税の税率が決まります。
所得税率が5%であれば1万2500円、10%であれば2万5000円、20%なら5万円の所得税がかかります。
また、住民税もかかります。住民税は一律10%ですから、2万5000円の税金です。
1年間で50万円以上の儲けがあるなら、一時所得として課税されます。きちんと申告して正しく納税しましょう。
継続性があるなら雑所得
パチンコをたまにする程度であれば一時所得ですが、パチンコで生計を立てているような人であれば雑所得になる可能性もあります。
雑所得の金額は、以下の計算式で求めます。
雑所得=総収入-必要経費
必要経費の考え方は一時所得と同様ですから、収入がそのまま所得金額になります。
雑所得=100万円
100万円を他の所得と合算し、所得税の税率が決まります。
所得税率が5%であれば5万円、10%であれば10万円、20%なら20万円の所得税がかかります。
また、住民税もかかります。住民税は一律10%ですから、10万円の税金です。
利益が現金でもらえるため、税務署などに見つかりにくいと思うかもしれませんが、納税しなければれっきとした脱税です。納税は適切に行いましょう。
パチンコで「勝つ」というしくみ
パチンコは、誤解されがちですが、実はギャンブルや賭博ではありません。
パチンコ玉を借りて遊ぶ、遊技です。警察庁の資料にも「遊技場」と記されています。
パチンコで遊ぶときには、まずパチンコ玉を借ります。1玉4円や1円と、パチンコ台によって決まっています。パチンコ台の横にお札を入れる機械があって、お金を入れると、金額分のパチンコ玉を借りられます。
そして、パチンコ台で遊んで玉が増えたら、玉数に応じた景品と交換できます。
景品には、一般景品と特殊景品があります。
一般景品には、タバコやお菓子、カップ麺、日用品などがあります。
特殊景品は、金地金などの貴金属が代表的なもので、景品交換所で現金に換えることができます。
景品交換所はパチンコ店とは別店舗です。ですから、しくみとしては、ゲームセンターなどで取ったぬいぐるみを、リサイクルショップに売って現金にする、という流れと変わらないわけです。3つの店舗が関わることから、「三店方式」と呼ばれています。
「パチンコで〇円勝った」という言葉だけ聞くと、あたかもギャンブルですが、競馬や競輪のような、公営ギャンブルとは異なるということです。
勝つだけでは終わらない?
とはいえ、やはり出玉が出ればお金になるパチンコは、ギャンブル依存症になるリスクがあります。
そして、ギャンブル依存症は、借金と隣り合わせです。
借金は、「収入の範囲で支出をする」という、シンプルな家計管理の大敵。
住宅ローンのように担保もあって、返済計画もしっかり作っている借金であれば別ですが、そうではない借金は、家計を複雑にしてしまいます。
特にギャンブルに依存的になっている人の借金は、家族や友人、知人からも借り、嘘をつき、信用をなくしてしまう借金です。
お金も人間関係も、大切な財産です。
みすみす失ってしまうことのないよう、しっかり守っていきたいですね。
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タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

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