22/12/24
電気料金「上限引き上げ」1年間で最も電気代が高い冬を乗り切るための節約対策4選
電気料金が高止まりするなか、各電力会社が値上げを行う姿勢を鮮明にしています。なかには、これまでよりも40%以上電気料金の値上げを申請している電力会社もあるため、家計が逼迫しないか不安を感じている人も多いでしょう。今回は、電気料金の規制料金の仕組みや値上げへの対策について紹介します。
家庭用の電気料金の規制料金の仕組み
家庭用の電気料金には、2016年4月の電力自由化以前から提供されている「規制料金」と電力会社が自由に設定できる「自由料金」の2種類があります。
このうち規制料金は、規制料金は、消費者を保護するために料金や燃料費調整額(燃料費の値上がりを電気料金に反映できる金額)の上限が決められている、家庭向け契約件数の半数超を占めている料金です。電気の使用量に応じて従量電灯や集合住宅の共用灯などに使われる定額電灯も含まれます。規制料金の値上げには、国に申請して許可を得る必要があります。
2022年後半、各電力会社が国に規制料金の値上げを申請しました。申請をした電力会社と、値上げ率(平均)は次のとおりです。
●値上げ申請した主な電力会社と値上げ率(平均)
・東北電力:32.94%
・北陸電力:45.84%
・中国電力:31.33%
・四国電力:28.08%
・沖縄電力:43.81%
このほか、東京電力(東京電力エナジーパートナー)も、値上げ申請を検討しています。
電力会社による値上げが検討されている背景には、天然ガスや石炭などの燃料高や急激な円安による収益の悪化があります。日本政府は電気・ガス価格激変緩和対策事業により2023年から電気料金を約2割抑制すると発表していますが、電力会社に支払う費用の方が高くなる可能性があります。
電気料金の値上げ対策4選
電気料金が値上げされると、1ヶ月あたりの支出も多くなるため、確実に私たちの生活を圧迫します。値上がりする電気料金を少しでも抑えるための対策を4つ紹介します。
●電気料金の値上げ対策1:電気料金のプランを見直す
電気料金には使用量ごとに料金が高くなるプランと一定の使用量まで料金が定額になるプランがあります。とはいえ、生活環境によって適切な料金プランは変わります。
家族が多く使用量も多いのであれば、基本料金が高めで従量料金が抑えられるプランを選んだ方が料金は安くなります。一方で、1人暮らしかつ在宅時間が短い場合は、基本料金が安いプランや時間帯ごとの料金が安くなるプランを選びましょう。
また、契約アンペア数を下げるのもおすすめです。たとえば東京電力の従量電灯Bの場合、アンペア数を10アンペア下げるだけで基本料金を月286円、年3432円も下げられます。
【契約アンペア数と料金】(東京電力の場合)
東京電力のウェブサイトより
自分が普段使用している電気使用量が少ないわりに、アンペア数が高いプランを使っていないか見直しをしましょう。
●電気料金の値上げ対策2:節電を積極的に行う
電気料金は電気の使用量によって変動します。なるべく電気の使用を控えれば、電気料金は安くなります。たとえば、以下のような節電は有効です。
・エアコンの温度を1度下げる
外気温6度のときにエアコンの暖房を21度から20度にして9時間使うと1410円お得
・エアコンの稼働時間を減らす
エアコンの稼働時間を9時間から8時間にすると1080円お得
・冷蔵庫の温度設定を強から中に変える
周囲温度22度の場合、1630円お得
・洗濯機の使用回数を減らす
洗濯機の容量の4割で2回洗うより、8割で1回洗った方が3970円お得(電気料金と水道料金の合計)
・家電製品のプラグをコンセントから抜く
・人がいない場所の照明は切る など
東京都環境局「家庭の省エネハンドブック2022」より
1回あたりの節電量は少ないですが、積極的に取り組めば、電気料金を月間数百円以上安くできます。
●電気料金の値上げ対策3:古い家電を買い換える
最近販売されている家電は従来のものよりも消費電力が低くなっています。よって、古い家電を最新の家電に買い換えた場合、1台あたり年間数千円の節約になるかもしれません。
たとえば、経済産業省資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2022年版」によると、冷凍庫の年間消費電力量は年々減少傾向にあります。
【冷蔵庫の年間消費電力量の推移】
経済産業省資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2022年版」より
古い家電を使い続けるよりも新しく買い換えた方が、電気料金を安くできる可能性があります。家電製品の寿命が切れたら、無理に使うのではなく買い換えましょう。
●電気料金の値上げ対策4:節電チャレンジに参加する
電力会社各社は2022年12月より冬の節電チャレンジ(電力会社によりキャンペーン名称が異なります)を始めました。キャンペーン内容は各電力会社により異なりますが、12月31日までにキャンペーンにエントリーすると、電気やガス料金の支払いや特典獲得に使えるeポイントに交換できます。
たとえば、東北電力で開催される「冬の節電チャレンジキャンペーン」にエントリーすると、全員にeポイント2,000ポイント、抽選でeポイント5,000円がもらえます。さらに月間型の節電プログラムでは、電気使用量が前年同月比-3%以上となった対象者全員にeポイント1,000ポイントが付与されるうえ、抽選でeポイント最大30,000円がもらえます。また、指定時型の節電プログラムでは、電力会社から指定された時間に節電に取り組むことで、節電量に応じた金額のAmazonギフト券(1kWhあたり40円相当or80円相当)がもらえます。
他の電力会社でも同じようなキャンペーンを行っています。ぜひ参加してみてください。
まとめ
電気料金の値上げは、わたしたちの家計にも大きな影響を与えるでしょう。特に冬はエアコンなど暖房器具を使う頻度が増えるため、電気料金が高くなりやすい時期です。ですから、電気料金のプランを見直したり、節電をしたり、各電力会社が開催している節電チャレンジに参加したりして、電気料金の値上げを乗り越えていきましょう。
【関連記事もチェック】
・「64歳で退職するとお得」は本当?失業給付は65歳退職といくら違うのか
・令和でも「昭和生まれの親」のお金の常識にとらわれる人の残念な末路
・「10月の給与が減った」と驚いたら必ず確認すべき給与明細の項目
・定年後に意外とかかる6つの「大きな出費」
・年金受給者でも確定申告でお金が戻る! 1月に届く「公的年金等の源泉徴収票」3つのチェックポイント
小栗健吾 現役のFXトレーダー及びWEBライター
地方の大学を卒業後、会社員を経て、WEBライターとして活動中。FXや仮想通貨の取引経験(FXは8年以上)があり、現役トレーダーの目線で記事を多数執筆している。また、現在はFXだけでなく、「キャッシング」「副業」「節税」などマネー系の記事も多く執筆している。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう