23/02/26
クレカ明細にあったらヤバイ項目
クレジットカードの明細に「リボ払い」の項目はありませんか?特に自身で支払い方法をリボ払いにした認識がないにもかかわらず、知らぬ間にリボ払いになっているという場合は注意が必要です。今回は、リボ払いの概要、リボ払いが危険な理由、そしてリボ払いを避ける方法について紹介します。
クレカ明細にリボ払いがある場合は要注意
経済産業省発表の「令和3年度消費者相談報告書」は、経済産業省の消費者相談室に寄せられた相談の件数や概要をまとめた報告書です。同報告書によると、割賦販売(クレジットカードなど)に関する相談は687件あり、そのうちリボ払いについての相談は82件(11.9%)ありました。「カード契約時には認識がなかったが、確認したら知らぬ間にリボ払いになっていた」事例が多く相談されたと記載されています。
クレジットカードの一般的な支払い方法には以下の4つがあります。
●クレジットカードの支払い方法
筆者作成
このうち、最も警戒しなければならない支払い方法がリボ払いです。
毎月一定額ずつ返済するリボ払い
リボ払いとは、クレジットカードの利用金額や利用件数にかかわらず、月々の支払金額が設定した一定の金額のみになる方法です。
例えば、先月にクレジットカードで5万円分の買い物をした場合の支払金額は、支払い方法によって変わります。一括払いなら5万円、分割払い(2回)なら2万5,000円×2回と、手数料無料で支払うことができます。しかし、3回以上の分割払いでは、手数料がかかります。
そして、リボ払いで月々の支払い金額を5,000円に設定していた(定額方式)場合、1回あたりの支払額は5,000円のみで済ませることができますが、やはり手数料がかかります。
なぜリボ払いにすると返済が終わらないのか
「リボ払いにすると返済が終わらなくなるから危険」と聞いたことがありませんか?
リボ払いが危険と言われる理由は、支払期間の長期化により支払う手数料が高くなるからです。たとえば、5万円の買い物を毎月5,000円ずつリボ払いで返済(手数料率実質年率18%)すると、総返済回数は11回、支払い総額は54,505円になる計算です。
リボ払いをする場合、支払った5,000円は商品の購入代金だけでなく、手数料分の支払いにも充てられます。よって、毎月5,000円ずつ支払いをしても、10回で返済終了とはなりません。
当然、商品の購入金額が高く、リボ払いの設定金額が少ないほど、返済終了までの期間は長期化します。20万円の買い物を毎月5,000円ずつリボ払いで返済(手数料率実質年率18%)すると、総返済回数は61回、支払い総額は304,980円に。利用金額がさらに多くなれば、何年支払いを続けても一向に返済が終了しない事態になるケースもあるのです。
リボ払いになっていないか要チェック
基本的にリボ払いは自身で設定した上で利用する支払い方法です。したがって、クレジットカードを一括払いや分割払いで使い続ければ、リボ払いで返済ができない事態に陥りにくくなります。
「今月は生活が少し苦しいから、1回だけリボ払いにしてすぐに戻せばよい」と考える人もいるでしょう。しかし、リボ払いにした結果、毎月の支払い額が少なくなるのでそのまま続けたくなったり、うっかりリボ払いの解除を忘れたりするかもしれません。できるだけ、リボ払いをせずに支払いましょう。
リボ払いにしないために、カード会社のホームページの会員ページから支払い方法を一括払いや分割払いに変更しましょう。設定を変更すれば、締め日が来ていないものから別の支払い方法が反映されます。
ただ、いくらリボ払いを避けようとしても、申込時に自動的にリボ払いになるカードやそもそもリボ払いしか利用できないクレジットカードがあるので注意しなければなりません。
一部のクレジットカードでは、クレジットカードの支払いがすべてリボ払いになる「自動リボ払い」が設定されていることがあります。また、リボ払いしか選択できない「リボ専用カード」もあります。どちらのクレジットカードも、店頭で「一括払いで」と伝えても、自動的にリボ払いになってしまいます。
消費者生活センターに寄せられるリボ払い関連の相談で多いトラブルの原因として「自身のカードがリボ払いと認識していない」ケースがあります。また、「新規カード発行で◯ポイントプレゼント」といったキャンペーンに参加するためには、支払い方法をリボ払いにしなければならないと定められているケースもあります。必ず、申込書類に記入する際に、支払い方法がリボ払いになっていないか確認しましょう。
クレカ明細にリボ払いの項目があったらどうする
既にクレカ明細にリボ払いの項目がある場合、利用金額が大きくなるほど長期間支払いを続けなければならなくなる可能性があります。
リボ払いであっても、支払期間を短縮できる方法として、繰り上げ返済があります。繰り上げ返済とは、残高の一部または全部を早めに返済する方法です。ボーナス月など、いつもよりも多くの収入が入ったときに繰り上げ返済をすれば、支払期間を短くできます。そして支払期間が短くなれば、余計に利息の負担を減らせます。繰り上げ返済は、クレジットカード会社のコールセンターやウェブサイトから申し込み、口座引き落とし・銀行振込・ATMなどを利用して手続きができます。
また、月々の返済額を増額すれば、その分支払期間・利息の負担を減らすことができます。こちらも、コールセンターやウェブサイトから手続きができます。
まとめ
リボ払いは一見便利な支払い方法ですが、利息が高くて返済額が少ない分、返済がなかなか終わらないケースもあります。「毎月の支払い額が少なくなるから」という理由で容易に使うべきではありません。
さらに、カードの申込時にリボ払いが設定されているケースやリボ払いしかできないカードもあるので注意が必要です。余分な手数料を支払わないためにも、はじめて使うカードの請求書にリボ払いの項目がないか必ず確認しておきましょう。
【関連記事もチェック】
・【米国ETF】高配当株ETFのVYM・SPYD・HDV・DVY、増配株ETFのVIG・SDYを徹底比較!プロが選ぶ正解はコレだ【Money&YouTV】
・「64歳で退職するとお得」は本当?失業給付は65歳退職といくら違うのか
・令和でも「昭和生まれの親」のお金の常識にとらわれる人の残念な末路
・生活費が高くなる「意味のない」節約5選
・国民年金「10年しか払わなかった人」の年金額はいくら? 年金はなんとか増やせないのか
小栗健吾 現役のFXトレーダー及びWEBライター
地方の大学を卒業後、会社員を経て、WEBライターとして活動中。FXや仮想通貨の取引経験(FXは8年以上)があり、現役トレーダーの目線で記事を多数執筆している。また、現在はFXだけでなく、「キャッシング」「副業」「節税」などマネー系の記事も多く執筆している。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう