20/02/25
知らないとヤバイ! リボ払いで月5000円返済、何円以上購入すると返済できなくなるのか
クレジットカードは、きちんと使えばとても便利なものです。ただしリボ払いには要注意、と聞いたことはありませんか?
その理由は、リボ払いにすると支払残高がなかなか減らないからです。
今回は、月々の支払いを5000円に設定してリボ払いをした場合、残高がいくらになると完済不能になるのか考えてみます。
10万円の支払いをリボ払いにしたら?
リボルビング払い、略してリボ払いは買物の金額にかかわらず、毎月の支払金額を一定にする仕組みです。
急に必要なものがあって予定外の出費をしなければならないのに貯蓄がない、といった場合には助かる支払い方にも思えます。
支払金額はカード会社などにもよりますが、月5000円から千円単位、もしくは1万円単位で選べるようになっていることが多いようです。
そんなリボ払いを利用して、月5000円の支払いで10万円の買物をしたとしましょう。臨時出費で10万円は厳しいかもしれませんが、リボ払いなら翌月の支払いは5000円ですみます。ただし、この5000円のなかには手数料が含まれています。手数料は実質年利15~18%が相場です。
手数料18%で支払のシミュレーションをしてみると、
支払回数は24回、手数料は合計で1万9772円もの金額になります。
リボ払いにすると月の支払いが5000円だけですむことに安心して、カードの利用明細をしっかり見ないままにしている人が多いのですが、実は手数料だけでこんなに払っているのですね。
リボ払いでいくらまで使える?
この手数料、たいしたことないと思うでしょうか。
10万円を貯蓄すれば手数料は払わなくていいのですが、そのかわりコツコツと貯めなくてはいけません。月5000円ずつ貯蓄するなら20カ月、つまり2年近くもかかりますが、リボ払いなら今すぐ買物ができます。
そのためのコストが1万9772円ならそれでもいい、という考え方もあるかもしれませんね。
しかし、リボ払いの本当の怖さは、利用限度額まで何度でも買物ができてしまうことにあります。リボ払いの利用限度額が30万円あれば、10万円の買物をした支払いがまだ残っていても、まだ20万円もの買物ができるのです。
限度額いっぱいに買物をしても、それでも月の支払いは一定額のみ。その手軽さゆえに、次々と買物をして、残高がいくらになっているのかもチェックしないままにしていると、いつの間にか残高がふくらみ、いつまでたっても支払いが終わらないことになってしまいます。
もし、利用残高が30万円で手数料が実質年利18%だった場合の、月の支払金額の内訳を計算してみましょう。
年利18%ですから、1カ月あたりにすると12で割って1.5%になります。
18%÷12=1.5%
30万円の1.5%は4500円。
つまり、5000円を払ってもそのうち4500円は手数料にとられて、元金は500円しか減りません。
すると、次の月は利用残高が29万9500円ですから、その1.5%は4493円。5000円のうち、元金の返済に充てられるのは507円です。
このペースで支払っていっても、いっこうに元金は減らず、いつまでたっても完済できなくなってしまうことがお分かりいただけるのではないでしょうか。
40万円の利用残高だと、月の手数料だけで6000円
同様に、利用残高が40万円、手数料が実質年利18%の場合を計算すると、1回目の支払いは手数料だけで6000円になります。
つまり、月5000円の支払いでは元金が減らず、完済できなくなるということです。
実際には、このような場合は月の支払額が5000円から1万円になるなど変更されますが、それでも手数料は6000円もかかります。
なお、手数料が5000円となる利用残高は333,350円です。月5000円の返済は利息分を返済して終わりということ。
つまりこの金額以上、リボ払いで支払いをすると毎月の返済が5000円では全く元本は減らないわけなのです。
リボ払いは、欲しいものがすぐに買えて、支払は無理のない一定金額で設定できます。
そのため、無計画に利用して、限度額いっぱいまで使ったら別のクレジットカードを作る人は少なくありません。
クレジットカードはインターネットで簡単に申し込めますし、リボ払い専用カードなら大きなポイント還元がなされることもよくあります。しかし、手数料のことを考えれば、ポイント還元など小さいことです。
複数のクレジットカードでリボ払いを利用した結果、気づけば残高が数百万円にまで膨らんでしまう人も珍しくありません。
クレジットカードを作る際には、リボ払いは利用しない契約にすることをオススメします。
そして、クレジットカードで買物をしたら、レシートなどはきちんととっておき、いくら利用しているか把握しておきましょう。利用明細書を毎月確認することも忘れずに。
キャッシュレス決済の普及が進み、クレジットカードを持つことは当たり前になりつつあります。
支払はしっかり管理して、便利に使いこなせるようにしたいですね。
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タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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