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25/06/22

相続・税金・年金

毎年6月に届く「年金振込通知書」確認しないと大損の可能性

毎年6月に届く「年金振込通知書」確認しないと大損の可能性

公的年金は「申請主義」と言われます。つまり、自分で申請しないともらえない仕組みになっている、ということ。ですから、年金は受け取り始めてからも、しっかり確認する意識が必要です。 特に6月は、新年度の最初の年金なので、年金額が変わることが少なくありません。そのため、6月に届いた「年金振込通知書」の確認はとても大切。
「年金は公的なものだから年金振込通知書に間違いはないだろう」とチェックもせず、いつの間にかどこかにいってしまった…、ということは避けたいものです。

年金振込通知書には重要な情報が書いてあり、年金額が少ないのでは?ということにもすぐに気が付くことができます。今回は、2025年度の年金振込通知書に書いてあることと見方、年金を受け取りながら働くコツ、そして年金額が少ないと思った時の対処についてお伝えします。

年金振込通知書に書いてあること

年金振込通知書は、年金を口座振り込みで受け取っている人に、日本年金機構から送られてくる書類です。年金振込通知書には、その年度に受け取る年金額などが書かれています。文字通り、「年金を振込みます」というお知らせです。 なぜ6月に届くかというと、新年度4月からの年金が、最初に振り込まれる日が6月15日(2025年は曜日の関係で6月13日)だからです。通知書と振込金額の確認を、忘れにくいタイミングと言えるでしょう。

<年金振込通知書>

日本年金機構の資料より

年金は2カ月まとめて後払い。年度はじめの4月分と5月分の年金は6月に振り込まれます。年金の振込日を迎えたら、通帳記入、またはインターネットで取引履歴を確認すると確実です。
年金振込通知書が届いたら、記載されている内容を確認しましょう。具体的には、次のようなことが記載されています。見方を押さえておきましょう。

●年金振込通知書の見方:振込先

年金が振り込まれる金融機関名や支店名が書かれています。
年金が振り込まれない!と思ったら、見ている口座が違っていた、という笑い話のようなことも実際にあります。年金の振込先の確認は、基本中の基本。しっかり見ておきましょう。
年金の振込先の口座変更もできますが、手続きが終わったと思っても、変更後の口座への振込が確認できるまではそれまでの口座を解約しないようにしましょう。

●年金振込通知書の見方:年金支払額

振込1回あたりの年金支給額、つまり2カ月分の年金支払額です。年金支払額は税金などが差し引かれる前の金額です。給与明細の額面金額のようなものですね。

●年金振込通知書の見方:介護 保険料額

65歳以上の人は、年金から介護保険料が差し引かれます。要介護状態になっても、介護保険料は払わなくてはなりません。介護保険は、介護が必要になっても安心して暮らすために大切な制度です。きちんと払っていきましょう。

●所得税額および復興特別所得税額・個人住民税額

年金からは、所得税や住民税も差し引かれます。本当に、給与明細とそっくりですね。
実際、年金振込通知書は給与明細のように収入を証明することもできる書類です。ローンを組んだり、賃貸住宅を契約したりする時に求められることもあるので、なくさないように気を付けてください。

●年金振込通知書の見方:控除後振込額

控除後振込額には、社会保険料や税金が差し引かれたあとの振込金額が書かれています。
残高照会などで、だいたいそのくらいの金額が増えているから大丈夫だろう、という思い込みは禁物。取引明細の確認や、通帳記帳で確認するクセをつけておくといいですね。

年金額の見直しは、物価と賃金の変動にあわせる

年金額は毎年見直され、新年度の年金支給額が決まります。
年金額は、すでに年金を受け取り始めている年齢の人と、それ以前の人では見直され方が異なります。

すでに受け取り始めている場合には、それまでに受け取っていた年金額と実質的に大きな差が出ると、生活に支障が出ます。そのため、物価の変動による改定が行われます。これを、物価スライドと言います。
一方、その年齢以前の人は、直近の賃金の状況を反映させるため、賃金の変動による改定を行います。これを、賃金スライドと言っています。

ただし、例外があります。
賃金の上昇が物価上昇に追いつかず、実質賃金がマイナスになる場合には、どちらの年齢でも年金額は賃金の変動による改定が行われます。
これは、年金制度をささえる現役世代の負担が大きくなり過ぎないようにするためのルールです。

さらに、現役世代の人口減少率を基本とした調整率が設定され、その分を賃金、物価の改定率から差し引く、マクロ経済スライドがあります。
マクロ経済スライドは、社会情勢に合わせて年金の給付水準を調整するため、公的年金全体の被 保険者数の変動と平均余命の伸びをもとにして決まります。

2025年度の改定にあたっては、賃金、物価の変動は以下のとおりでした。
・名目手取り賃金変動率:+2.3%
・物価変動率:+2.7%
・マクロ経済スライドによる調整率:-0.4%

2025年度は、賃金変動率が物価変動率を下回ったので、年齢にかかわらず賃金変動率(2.3%)で改定されます。
また、2025年度のマクロ経済スライドによる調整(-0.4%)がなされるため、+1.9%の改定となりました。

物価改定率は、前年の消費者物価指数の変動率、賃金改定率は、過去3年度の賃金変動率の平均が計算のもとです。
そのため、賃金改定率は現状よりも少し前の数字に影響されるので、体感とは若干差異があるのはやむを得ないところでしょう。

結果として、2025年度の老齢基礎年金は、1956年4月1日以前生まれの方は、満額が月額6万9108円と前年度から1300円増になりました(年額82万9300円)。また、それ以前の年齢の方は月額6万9308円と、前年度から1308円増です(年額83万1700円)。

年金額が変わると「年金額改定通知書」が届く

このようなことから、6月の通知書は、ほとんどの場合年金振込通知書と年金額改定通知書が一体化したものが届くと思われます。

<年金振込通知書と年金額改定通知書(一体となったもの)>

日本年金機構の資料より

改定された金額になっているか、そのとおりの金額が振り込まれたか、しっかり確認しておきましょう。 年金額の改定があった人には、年金振込通知書と一体となっていない年金額改定通知書が届く場合もあります。

<年金額改定通知書>

日本年金機構の資料より

「ねんきんネット」に登録しておくと、インターネットを利用していつでも年金額改定通知書、年金振込通知書の内容が確認できます。また、PDFファイルで保存・印刷も可能なので便利です。

2025年4月分からの年金額改定通知書、年金振込通知書の内容の確認は、2024年6月9日(月)からできるようになっています。
また、5月分以降の年金が在職中で支給停止となる方などは2025年5月9日(金)から確認できます。

年金を受け取りながらでも働ける

老齢年金の受け取りは基本的に65歳からですが、65歳以降も働く人は決して珍しくありません。定年退職後も働いて収入を得ることは、今や当たり前とも言えるでしょう。

ここで気になるのは、年金はもらえるのか?ということ。
結論から言えば、働いていても、年金を受け取ることは可能です。
ただし、勤め先からの給料やボーナスの金額と、受け取れるはずの年金額に応じて、厚生年金の一部、または全部がカットされます。

この仕組みが、「在職老齢年金」です。
働いて収入があるなら、年金は全額もらわなくても大丈夫でしょう、という考え方のためですが、せっかくもらえるはずの年金が減るのは、少々もったいない気もしますね。

在職老齢年金による年金額調整は、1カ月あたりの年金額(基本月額)と、1カ月あたりの給与(ボーナスなどの月割り額を含む、総報酬月額相当額)の合計が51万円を超えた場合に、超えた金額の半額がカットされます。

言いかえると、1カ月分の年金と、勤務先からの収入が51万円以下なら、年金は減額されずに受け取れる、というわけです。

51万円を超えたら、以下の計算式で減額分を計算します。

(基本月額+総報酬月額相当額-51万円)÷2

たとえば、年金は基本月額で10万円受け取り、勤務先からの収入は月あたり44万円だった場合には、10万円+44万円=54万円ですから、51万円を超えています。
そのため、以下の計算式を当てはめます。

(10万円+44万円-51万円)÷2
=3万円÷2=1万5000円

この場合には、月あたり1万5000円が減額されます。

とはいえ、勤めていれば、その期間は厚生年金の保険料を納めています。
つまり、厚生年金から年金を受け取っている一方で、保険料を払ってもいる、ということ。
そうすると、この保険料分は退職後の年金に反映されるので、年金額を増やすことができます。

さらに2022年度からは、納めた保険料分の反映が在職時にもなされることになりました。
「在職定時改定」といって、在職時でも年に1度、9月1日に在職している人に対して、8月以前の加入期間にもとづき年金額が改定されます。
年金を受け取りながら働く人の、モチベーション維持に一役買っていると言えそうです。

働き方によっては減額されない

在職老齢年金の制度は、厚生年金に加入している人が対象です。
ですから、以下のような厚生年金に加入しない働き方であれば、厚生年金の調整はありません。

●5人未満の個人事務所など、厚生年金の摘要がない勤務先で働く

5人未満の個人事務所では、社会保険(健康保険、厚生年金)に加入しなくてもよいことになっています。しかし、任意で加入することもできるるので、事前に確認が必要です。

●アルバイト、パートで短時間働く

アルバイト、パートであっても、正社員の4分の3以上の日数や時間を働く場合には、厚生年金の加入義務があります。4分の3未満であっても、次の場合には加入することになります。

・1週間の所定労働時間が20時間以上
・所定内賃金が月額8.8万円以上
・2か月を超える雇用の見込みがある
・学生ではない
・従業員数51人以上の企業で働いている

アルバイト、パートの厚生年金加入の条件は、次第に幅広くなってきており、今後もその傾向が続きます。今後、所定内賃金月額8.8万円以上といういわゆる「106万円の壁」が撤廃されたり、「51人以上」という企業規模要件が撤廃されたりする見込みです。
勤務した当初は厚生年金の加入対象ではなくても、その後対象になる場合もあることに気を付けましょう。

●独立して自営業で働く

個人事業主は厚生年金の加入対象ではないので、在職老齢年金にもあてはまりません。

●不動産収入を得る

所有している不動産からの収入があっても、厚生年金に加入するわけではありません。
この場合にも、在職老齢年金は対象になりません。

年金額が少ないのでは?と思ったら

源泉徴収票や年金振込通知書を確認してみて、「年金額が思ったより少ない」と思ったら、以下のことがあったのかもしれません。

●働いて、年金以外の収入があったのでは?

前述のとおり、60歳以降働きながら受け取る老齢厚生年金を在職老齢年金といいます。在職老齢年金は、働いて得た収入と年金額の合計が51万円(2025年度)を超えた場合、年金額の調整があり、減額されたり停止されたりすることがあります。働くとかえって損、というわけではありませんが、収入の多い人は、年金額を少なくさせてもらうという制度です。在職老齢年金が適用されたことで、年金額が少なくなっている可能性があります。

●配偶者が65歳になったのでは?

老齢年金を受け取る人に生計を維持されている配偶者がいる場合、加給年金が上乗せされます。たとえば、元会社員の夫が老齢厚生年金を受け取っていて、夫に生計を維持されている妻がいると、夫の年金に加給年金がプラスされます。加給年金は年金の配偶者手当のようなものですが、妻が65歳になると受け取れなくなるため、年金額が少なくなる可能性があります。

●年金の繰り上げ受給をしたのでは?

老齢年金は65歳からの受け取りですが、60歳まで繰り上げることが可能です。ただし、金額は1カ月繰り上げるごとに0.4%減額になります(1962年4月1日以前生まれの人の減額率は0.5%)。年金の繰り上げ受給をすると、1回あたりの年金支払額は少なくなります。

●扶養親族申告書の提出を忘れたのでは?

差し引かれている所得税が多くて年金額が少ない場合は、扶養親族申告書を出し忘れたのかもしれません。扶養家族がいれば各種控除の適用があり、所得税も安くなります。もしも出し忘れていたら、確定申告をすれば控除の適用が受けられます。

●年金額が引き下げになったのでは?

年金額は、物価や現役世代の賃金の水準の動きにあわせて、毎年増減しています。
たとえば、2022年度は、国民年金は原則0.4%の引き下げ、減額となりました。国民年金を満額受け取っている人の場合、2021年度は月額6万5075円だった年金が、2022年度には6万4816円になっています。そんな年には振込金額が下がってしまいます。
しかし、2023年度は逆に年金額が増加して6万6250円、2024年度は6万8000円、2025年度は6万9308円です。こんなところも、しっかり確認しておきたいですね。

●疑問点があったら窓口に相談を

もしも、年金額に疑問点などがあるならば、最寄りの年金事務所や年金相談センターに問い合わせてみましょう。また、社会 保険料・税金の金額に疑問があれば、下記の窓口に確認してみるといいでしょう。

・所得税・・・所轄の税務署
・住民税、介護保険料、国民健康保険・・・市区町村役場
・後期高齢者医療保険・・・都道府県の広域連合

年金額は、医療費・介護費の自己負担上限額とも関連します。
老後のくらしをささえる公的年金、しっかり理解して受け取りたいですね。

今後の年金改定に注目

少子高齢化を背景に、公的年金をはじめとした社会保障制度は今後見直しされていく可能性が高いと思われます。

社会保険の加入対象は拡大していくでしょう。
賃金水準や勤務先の企業規模の要件は、変わっていくことになりそうです。
一方、在職老齢年金の基準額を変更し、減額されずに働ける層を増やしていく見込みです。

家計に直結する年金の見直しには、今後も注目する必要がありそうです。

タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)

36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

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