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21/11/19

家計・ライフ

現金給付でよく出てくる「住民税非課税世帯」はどれくらいいるのか

現金給付でよく出てくる「住民税非課税世帯」はどれくらいいるのか

新型コロナウイルスの影響で経済的に苦しい人に対する支援策として、政府は「住民税非課税世帯」に対して現金10万円を支給することを盛り込んだ経済対策を打ち出しました。現金給付などの支援が行われるとき、たびたびその基準として「住民税非課税世帯」が出てきます。では、住民税非課税世帯は、どのくらいあるのでしょうか。紹介します。

住民税非課税世帯は「住民税を課される人がいない世帯」

住民税は、お住まいの都道府県や市区町村に納める税金です。私たちが生活するにあたっては、教育、福祉、ゴミの処理など、さまざま公共サービスがかかせません。住民税は、それらの公共サービスの運営費用として徴収されています。

住民税には一律に課税される「均等割」と、所得に応じて課税される「所得割」の2種類があります。均等割は一律で5000円。本当は4000円なのですが、2014年から2023年までの10年間は東日本大震災からの復興に伴う防災の財源確保のため、1000円増額されています。それに対して所得割の税率は10%。所得に応じて、支払う金額が変わります。

基本的には、一定以上の収入があれば住民税を支払う必要があります。しかし、以下に当てはまる人は、住民税が非課税になります。

●住民税(所得割・均等割)が非課税になる人

・生活保護を受けている人
・未成年者・障害者・寡婦・ひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下の人
(年収が給与収入のみで204万3999円、65歳以上で公的年金収入のみで245万円以下)
・前年の合計所得金額が、
(扶養親族がいない場合)45万円以下(年収が100万円以下)の人
(扶養親族がいる場合)35万円×(本人+同一生計配偶者+扶養親族)+31万円の人
※扶養親族には16歳未満も含みます
※地域によって金額が異なる場合があります

住民税が非課税となるかどうかは、収入ではなく、所得によって決まります。所得は1年間の収入から経費(会社員の場合、給与所得控除)と個人の事情を税金に反映させる所得控除を引いて求めます。

そして、住民税非課税世帯とは、世帯全員が住民税非課税の世帯です。
たとえば、会社員と配偶者(専業主婦または主夫・収入なし)、子ども2人の4人家族の場合、所得が35万円×4+31万円=171万円までであれば「住民税非課税世帯」となります。給与所得控除前の年収でいうと、およそ255万円です。

住民税非課税世帯はどれくらいいる?

住民税非課税世帯の数を具体的に示す統計はありません。ですので、ここで簡単に推計してみましょう。

厚生労働省のデータによると、日本の全世帯数は5178.5万世帯となっています。

●日本の世帯数

厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」より(黄色は筆者)

また、日本の世帯を1万世帯に換算した場合の年代別の住民税納付額のデータによると、住民税課税世帯は7667世帯となっています。

●年代別の住民税納付額

厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」より作成

1万世帯のうち、7667世帯は住民税課税世帯ということは、住民税非課税世帯は残りの2333世帯。つまり、住民税非課税世帯の割合は日本の全世帯数の23.3%だと考えられます。

最初に紹介したとおり、日本の全世帯数は5178.5万世帯なので、住民税非課税世帯は5178.5万世帯×23.3%=約1206万世帯と推計できます。

なお、上のデータを利用して、年代別に住民税非課税世帯の割合を算出してみたのが次の表です。

●年代別・住民税非課税世帯の割合

厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」より作成

もっとも割合が多いのは80代以上で45.0%。次いで70代(35.7%)、29歳以下(31.2%)となっています。逆に、30代〜50代の住民税非課税世帯はそれぞれ1割程度だと見てとれます。

住民税非課税世帯が受けられる優遇措置

コロナによる10万円の現金支給の他にも、住民税非課税世帯には生活救済の観点から、さまざまな優遇措置が用意されています。

●住民税非課税世帯の優遇措置

・2歳未満の保育が無償化される
幼稚園、保育所、認定こども園などを利用する3〜5歳児の保育は無料ですが、 住民税非課税世帯の場合はさらに0〜2歳児も無料になります。

・高等教育無償化の対象になる
大学等に進学する際の費用の給付・減免を受けることができます。金額は通う学校の種類やどこから通うか(自宅か自宅外か)で異なりますが、住民税非課税世帯は第I区分といって、給付・減免が手厚くなっています。

・高額療養費の負担が減る
毎月の医療費の自己負担を一定額に抑えることができる高額療養費制度の自己負担額は所得水準で異なります。住民税非課税世帯は、この自己負担額も少なくて済みます。

・介護保険料の負担が減る
2019年10月より、住民税非課税世帯の65歳以上の介護保険料が軽減されています。

・国民年金保険料や国民健康保険料の負担が減る
国民年金保険料は申請すれば免除が受けられます。免除を受けた場合でも、将来、国民年金保険料を支払った場合の2分の1の年金を受け取れます。また、国民健康保険料の負担も2割〜7割軽減されます。

・他の給付金の対象になる
たとえば2021年3月にスタートした子育て世帯生活支援特別給付金は、住民税非課税の子育て世帯や児童扶養手当を受給するひとり親世帯に児童1人あたり一律で5万円を支給する給付金です。

このように並べると、なんだかメリットが多いように思われるかもしれません。しかし、住民税非課税世帯は、何らかの理由で収入が少ないために住民税が非課税になっているということを忘れないようにしましょう。これらの優遇を受けるために収入を減らすのは本末転倒。そんなことをしていると、生活が苦しくなってしまいます。

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まとめ

しばしば話題になる住民税非課税世帯とは、住民税が課される人がいない世帯のこと。そして推計で1206万世帯ほどが住民税非課税世帯となっていることを紹介しました。何らかの理由で収入が減った場合には、優遇措置をぜひ活用しましょう。

畠山 憲一 Mocha編集長

1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。

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