21/04/03
住民税、自動車税、固定資産税を滞納する人の残念な末路
住民税、自動車税、固定資産税の納付書が届いたとき、支払いが厳しいからと後回しにしてしまうことはないでしょうか?今回は、納付期限までに税金を払わず滞納するとどうなるのかを説明します。税金滞納のデメリットを十分認識しておき、期限までに払えるように準備しておきましょう。
住民税を滞納するとどうなる?
会社員の場合、住民税は「特別徴収」として給与から天引きされるため、通常は滞納することはありません。住民税を滞納する可能性があるのは、毎年6月上旬に納付書が送られてくる「普通徴収」の人、主に個人事業主や会社を辞めた人です。
●最終的には財産を差押えされる
納付期限を過ぎたのに住民税を払っていなければ、市町村から文書や電話で催促があります。督促を無視して払わなかった場合には、預貯金、給与、不動産、生命保険などを差押えされる「滞納処分」が行われます。
●延滞金も請求される
納付期限を過ぎてから住民税を支払う場合には、延滞金も合わせて払わなければなりません。延滞金は、納付期限の翌日から納付日までの期間で計算されます。
延滞金の金額の割合は、次のようになっています。
・延滞金の金額の割合(2021年1月から)
延滞金の割合は、「延滞金特例基準割合」(2020年までは「特例基準割合」)に所定の割合を足して算出します。延滞金特例基準割合は、2021年中は1.5%となっています。納付期限から1か月以内であれば1.5%+1%で年2.5%ですが、1か月経過後は7.3%+1.5%で年8.8%と一気に割合が高くなります。
自動車税を滞納するとどうなる?
自動車の所有者には、毎年自動車税(2019年10月1日以降正式には「自動車税種別割」)が課されます。都道府県の担当窓口から毎年5月上旬に納付書が届きます。
●やはり払わなければ財産差押え
自動車税の場合にも、督促が来ても払わなければ、滞納処分として預貯金や給料の差押えが行われます。また、納付期限を過ぎると、住民税の場合と同様の延滞金が課されます。
●滞納すれば車検が通らない
車検の際には自動車税の納付証明書を提出しなければなりません。自動車税を払っていなければ、車検に通らないという問題も発生します。
車検に通らない車に乗っていると、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金を受けることになります。さらに、交通違反点数6点が加算され、即免許停止となります。つまり、自動車税を払っていないと、車にも乗れなくなってしまうということです。
固定資産税を滞納するとどうなる?
固定資産税は、土地や建物といった不動産の所有者に毎年課される税金です。固定資産税の納税通知書は毎年4月上旬に市町村の担当窓口から届きます。
●不動産を差押えされる
固定資産税を滞納した場合にも、最初は文書や電話で督促があります。納付期限を過ぎてからは、住民税や自動車税と同様の延滞金も課されます。
さらに滞納が続けば、滞納処分として差押えが行われる点も同じです。通常は換金しやすい預貯金や給与から差押えされますが、課税対象の不動産を勝手に売却等できないよう、不動産にも差押えの登記が入ります。
税金を滞納すると仕事にも影響が出る
住民税、自動車税、固定資産税を滞納すると、いずれも最終的には財産の差押えを受けます。
会社員は、給与を差押えされる可能性が高くなります。この場合、当然会社に連絡が行きますので、会社に滞納がバレてしまいます。会社は差押えだけを理由に解雇できるわけではありませんが、居心地が悪くなることは間違いないでしょう。
取引先と業務委託契約を結んで仕事をしているフリーランスは、売掛金を差押えされる可能性があります。フリーランスの場合、差押えは契約解除事由となっているのが一般的です。税金滞納により、取引先を失ってしまうこともあるということです。
税金を滞納しないためには?
税金を滞納することには、デメリットしかありません。あらかじめどんな税金がかかるかを知っておき、納税資金を確保しておきましょう。納付をうっかり忘れてしまいそうな人は、口座振替やクレジットカードにより自動で支払いができるようにしておくのが安心です。
どうしても税金を払えない事情がある場合にも、そのまま放置しないで、必ず役所に相談するようにしましょう。
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森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー
Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。
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